1959年の創業以来、「お客様一人ひとりに合った肌のお手入れや最適な商品を対面でご提案すること」を貫いている化粧品会社のメナード。販売は対面販売のみ。全国にある販売代行店の店長やビューティアドバイザーたちが顧客と信頼関係を築き、「この人から商品を購入したい」と思ってもらって成り立つビジネスだ。そのため企業文化として何よりも人を大切にしている。「自分のためよりも人のため。多様な考え方を認め、尊厳を認めていくということです」 と、メナードのウェルビーイングについて語るのは、取締役の菊池知保さん。この意識はメナードの伝統として、社員に脈々と受け継がれている。
![社員と企業の成長につながるものは、人の尊厳を大切にすること](./img/p2_photo1-1.png)
取締役 経営企画部門・情報システム部門 部門長
菊池知保さん
2003年システムエンジニアとして入社。2022年取締役就任。「人の痛みがわかり、手を取り合える会社でありたい」と語る。個人でも学習機会に恵まれない子どもたちへ無償で勉強を教える活動に携わる
![菊池知保さん](./img/p2_photo1-2.jpg)
![catchup!](./img/p2_photo1-3.png)
今回、鼎談に参加した千葉支店 支店長の岡田誠さん、横浜支店 係長の宮崎佳世さん、商品企画部の中島知子さんは、仕事のやりがいについて次のように語った。
岡田支店長としてメンバーとともに地域のお店を盛り上げていこうと業務にあたっています。共通の目標を掲げ、それを達成した喜びをまた次の新たな目標へ向かうモチベーションにつなげていくことにやりがいを感じます。私が異動する際、店長が家族と一緒に挨拶に来てくれることがよくあります。その際、ご家族が店長を応援してくださっている様子を見て、「やっぱりメナードの仕事はご家族の元気や幸せに繋がっている」としみじみ感じますね。
宮崎担当店の店長やビューティアドバイザーたちに新商品のご提案をしたり販売方法をお伝えしたりしています。入社した当初から、女性が生き生きと輝くための役に立ちたいと思っていました。例えば結婚や出産を機に退職されたけれども、社会参画したいと思い、ご縁があってメナードに来てくださった女性にチャンスをご提供したい。まだ経験が浅く、お客様との接し方に悩んでいたビューティアドバイザーがそれぞれの壁を越えて成長していく姿を間近で見ることに喜びを感じます。
中島お客様に喜んでいただけるよう、新たな機能や価値をもたらす画期的な商品を作り上げる仕事をしています。直近では、2024年4月にリニューアル発売された「フェアルーセント」シリーズを手掛けました。商品開発は多くの人との連携が必要。時には思ってもいなかったことが起こることもあります。この商品も、多くの苦労を重ねながら発売に至った我が子のような存在です。お客様が肌にのせた瞬間、幸せや自信を感じていただきたいという思いを持って開発にあたっています。
宮崎そうですね。さまざまな事情でなかなか外出できない方にもご訪問してお届けしていることは、社会貢献にもつながっているように思います。私自身、育休中は育児に追われ、なかなか家から出られず、「こんなとき、ビューティアドバイザーが化粧品を届けてくれたらうれしいな」「誰かと話をしたいな」と思っていました。
![メナードの仕事は働く人の元気や幸せに繋がっていると実感します](./img/p2_photo2.jpg)
千葉支店 支店長
岡田誠さん
入社以来、代行店の開設サポートや経営についてサポートする営業の仕事に従事。2024年、沖縄支店長から千葉支店長に。小6、小3の父親
多様な働き方を社員同士でも認め合う
── 人を大切にすることは、顧客やビューティアドバイザーに対してだけでなく社員に対しても貫かれている。働きやすさに配慮し、昼食補助などの福利厚生、育児・介護休業制度を設け、制度を形骸化させない空気を醸成。「多様な働き方を社員同士で認め合う。配慮が必要な場合があれば、自然に声掛けが起きる会社」と菊池さんは語る。また、社員が何に悩み、何にやりがいを感じているのか、毎年1回、全社員にアンケート調査を実施し、管理職との面談において個人の目標やキャリアパスについてじっくりと話し合うという。
中島前職では出張が多く、子どもが寂しがっていると感じたのもあって働き方を考え直し、メナードに中途入社したという経緯があります。今は週1〜2回、在宅勤務の制度を利用。制度の利用にあたって理由は特に聞かれません。たとえば子どもの行事や急な病気などで、有給休暇や1時間ごとに休みが取れる時間単位年休(時間休)を取るときも、利用しやすいですね。部署内にも子育て中の社員は多く、みなさん同じように制度を活用しています。
宮崎私も時間休はよく利用しています。細かい単位で調整ができるのはありがたいですね。周りの協力や社内制度があることで子育てとの両立ができています。
岡田私は単身赴任で全国転勤をしていますが、福利厚生として月1回、自宅までの交通費を支給してもらえてうれしい。休みと組み合わせて家族とゆっくり過ごす時間をつくっています。
![店長たちと壁を越えて成長できることに喜びを感じます](./img/p2_photo3.jpg)
横浜支店 販売教育係長
宮崎佳世さん
店長やビューティアドバイザーの研修、技術指導を行う。以前はフェイシャルサロン開設サポートやビジネスモデルの検証業務に従事。小1の母親
必ず誰かが悩んでいる、その人を助けられる組織に
── 働きやすい環境は制度、福利厚生だけでなく、一人ひとりが生み出しているものでもある。菊池さんは「さまざまなライフステージがあるなかで、ずっと順調にいく人はまれ。組織の中では誰かが悩んでいる状態が当たり前です。悩んでいる人に手を差し伸べ、助け合えることが組織の強み」、そして「人は誰もが悩みや弱さを抱えている。それに目を背けて利益だけを追求してはならない」と強い思いを語る。
岡田支店はみんなが力を合わせて一つになって初めて成り立つもの。まだ支店長としての経験は浅いのですが、今自分ができることとして、メンバーにはまんべんなく積極的に話しかけています。小さなことではありますが、メンバーにはさまざまな人がいて、周囲に溶け込めず自分らしさを発揮できない人もいると思うんです。強い組織づくりのためにも、壁のない話しやすい雰囲気を作っていくことを心がけています。スキルや目標、価値観も人それぞれなので、その人ががんばったところをしっかりとフィードバックすることも意識しています。
宮崎横浜支店には若手も先輩もいます。若手が力を発揮できるよう上の人との調整役になることを心がけています。その時、その時を大切にし、多少厳しいことでも相手にとって必要だと思えば、きちんと伝えるようにしています。
中島メナードの社員はお客様だけでなく社員に対しても丁寧。相手のことを思って、気持ちをくみとろう、他人を尊重しようと考えてくれる社員が多いですね。そういう企業文化が根付いているのだと思います。
![仕事を通じて、仲間と力を合わせ社会貢献を実現しています](./img/p2_photo4.jpg)
商品企画部門 商品企画部
中島知子さん
2019年中途入社。お客様に商品を直接届けられる仕事に興味を持ちBtoBの事業会社からメナードへ転職。主にスキンケア商品の開発に携わる。中2の母親
企業理念は伝統であり心にいつもある
── こうしてキャリアウェルビーイングを実践しているメナード。そこで働く3人にとっての仕事とは、まさに人生を豊かにするものとなっている。
岡田私にとって仕事は生きがいです。仕事に励むことでプライベートも充実できるのだと思っています。メナードのCMが流れると、子どもたちは「パパの会社だ」と言って応援してくれています。また、転勤を通じてそれぞれの地域の風土に触れ、さまざまな出会いがあり、自分を成長させてくれているとも感じます。これからももっといろいろなところに行って仕事に生かしていきたいですね。
宮崎家族と一緒にいる自分と、仕事をしている自分、二つの自分があってどちらも私にとっては必要なものだと思っています。いろいろなことを経験して成長していくことが喜びにつながっているので、どちらの自分も大事にしていきたいと思っています。
中島職場は自分を認めてくれる場所。世の中の役に立ちたいと思っても、1人ではなかなかできないことが多いのですが、メナードは仲間たちと力を合わせてそれが実現できる場所です。これからも仕事を通して、多くの人に幸せを届けていきたいです。
── 企業理念「美しさにまごころこめて」は、社員たちにとって業務における行動指針となっている。菊池さんは「『企業理念を大切にしなければならない』といったことを、ことさらに社員たちに説いているわけではありません。これは受け継がれてきた伝統であり、いつも心にあるものです」と語る。この理念をベースに、メナードでは「こどもホスピス」の設立支援や、小児病棟にパフォーマンスを届ける団体を支援するなど社会貢献活動も積極的に行っている。こうした企業の「まごころ」が社会を豊かにし、ひいてはまた社員たちの心を豊かにしているのだろう。
![岡田さんは「メンズメイク」、宮崎さんは「推し活」、中島さんは「タンタン麺」にハマり中。](./img/p2_photo5.jpg)
岡田さんは「メンズメイク」、宮崎さんは「推し活」、中島さんは「タンタン麺」にハマり中。
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