ダブル選が強行された場合、国民の反発は避けられないだろう。衆院選の各党の獲得議席数を選挙プランナーの三浦博史氏に予測してもらったところ、自民は実に42議席減の239議席になるという衝撃的な結果となった。

 また、政治ジャーナリストの野上忠興氏は自民退潮の理由をこう分析する。

「安保関連法や改憲論議に付き合わされ、創価学会内部では婦人部を中心に“嫌安倍自民感情”が広がっています。学会票が自民党候補から2~3割逃げると思われ、野党候補に投じる“隠れ学会票”現象が起きるでしょう。学会票は1選挙区あたり平均2万票ですから、自民党候補は大打撃を受けます」

 野上氏によれば、17年衆院選で次点候補との差が1万票以内の僅差で自民候補が競り勝った選挙区がおよそ30カ所あるという。学会票が逃げれば、落選の危機だ。加えて、野党が統一候補を立てていれば、自民候補を逆転していた選挙区は約50カ所。学会票離れと、野党共闘が機能すれば、下村博文元文科相、松島みどり元法相、金田勝年元法相、平井卓也IT担当相ら“大物”も落選の憂き目を見る可能性もあるのだ。(本誌・亀井洋志、上田耕司、田中将介)

週刊朝日  2019年2月15日号より抜粋

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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