帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
写真はイメージです (c)朝日新聞社
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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「認知症とサプリメント」。

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【ポイント】
(1)サプリメントは使い方次第で薬にも毒にも
(2)認知症予防のサプリメントは一定の評価がない
(3)期待されるフェルラ酸のサプリメント

 サプリメントという言葉が一般に使われるようになったのはいつからでしょうか。サプリメントとは栄養補助食品のことで、体に欠乏しやすいビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸などを錠剤やカプセルなどの形で飲めるようにしてあります。

 一方で健康食品という名称もあります。こちらは健康の維持・増進に効果があるとされる食品全般を指すようです。サプリメントも健康食品に含まれるのかもしれませんが、錠剤やカプセルになっているところが、薬に近いイメージなのかもしれません。また、欠乏しやすいものを補うという意味が強いのがサプリメントではないでしょうか。

 サプリメントの利用が拡大したことで、それによる健康被害も出ているようです。厚生労働省や日本医師会などが「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」というパンフレットを作って注意を呼びかけています。どんなものでも、使い方次第で、薬にもなれば毒にもなります。

 私は10年ほど前から脳梗塞を予防するために、血液をサラサラにするナットウキナーゼを含有するサプリメントを服用して効果を実感しています。病気の治療ではなく予防のために長期間にわたって薬を服用するのは抵抗があっても、作用がマイルドなサプリメントであれば、飲みやすいというところがあります。

 認知症の予防も同様ではないでしょうか。いつなるかわからない認知症のために飲み続けるのでしたら、薬よりもサプリメントの方が抵抗がありません。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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