“隠れ栄養失調”に注意!(※イメージ)
“隠れ栄養失調”に注意!(※イメージ)

 飽食の時代に生きる私たちはカロリーは十分でも、足りない栄養がある。仕事に子育てに忙しい世代は特に、見た目が太めでも「栄養失調」になりがちだ。

 気温35度の炎天下、 190センチ85キロのマサキさん(34)は小走りでコンビニへ向かう。「あった!」と小さくガッツポーズ。そのコンビニで最後の一つだった肉まんをゲットした。

「お肉と炭水化物が合体したものが食べたかった」

 期間限定の「うま辛チキン」のじゃがりこも買う。それで昼食を済ませようと思ったが、腹の虫がまだ騒ぎ、買いだめしてあるカップラーメンもすすった。朝食はいつもコンビニのサンドイッチか、おにぎりと納豆。

「夕飯はチャーシュー大盛りのラーメンにするかインドカレーか、ケンタッキーにしようか思案中。毎日こんな感じですよ」

 マサキさんは、システムエンジニアとして8年間金融機関に勤務した後、今は大学院生として研究に励む。妻も働いている。

「ここ何年も食生活は365日、ほぼコンビニと外食に依存している“超偏食”。夫婦共々、自炊はしません。料理も食器洗いも時間がかかるし、コスパが悪くて“お得感”がない。体調?慢性的に疲れは感じていますが、みんなこんなもんでしょう?」

 そんなマサキさんだが、サンドイッチはレタスがたっぷり入ったものを選び、「タンパク質が手軽にとれて健康感があり、おまけに安い」納豆を食べ、「栄養補給のために」野菜ジュースも飲む。自分ではそれなりに健康に気をつけているつもりだ。

「将来、健康診断で何かの項目が『赤信号』になったら食生活を見直すかも」

 と人懐っこい笑顔で言うが、現状目立った不調や健康不安がないため、特段の食生活改善には取り組んでいない。

●放置すると貧血、脳梗塞

 派遣事務職と文筆業を兼業している170センチ95キロのワタルさん(44)は、食べることと同じくらい読書が好き。兼業のせいもあってとにかく時間がない。朝食ナシ、昼食は派遣先のデスクでコンビニ弁当か牛丼を2、3分でかき込み、飲み会のときは深夜に締めのラーメンも。

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