※偏差値は駿台予備学校提供。2018年度第1回駿台全国模試における合格可能性80%のラインをもとに作成。「人口10万人対医師数」は、厚生労働省「2016年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」から
※偏差値は駿台予備学校提供。2018年度第1回駿台全国模試における合格可能性80%のラインをもとに作成。「人口10万人対医師数」は、厚生労働省「2016年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」から
合格実績のある学校への「週刊朝日」と「サンデー毎日」、大学通信の合同調査による7月31日現在判明分。協力・大学通信
合格実績のある学校への「週刊朝日」と「サンデー毎日」、大学通信の合同調査による7月31日現在判明分。協力・大学通信

 国公立大9校と私立大4校の医学部で、多くの学生が研鑽を積む近畿地方。週刊朝日MOOK『医学部に入る2019』では、全国屈指の医学部熱「関西の実力」を徹底取材。医学部人気が高い理由から、多数の医学部生が排出する強豪校も紹介します。

【国公立大医学部合格者数トップ30にランクインした関西の高校一覧はこちら!】

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「関西圏の医療・医学レベルがきわめて高いのは、伝統ある国公立大が密集して存在し、競争原理が働いているからだと思います。首都圏では、東京都以外の埼玉、千葉、神奈川は医師不足に悩んでいますが、京都や大阪の人口10万人あたりの医師数は全国トップクラスです」
 
 医療ガバナンス研究所理事長で、『日本の医療格差は9倍』などの著書を持つ上昌広医師は、近畿地方の医療・医学についてこう話します。
 
「人口10万人あたりの医師数」では、三重と滋賀は全国平均を下回っていますが、京都は314.9人で全国1位。和歌山は290.1人、大阪は270.4人と、医師数が多いことがわかります。
 
 次に、医学部の数を見てみましょう。首都圏の国公立大は難関の4校だけですが、近畿地方には表に示したように、旧帝大の京都大、大阪大などの国立大が5校、1872(明治5)年創設の京都府立医科大などの公立大が4校あり、合計で9校。さらに、私立大は大阪府に3校、兵庫県に1校あります。
 
 地図をみると、和歌山県立医科大、奈良県立医科大、三重大は少し離れていますが、それ以外の医学部は比較的密集していることがわかります。

■関西最難関の京大は偏差値78、下位の大学も65と高いレベル

 国公立大の偏差値では、関西最難関が78の京大ですが、下位の三重大、滋賀医科大、和歌山県立医科大でも65と高いレベルにあります。

「旧帝大の京大、阪大は、近畿以外からも大勢の成績優秀な受験生が集まるため、かなりの狭き門といえます。この2大学の医学研究は、東大を凌駕しています」(上医師)

 では、そもそもなぜ関西には医学部が多いのでしょうか。

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製薬会社との共同研究も