走って逃げるのはNG
走って逃げるのはNG

「今日もスズメバチが出て、本堂に2匹いたので仕方なく駆除しました。この他にも観音堂に数個巣が作られたのでお堂の扉を閉めて、駆除を依頼しました。お寺としては殺生はしたくないのですが、お参りに来る人が刺されてしまうと大変なので仕方ないです」

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 そう苦悩の表情で話すのは新潟県南魚沼市のお寺の住職。今年はスズメバチの数が多く、お盆までは我慢したが、見過ごすことができなくなったと続けた。

 今年もスズメバチが凶暴化するシーズンがやって来た。スズメバチは4月はじめから11月にかけて巣を作り活動するが、秋口の10月になると巣が巨大化し、ハチの数が多い上に、巣を守ろうとするため攻撃性が増す。

 もし刺されたら死に至ることもあるスズメバチについて、対応法や、どうすれば攻撃されないかなどを、スズメバチ駆除を手がけるみどり産業の田迎真人さんに聞いた。

「これからが一番危ない時期ですよ。オオスズメバチ、キイロスズメバチが特に危険ですね」

 田迎さんが代表を務めるみどり産業は、スズメバチ駆除15年の実績があり、2019年には930件を超える駆除を行った。まさに現場を知るプロ中のプロである。

「今年は猛暑で大きくなった巣もありますが、暑さのあまりやられた巣もあります。一方、河川敷などに巣を作るスズメバチは豪雨で水浸しになってしまったものもあります。全体的には数は例年通りのようでしょうが、地域によっては急増しているところもあるようです」

 スズメバチを見ると恐怖が先立つ。もし家の近くや家の中でスズメバチの巣を見つけた場合、どうすればいいのだろう。

「まず、慌てないことです。何もしなければという条件はありますが、スズメバチの巣があっても蜂が出入りするコースと人が通るコースが重ならければ、それほど恐れることはないでしょう。ただしスズメバチに刺激を与えてしまうと一気に危険になります」

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