センター試験の予備校別予想平均点 (週刊朝日2020年2月7日号より)
センター試験の予備校別予想平均点 (週刊朝日2020年2月7日号より)
2020年のセンター試験の国語の漢文問題(一部)。選択肢がイラストで示された点が新しい (週刊朝日2020年2月7日号より)
2020年のセンター試験の国語の漢文問題(一部)。選択肢がイラストで示された点が新しい (週刊朝日2020年2月7日号より)
2020年のセンター試験の英語の問題(一部)。ボール投げの合計点を計算させる (週刊朝日2020年2月7日号より)
2020年のセンター試験の英語の問題(一部)。ボール投げの合計点を計算させる (週刊朝日2020年2月7日号より)

 今回で最後となったセンター試験。受験生の予想を裏切る“新傾向”の問題を読み解くと、来年から始まる大学入学共通テストのポイントが見えてくる。英語の民間試験も国語と数学の記述式も導入が見送られ、注目される共通テストの内容だが、どこよりも早くその傾向と対策をまとめた。

【画像】選択肢がまさかの…ネットで話題となった2020年のセンター試験の問題がこちら

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「おいセンター、最後漢文でなにしてくれるん」「なんだこれは(笑)」「内容は簡単だったけどイラストみて『は?』ってなった」

 センター試験1日目。試験終了後にネットで話題となったのは、国語の漢文の問題だった。漢詩の描写の具体的な内容を問う問題で、解答の選択肢が文章ではなくまさかの「イラスト」だったのだ。

 1990年に始まり今年で最後となる大学入試センター試験(センター試験)が1月18、19日に全国で実施された。大手予備校各社が発表した予想平均点は、文系、理系ともに前年と比べて20点前後ダウン。各教科で“新傾向”が散見されたことが一番大きな要因だと思われる。今回は最後だから変わった問題が出されたわけではなく、来年から始まる大学入学共通テスト(共通テスト)を意識した出題、いわば新制度への布石と考えるほうが正しいだろう。

 駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんは、今回のセンター試験は「今風」だと解説する。

「おもしろい問題が多かったですね。もともとの共通テストの方向性と合っています。それは、必要とされる知識は教科書の範囲内だが、題材を組み合わせたり、設問の切り口を工夫して、受験生に『考えて』答えを出させるというもの。高校時代に身につけた力をさまざまな形で生かせるかをテストで試すのです」

 そう考えると、漢文の問題も、単なる「珍問題」ではなさそうだ。漢詩の内容について理解しているのはもちろんのこと、それをいつもと違った形で問われても対応できるかどうかが試されていたのだといえる。

 2021年から始まる共通テスト。マークシートを活用するならば、センター試験と何が変わるのか。石原さんは、次のように強調する。

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