独身会社員のトオルさん(28)は「周りで結婚する人が増え、否応なしに自分が独身であることを意識せざるを得ない立場です」と吐露。サヤカさんがすかさず、「今回のテーマは、リアルすぎて参加できません、という独身男性が結構いました」と報告すると、どっと笑いが起きた。

 独身者は生きづらいのか。職場などで独身者に対するハラスメント行為「ソロハラ」について、ヒロコさんが会社員時代のこんな経験を明かした。

「会社に年1回提出する調査書に目を通していた管理職たちが、『50歳で親と同居で結婚してないんだ』『まだ独身か』って、本人がいない前でガハハと笑っている場面に遭遇したことがあります」

 国内の主要メーカーで勤務経験のあるカズヒコさん(50代既婚)は「独身で課長、部長になる人はまずいません。管理職になる一つの条件として、『結婚している』ことが人事評価に直結していました」と打ち明けた。

 一方、既婚者のナミさんは「既婚・未婚の両方の立場を認めていくことが大事」と強調した上でこう唱えた。

「結婚はどうなの、とつい言ってしまうのは、仲間を増やしたいだけ。悪意はありません。『ソロハラ』といった言葉で定義づけし、こっちが正しい、こっちが悪いという社会にはなってほしくない」

 参加者の共通点は「同じ社会に生きるメンバー」という緩やかなつながり。聞き役であると同時に、意見を述べ合う読書会は、ソロとの親和性の強いコミュニティの場だ。他の人が主催する読書会にも参加するサヤカさんの実感だと、「参加者は20~40代の独身が大半。趣味や習いごと、一人旅など人生を謳歌している方が多い」という。

 独身アラフォー会社員のカズエさんは「コミュニティ」に興味があると言う。

「いろんなコミュニティを通じて他者とつながり、常に新しい自分を発見しながら生きる人生って楽しいなと思います」

 結婚願望がある40代のナオキさんは「自分は結婚を一つのコミュニティと捉え、コミュニティを求めているんだな、と気付きました」と心情を明かし、こう決意表明した。

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40代ナオキさんの決意表明とは?