「どういうコミュニティをつくって楽しむか、世界中で今、試行錯誤しているように感じます。人とのつながり方を真剣に考えて生きなければと思います」

 未婚の参加者からは、入籍の有無で区別する結婚制度や、少子化対策を怠ってきた国の責任が独身者に向けられる風潮に疑問を呈する意見も出た。

 独身のときは早く結婚しないとね、と言われ、結婚したら子どもがいないとね、と言われ、一人産んだら一人じゃだめだよね、と言われる。既婚で子どもがいる50代のITエンジニアのアキコさんはこんな体験を通じ、何をやっても何か言われる、だから、周囲に振り回されずに強く生きるしかない、と悟るようになったと言う。

「多様性を認める社会に進む中で、ソロの生き方も悪くないという方向に価値観は変わっていくはず。これからはいろんなマイノリティが割拠する時代になるのでは」

 読書会は正午前に終了。大半がそのままランチ会に流れた。(AERA編集部・渡辺豪)

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

渡辺豪の記事一覧はこちら