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浜矩子「“国家ファースト”はご免こうむる」

連載「eyes 浜矩子」

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浜矩子AERA#小池百合子
「日本ファースト」が「国家ファースト」と言っているようにしか聞こえない……(※イメージ写真)

「日本ファースト」が「国家ファースト」と言っているようにしか聞こえない……(※イメージ写真)

 だが「日本ファースト」が醸し出す響きは全く逆だ。「国家ファースト」と言っているようにしか聞こえない。お国のためが最優先。国民よ、国家のために常に奮励努力せよ。そういうことだろう。国粋主義大宣言にほかならない。

 アメリカのドナルド・トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」と言う時、それは排外主義大宣言だ。イギリスには「ブリテン・ファースト」党がある。極右国粋主義政党である。多様な民族の共存を否定し、イギリス社会の「イスラム化」排除を声高に唱えてきた。

 イギリスのEU離脱に関する国民投票が迫る中で、残留支持派の人気政治家が殺害された。犯人が「ブリテン・ファースト」と叫んでいたという目撃証言がある。真偽のほどは不明だが、さもありなんと誰もが思った。「日本ファースト」の名の下で何が起こることになるやら。

AERA 2017年8月28日号


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浜矩子

浜矩子(はま・のりこ)/1952年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。前職は三菱総合研究所主席研究員。1990年から98年まで同社初代英国駐在員事務所長としてロンドン勤務。現在は同志社大学大学院教授で、経済動向に関するコメンテイターとして内外メディアに執筆や出演

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