年始こそ立てよう「死の計画」 吉村作治&玉村豊男のプランは? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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年始こそ立てよう「死の計画」 吉村作治&玉村豊男のプランは?

松岡かすみ週刊朝日
考古学者・吉村作治さん (撮影/松岡かすみ)

考古学者・吉村作治さん (撮影/松岡かすみ)

エッセイスト・玉村豊男さん (c)朝日新聞社

エッセイスト・玉村豊男さん (c)朝日新聞社

 現在も調査のため年に数回はエジプトへ飛ぶが、あくまでも生活の拠点は日本。日本で天寿を全うすれば、墓が待つエジプトまで遺体を運ぶ必要があるが、ここも計算ずくだ。

「生きて飛行機に乗ると高いけど、死んで遺体になれば貨物扱いになるから、搭乗料金がいらない分安い。ビジネスクラスに乗ったら60万円ぐらいするところが、荷物なら1キロ1500円。いま僕は80キロだから、12万ぐらいで運べる。だから運賃だけ残して、あとのお金は調査に使って死のうと思っています」

 持論の「ピラミッドは王墓ではない」の解明に、残りの人生をかけて挑み続ける。

「古代エジプトのクフ王の墓は別の場所にある。もうすぐそこに手が届きそうだから、まだまだ死ねない」

 そのための費用捻出にと生前葬も検討中だ。2020年2月に喜寿を迎えるときに計画していたが、周囲の「まだまだ元気なのに早すぎる」という声から、「85歳まで延ばそうかな」。それでも、「絶対にやる」と鼻息は荒い。

「だって生きてるうちなら、香典を多くもらえそう。主役が生きているから出席しないわけにもいかないだろうし、誰がいくら出したかもわかる。17年にクラウドファンディングで研究資金を募ったときには3千万円が集まった。生前葬の目標額は4億円かな(笑)」

 破天荒な発言が続くが、私生活はいたって堅実。経営する会社のある東京・早稲田で、1LDKの賃貸マンションに一人暮らし。外食はほぼせず、食事は基本的に自炊だ。自分一人の生活費は、極力抑えるよう心がけている。

「考古学の分野で、これからの若手を育てるのも大切な仕事。未来へのバトンタッチのためにも、研究費は削れません」

 エジプトでは、墓は“あの世とこの世との接点”だと捉えられている。死の計画について話す吉村さんは、どこまでも生き生きと楽しそうだ。

「僕はあの世を信じてるから、死ぬのが楽しみ。この世にいる限りは、調査を続けないと気が済まないし、そのためには資金を集めないといけない。とにかくやることがたくさんあって、しんどいことも多い。死んだらやっと自由になって解き放たれると思うんです」


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