「昔は良かった」と今を嘆くのではなく、今の環境の中に面白さを見つけ出す。その才能が問われている時代。

「少なくとも、『醉いどれ天使』の時代に比べたら、人生の選択肢は現代のほうが多い。選びたくないものまで選んでいるから混乱しているだけで、『今、これが欲しい』と確信して選び取れる人にとっては、幸せな時代だと思います。この舞台を観ていただけたら、劇場から出るときに、『何のために生きるのか』みたいなことが、クリアになるんじゃないか。観てくださった方に、そんな変化が訪れる舞台になるといいなと思っています」

(菊地陽子 構成/長沢明)

桐谷健太(きりたに・けんた)/1980年生まれ。大阪府出身。2002年ドラマ「九龍で会いましょう」でデビュー。07年「GROW 愚郎」で映画初主演。08年のTBS系ドラマ「ROOKIES」で人気を博す。近年の主な出演作品にドラマ「きみが心に棲みついた」、連続テレビ小説「まんぷく」、「俺の家の話」、映画は「火花」「ビジランテ」など。ミュージシャンとしても活躍し、第67回紅白歌合戦に出場した。

週刊朝日  2021年8月13日号より抜粋