午後の第二部には全国からお客さんが訪れる予定だ。

「小規模だけど、私たち主催者と来場者、それにゲストがそれぞれつながれるような、血の通ったハートフルな映画祭にしたいです。自分たちが楽しくなかったら、絶対周りの人たちは楽しめないと思います。だから、自分たちが本当に楽しみながら準備しています」

 関澤さんはそう話す。この1年、つらいことの方が多かったという。

「それでも、こんなに本気で遊べるのは、大人の特権だと思います」

 いずれは日本中、世界中から怪獣好きが集まる一大イベントに、という思いもある。小さな小さな一歩かもしれない。それでも本気で楽しみながら作り上げた映画祭の、第1回目の幕が間もなく上がる。(編集部・川口穣)

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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