アンケートの回答でも、この習慣を評価する声が多かった。

「夜間に摂取したエネルギーは消費されにくく脂肪として蓄積されやすいため、遅い時間に飲食する習慣をやめるだけで痩せる効果が期待できます」(渡辺聖子さん・40代)

「21時以降は食べないことで胃腸を休めて、質のいい睡眠を確保できる。朝も自然とおなかが空いて規則正しい食生活になります」(森田みゆ貴さん・30代)

 2位になった「お菓子を食べない」も、1日3食という食のリズムを健全化させる狙いがあるという。単純だが奥が深い。

「朝と昼はしっかり食べて、夜は軽めという1日3食を規則正しく摂取するのが時間栄養学から見た健康な食生活の基本。そこにおやつなどの間食が入るとどうしても摂取カロリーが増えてしまいます。洋菓子を食べている人は和菓子に。和菓子を食べている人はナッツ系やドライフルーツなど、低カロリーで体にいいお菓子に替えていくと効果的です」(太田さん)

 手軽なダイエット習慣として意外に多くの栄養士の支持を集めたのは、3位の「食べたものの記録をつける」、4位の「毎日体重計に乗る」だ。

「これらの習慣は普段、体重計に乗らない人ほど効果があります。自分の体重や食生活に対する意識が高くなれば、自制心が働き、不思議に歯止めがかかるんです。体重計に乗り続ける行為自体で体重が減ることはありませんが、自制心が働く習慣作りがダイエットに効くんです」(太田さん)

 アンケートでも「体重を量って食事を記録することで現状を知ることが大切。摂取カロリーを見られるスマホアプリなどを使うといい」(衞藤敬子さん・30代)など、体重や食事の記録で摂取カロリーを「見える化」することを重要視する栄養士が多かった。

 第5位には「ごはん、麺、パンを食べない」という、ここ数年流行している糖質制限習慣がランクインした。

「人間の体は、油と糖を一緒に取ると脂肪に変わります。白米や麺、食パンは糖質が高い食品ですから、それらを制限しつつたんぱく質やビタミンをしっかり取ることである程度は健康的に痩せられる」(加山さん)

 栄養士の回答で目を引いたのは、正月明けの今こそがダイエットのチャンスという指摘だ。

「正月太りは、あまり動かずダラダラ食べたことで体重が増えただけ。まだ脂肪になっていないと考えられるので、無理のない範囲での活動量アップをすすめます」(相良愛子さん・30代)

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