立憲民主党の執行役員会で辞意を表明する枝野幸男代表(C)朝日新聞社
立憲民主党の執行役員会で辞意を表明する枝野幸男代表(C)朝日新聞社

 総選挙で大敗した立憲民主党の枝野幸男代表が辞任を表明した。結党以来初めて党員・サポーターも参加する本格的な代表選が行われる見通しだ。

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 代表選では、共産党との共闘や今回の敗因の大きな要因となった経済政策の在り方が争点になるだろう。また、2009年から3年間の民主党政権の失敗も議論されそうだ。

 しかし、私は、共産党との共闘、経済政策、民主党政権の失敗などに関して何を言っても、それだけでは立憲の劣勢を挽回することにはならないと見ている。

 なぜなら、旧民主党の成れの果ての立憲というイメージは、自民党や日本維新の会による攻撃により、国民の間に浸透し切っていて、旧民主の影を感じただけで、何を言っても聞いてもらえなくなるという要素がどうしても残ってしまうからだ。これでは、リベラル層の支持は得られても、無党派層の支持までは得られない。もちろん、政権交代は出来ないということになる。

 そこで、政策論の重要性は重々承知のうえで、今回は、どうやって、民主党政権の負のイメージを払拭するかということを考えてみたい。

 最も単純なのは、新党を立ち上げ、「民主」という名前と決別する方法だ。しかし、所属議員の大半が旧民主党ということなら結果は同じだろう。しかもゼロから始めるとなれば、政権交代まで進むには時間がかかり過ぎる。そこで、現在のメンバーのままで、代表や執行部をどう変えるかという議論をしてみたい。

 最低限必要なのは、民主党の負のイメージとつながる議員は、代表からも執行部からも外れてもらうことだ。民主政権での大臣・幹部役員経験者は除外することになる。

 そのうえで、代表には、政権を失った12年以降の選挙で当選した議員または清新な女性議員を据える。有力候補の小川淳也氏まで外してしまうが、劇的な刷新のためにはこれくらいやらないとダメだ。女性の場合は、民主党政権の大臣や幹部でなければ有資格としてよいだろう。さらに、代表、幹事長、副代表の過半を女性とする。ここまでやれば、古い民主党のイメージは払拭できる。本当に生まれ変わろうとする姿勢も伝わるだろう。

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古賀茂明

古賀茂明

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など

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