食事の管理に運動を組み合わせるとダイエット効果が上がるのは周知の事実。栄養士の支持が高かった運動習慣は6位の「通勤時、1駅手前で降りて歩く」、7位の「2日に1度の1時間ウォーキング」など、それほど苦にならないものばかりだ。

「ウォーキングで無理なく体を動かすことで、リフレッシュになります。有酸素運動ですから、ダイエット効果もあります」(瀬川晶子さん・30代)

 朝型の人なら朝に、夜型の人なら夜に歩くといったふうに、運動する時間は自分の生活習慣に合わせたほうが続けられるという意見もあった。

「間食を取らない、少し汗をかく運動で代謝がアップするだけでも変わります。できれば、肩甲骨や太ももを使う筋トレも取り入れたい」(志磨さん・40代)

「寒い季節はあまり汗をかかないと思うので、リラックスしながら汗をかけるホットヨガは続けやすい」(女性・30代)

 食の習慣と同様、運動も無理せず続けられるものを選びたい。10位の「毎日、スクワットを15分」、13位の「毎日、腹筋を15分」といった筋トレの要素を入れると、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、運動をしていない間も自然に痩せる体になる効果が期待できる。

 18位の「水を1日2リットル飲む」という習慣は、体内の老廃物を排出する「デトックス効果」を期待する人が多いが、栄養士の意見は少し違う。

「デトックス効果より、水を朝からたくさん飲むことで、外部から何かが入ってきたと体が感じて自然に代謝が進み、体内の熱量が上がることが体重減につながる」(太田さん)という。

 アンケートに協力してくれた207人の栄養士たちの回答をまとめると、ポイントは大きく三つあった。

●運動も大切だが、まず食事面で摂取エネルギーを抑えなければ減量にはつながりにくい
●運動だけで体重を落とすのは一般の人には難しい
●短期間でもよいので、食事の質と量を調整して、続けられるダイエット習慣を

 まずは正月に乱れた不規則な食生活を1日3食の規則正しい食事に切り替えることが、正月太り解消の第一歩といえる。(ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)

AERA 2019年1月21日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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