山崎さんにおしえてもらう前に、まずは「機能クッションってなに?」からおさらいしておこう。こちらその名の通り、手持ちのチェアの座面に置いて使える、さまざまな機能を持ったクッションのことをいう。「機能性クッション」とか、「高性能座布団」などと呼ばれることもある。

 要はプラスアルファの機能を持ったクッション全般を指すのだが、今どきのその機能がなかなかすごい。独特の形状で骨盤を「立たせる」ことで、座り方の矯正をしたりするほか、グラグラした座り心地で体幹を鍛え、ダイエットにつながることも。機能によってサイズや材質もさまざまで、価格も数千円から数万円まで、幅広く選ぶことができる。

「いずれにしても『お尻が痛くならないように(使う)』といった、その場しのぎの使用法ではなく、長期間座ることで特定の筋肉をつけ、正しい座り方を体に覚えさせる、進化した機能を持ったクッションが増えてきましたね」(山崎さん)

 選び方を伝授してもらった。

「まず考えていただきたいのは、クッションを使うシチュエーションと目的です。仕事場で、集中したいときに使うクッションなのか、家でリラックスしたいときに使うクッションなのかで、おすすめの商品が大きく変わってくるからです」

商品の見た目はどれも似ているが、座ってみるとクッション素材が入って、座り心地がやわらかいものと、反対にクッション性がほとんどなく硬い座り心地のものの、大きく二つに分けることができる。

ちなみに今回自分は、東急ハンズ新宿店の3階機能クッション売り場にある商品、ほとんどすべてに座らせてもらったが、姿勢を矯正しつつ、ゴージャスな座り心地で一番気持ちがよかったのは、「スタイルプレミアムデラックス」(MTG)という商品。とはいえ誰にとっても、ベストなクッションかというと、そうでもないらしい。

「MTGの『スタイルプレミアム』という商品は、高反発素材と低反発素材を組み合わせたやわらかい座り心地。家で映画を見るときなどにオススメするクッションです。ただしリラックス度は満点ながら、気持ちが良すぎて仕事モードにはなりにくい。そしてさらにクッション性が高く、座ったときに沈むのがこの『スタイルプレミアムデラックス』です。仕事用には、もっともおすすめできません」

次のページ