「捕鯨」には愛がある? 東海林さだおと“守る会”小泉武夫が「鯨」対談 (2/6) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「捕鯨」には愛がある? 東海林さだおと“守る会”小泉武夫が「鯨」対談

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[左]東海林さだお(しょうじ・さだお)/1937年生まれ。漫画家、エッセイスト。「ブタの丸かじり」で講談社エッセイ賞(95)。菊池寛賞(97)。紫綬褒章(2000)。「アサッテ君」で日本漫画家協会賞大賞(01)。旭日小綬章(11)。[右]小泉武夫(こいずみ・たけお)/1943年生まれ。発酵学者。文筆家。東京農大名誉教授。食に関する著書多数。日本発明協会賞(96)。福島県知事賞(2013)。NPO「クジラ食文化を守る会」会長として長年活動に携わり、現在は理事長(撮影/伊ケ崎忍)

[左]東海林さだお(しょうじ・さだお)/1937年生まれ。漫画家、エッセイスト。「ブタの丸かじり」で講談社エッセイ賞(95)。菊池寛賞(97)。紫綬褒章(2000)。「アサッテ君」で日本漫画家協会賞大賞(01)。旭日小綬章(11)。[右]小泉武夫(こいずみ・たけお)/1943年生まれ。発酵学者。文筆家。東京農大名誉教授。食に関する著書多数。日本発明協会賞(96)。福島県知事賞(2013)。NPO「クジラ食文化を守る会」会長として長年活動に携わり、現在は理事長(撮影/伊ケ崎忍)

鯨の刺し身。右上から時計回りに、さえずり、小腸、鹿の子、胃袋、腎臓、ベーコン、本皮。中央上が赤身(撮影/伊ケ崎忍)

鯨の刺し身。右上から時計回りに、さえずり、小腸、鹿の子、胃袋、腎臓、ベーコン、本皮。中央上が赤身(撮影/伊ケ崎忍)

ボリュームたっぷりな、鯨のステーキ(1500円)[撮影/伊ケ崎忍]

ボリュームたっぷりな、鯨のステーキ(1500円)[撮影/伊ケ崎忍]

東京・神田にある「くじらのお宿 一乃谷」。商業捕鯨が再開し、メニューも増えた(撮影/伊ケ崎忍)

東京・神田にある「くじらのお宿 一乃谷」。商業捕鯨が再開し、メニューも増えた(撮影/伊ケ崎忍)

東海林:鯨が嫌いと言う人のイメージは、硬い竜田揚げと大和煮ですよね。

小泉:ええ。それでも、昭和25年から30年代まで、戦後の日本経済を押し上げたあの時代。日本人は動物性たんぱく質の多くを鯨肉から取っていたんです。

東海林:われわれの世代には、懐かしい味です。新宿駅西口の思い出横丁にあった鯨カツ屋には、学生のときから30年近く通っていました。

 90年当時、週刊朝日の「あれも食いたい これも食いたい」の「猫のいる鯨カツ屋」の回で、鯨肉が登場しています。厚さ4ミリの鯨肉に、せんべいのように硬い衣がついた鯨カツ。まずくはないが、特別おいしいというわけでもなく、懐かしい味。ときどき、急に鯨カツが懐かしくなって、この店に行きました。

 いまは、鯨肉を見かけなくなりましたね。お店で鯨料理を食べようと思っても高いでしょう。

小泉:日本は、30年にわたり、調査捕鯨しかできなかったから、鯨肉の流通量が少ないんです。

 調査捕鯨は、頭数がどのくらい増えているのかを調べるものです。鯨の管理を話し合う国際捕鯨委員会(IWC)は、鯨を廃棄してはいけないと定めていますから、捕獲したら肉をすぐに冷凍して店に卸すんです。とはいえ、絶対量が足りないから値段も上がる。

東海林:デパートの物産展で毎年、鯨料理の店が出店されていました。「尾の身」が一番高くて、消しゴムくらいの大きさの冷凍切り身が四つほどで6千円です。こんなに高くては、日本人の間で、「鯨を食べたい」という声が大きくなりません。

■クジラカレーは子どもに大人気

小泉:確かに高い。これでは若い人たちは、鯨より焼き肉や鶏の唐揚げ、となりますよね。

東海林:ハンバーグとか。

小泉:この鯨のステーキ召し上がってください。お店の名物です。

東海林:軟らかくておいしいですね。鯨は、魚とも違う、動物の獣臭さもない。

小泉:捕ってすぐに冷凍してしまうから、すごい新鮮なんです。

 学校給食で鯨肉が提供されている地域があります。調理法もずいぶんと研究されましたから、軟らかくて臭みのないクジラカレーは、子どもに大人気です。


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