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過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで

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by 熊澤志保,山口亮子,福井洋平 (更新 )

三田労基署の労災認定を受け記者会見に臨んだ母の幸美さん。自殺した日の朝に「今までありがとう」とのメールがあった (c)朝日新聞社

三田労基署の労災認定を受け記者会見に臨んだ母の幸美さん。自殺した日の朝に「今までありがとう」とのメールがあった (c)朝日新聞社

電通は1991年にも入社2年目の社員が自殺。2000年に最高裁で「会社は過労で社員が心身の健康を損なわないようにする義務がある」と責任を認定された。今回の件で東京労働局は電通の本社などを立ち入り調査した (c)朝日新聞社

電通は1991年にも入社2年目の社員が自殺。2000年に最高裁で「会社は過労で社員が心身の健康を損なわないようにする義務がある」と責任を認定された。今回の件で東京労働局は電通の本社などを立ち入り調査した (c)朝日新聞社

<休日出勤えらいなぁとか思って出社したけど、うちの部に限っては6割出社してた。そりゃ過労で死にもするわ>(10月12日)

<誰もが朝の4時退勤とか徹夜とかしてる中で新入社員が眠いとか疲れたとか言えない雰囲気>(10月15日)

<やっぱり何日も寝られないくらいの労働量はおかしすぎる>(10月27日)

<土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい>(11月5日)

<1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな>(12月18日)

 電通のライバル、博報堂出身で、ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは、広告業界全体の残業が多い体質を指摘する。

「広告はサービス業。クライアントの要望を聞き続けないといけなくて、100点を取り続けようとしてしまう。定時に帰る概念がないし、特に新人はサボってはいけないと頑張りすぎてしまう構造がある」

 その中でもインターネット広告業界は単価が安いうえに作業量がほかの媒体に比べて非常に多い。とりわけ激務になる傾向が強いと別の関係者が指摘する。高橋さんは1年目で自動車火災保険と証券会社のデジタル広告業務を担当し、データの分析とクライアント向けリポートの作成を任されていた。ウェブデータは膨大で分析も難しく、専門的な知識も必要。この関係者は、「1年目でそんな仕事を1人で任されたら追い込まれるに決まっている。事実、ウェブ広告部門に配属されて数年でやめる若手社員は結構いる」と指摘する。

●生々しいパワハラ上司

 高橋さんは通常業務に加えて、職場の宴会のための出し物作成や映像作成など休日返上で対応を求められていた。ツイッターの書き込みを見ると、高橋さんを追い詰めた職場環境の悪さも見えてくる。

<部長「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」(中略)「今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる」>(10月31日)

<いくら年功序列だ、役職についてるんだって言ってもさ、常識を外れたこと言ったらだめだよね>(11月3日)


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