調理で摂るなら、体内でEPAに変わるα‐リノレン酸を含む亜麻仁油やエゴマ油がおすすめだ。しかし酸化しやすく、加熱調理には向かないともいう。

 こうした特性を踏まえ、高下さんはエゴマ油や亜麻仁油をジュースに入れているそうだ。エゴマ油はアトピーなどアレルギーにもいい効果があるとされ、亜麻仁油は女性ホルモンに似た働きがあり美容にもいいという。ただ、酸化しやすいので賞味期限が短いことも覚えておこう。大きい容器のものを買わず、1カ月で消費できるものを選んだほうがいい。

 とはいえ、口から体内に取り込むすべての脂質をオメガ3にすることは難しい。そこで意識すべきは、バランスだ。必須脂肪酸のn‐6系(オメガ6)はサラダ油などとしてよく摂取しがちで、特に意識しなければオメガ6と3の摂取割合が通常10対1くらいになる。これを4対1や3対1ぐらいになるよう、オメガ3を意識的に摂るといいと池上さんは話している。

 同じく、「オメガ3と6のバランスを考えたほうがいい」と話すのは斎藤医師。「摂りすぎてはいけないのはオメガ6と糖質」という。

 続いて、専門家が注目する“最強の油”を紹介しよう。タイゾーさんは南米産のサチャインチオイルを挙げる。酸化に強く、ビタミンEが豊富で、加熱調理にも使用できる。

 ココナツオイルを挙げるのは池上さん。酸化しにくく、脂肪になりにくいという。「バターやサラダ油の代わりに使えばいい」と話している。

 斎藤医師はMCTオイルを挙げる。ココナツやパームフルーツなどから抽出したもので、一般的な油に比べて4、5倍も速く分解され、短時間でエネルギーになり、認知機能を高める効果も期待されている。

 一方、ナッツ類について斎藤医師は「オメガ3が多いが、オメガ6も入っているものが多く、バランスをとるのには向いていない」と話している。ナッツ類でオメガ3を摂るならクルミやサチャインチナッツなどに限られてくるとみている。

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