ダルビッシュにはもう一つの顔がある。ユーチューバーだ。シーズン中にもかかわらず、「ダルビッシュのゲームチャンネル」(登録者数30・3万人)を体調管理に気をつけた上で毎週のように更新している。

 8月14日のブルワーズ戦では七回1死まで無安打の快投で11三振を奪って3勝目をマークしたが、その前夜も「登板前夜に俺を救いたい。が、まさかの結末に。」というタイトルでプロ野球ゲーム「プロ野球スピリッツ」をプレーする動画を投稿していた。

 少し前まで日本のスポーツ界には、「本職に集中するためにも他のことはやらないほうがいい」という風潮があった。実際にダルビッシュがなかなか結果を出せないときは心ない批判の声もあった。だが、野球に対して誰よりも真摯に向き合った上で、YouTuberとしても活動している。子供たちが憧れるアスリートの新たなモデルケースになるかもしれない。(梅宮昌宗)

週刊朝日  2020年9月18日号