それでは、国公立大医学部に強い高校を、全国順位の順に見ていきましょう。

■交通の便がよく、2006年に共学化された「洛南」

 2位の洛南は、京都駅から徒歩で約16分。交通の便が良いので、大阪、兵庫、滋賀、名古屋、奈良などから通う生徒もいます。1962年の発足時は男子校でしたが、2006年に共学化されました。

「共学になってから、さらに医学部志望の生徒が増えました。現在は、医学部志望者の約4割が女子生徒です。本校には、自宅から通える近畿圏の国公立大医学部を目指す生徒が多いですね。合格した大学や家庭状況などで一概には言えませんが、地方の国公立大と近畿圏の私立大の両方に合格すると、男子生徒は前者、女子生徒は後者を選ぶ傾向があります」(杉山浩之教諭)
 
 13年に、最難関大や医学部に挑む「空パラダイムコース」を設置しました。附属中学からの内部進学生は、全員がこのコースに進みます。高校入学生は、高1の夏に東寺の境内にある洛南会館で4泊5日の学習合宿を行います。高2の夏は全員、高3の夏は希望者を対象に、6泊7日の高野山合宿を実施。高3の冬は自主学習トレーニング合宿とセンター練習会が行われます。

「保護者会、面談、講習などが多くて、面倒見がいい学校です」(同)
 
■国公立大医学部と東大・京大の合格者が卒業生に占める割合86.8%

 3位の灘(兵庫)は、難関大に強いのが特徴です。卒業生数は219人と多くはありませんが、東大理IIIの合格者は15人で全国2位。京大医学部の22人、阪大医学部の15人は全国1位です。国公立大医学部と、東大・京大の合格者数(浪人生も含む)が卒業生数に占める割合は86.8%と驚異の数字を誇り、私大にも48人が合格しました。

「本校では相変わらず医学部人気が高く、研究医志望も多いです。数年前までは、浪人してでも東大、京大の医学部を目指す生徒が見られましたが、近年は臨床医志望なら関西の国公立大を目指す生徒が目立ちます」(和田孫博校長)
 
 中1から高3まで同じ学年担任団が、授業、進学・生活指導を行います。年に6回、中2から高2までが対象の、土曜講座を開催しています。

「本校の教員や卒業生による多彩な講座を、将来の進路を探ったり、自分の世界を広げたりする機会として役立ててほしいと思っています。今年の前期には、『放射線でガンを治す』『奇跡の新薬を開発する』などの医学関連の講座もありました」(同)

(文/庄村敦子)