今年は猛暑で大きくなった巣も
今年は猛暑で大きくなった巣も

 とはいえ、スズメバチの巣を見つけ、危険だと感じ駆除してほしいと考えたらすぐに行政や駆除会社に連絡して対策を取るよう田迎さんは勧める。自分たちで巣を取り除いたり、退治しようとしたりするなど、素人が手を出すことは危険だと警告する。

 もし刺されたら、刺された箇所をつまむなどして毒を絞り出し、すぐに水で洗い流すこと。その後、できるだけ早く医療機関にかかることが重要である。

「刺された場所を口で吸い出すことは絶対にしてはいけません。口の中に傷があると毒が体に入りとても危険です」と田迎さん。

 毒を吸い出すリムーバー(専用の器具)があればそれを使うとよいが、準備している家庭は少ないだろうが、この機会にどんなものかチェックしておくとよい。

「私はオオスズメバチに今年は4回、これまで64回、キイロスズメバチには62回刺されています。私の場合は抗体検査で問題がなかったのですが、刺されて命を落とす人もいます。とにかく気をつけることです」

 スズメバチの巣を駆除でき、一安心となったら、二度と巣を作られたくないと思うだろう。何か対応法はあるのだろうか。

「スズメバチが巣を作るところは、条件が似ていますし、スズメバチにとっては住みやすいところです。屋根裏や床下などがそうです。そういう場所に入られないように穴を塞ぐことが第一です」

 またスズメバチの巣のにおいが残っていると、再び巣を作る可能性があるので、徹底的に巣の欠片を取り除き痕跡を残さないこと。

 スズメバチの巣の模型を置くと縄張り意識の強いスズメバチは近くに巣を作らないので効果があるのではと聞くと、

「そんなもの役に立たないですよ。オニヤンマの模型もありますが、それでスズメバチが逃げていくわけではありません。そんな甘いものではないです」と断言する。

次のページ
悪徳な駆除業者も