「睦子さんの夫、六月氏はかつて自民党を離党。石破氏らと共に小沢一郎氏と行動した後に引退に追い込まれた。その地盤を継いだ娘婿の勝信氏は当初、旧民主党で岡山5区から出馬しようと模索したが、やめて自民党へ鞍替え。その際に助け船を出したのが、洋子さんとされています。勝信氏は地元、岡山のボスだった故・橋本龍太郎元首相の派閥(現・竹下派)に入ったものの、今では安倍派別動隊でいわば、身内ですよ」(作家の大下英治氏)

 総裁閥である細田派は昭恵夫人の友達人脈もあるという。

「下村博文元文科相の奥さんと昭恵さんは友達。よく一緒に出かけ、一緒に福島へ行くときにもお互いに車の運転を交代しながら行くくらい。下村さんは奥さんを通じて、安倍さんと仲がいいんですよ」(細田派国会議員)

 四面楚歌を打ち破るため、石破氏に残されたカードは小泉進次郎氏しかない。

 だが、前述したように北海道の大地震などの影響で情勢は難しい。進次郎氏が決起することはあるのか?

 進次郎氏の後援者の一人はこう言う。

「派閥というのはカネと票。進次郎にはカネはないけど、票を動かす人気はある。石破さんの応援をしたら、自民党ではお役ごめんになるでしょうね。当分、干されるでしょうが、将来的には安倍さんに迎合しないほうがいいと思います」

 だが、前出の大下氏の見方は違う。

「父親の純一郎さんはもはや安倍さんの味方でも石破さんの味方でもなく、進次郎氏を首相にすることしか考えていない。進次郎氏は今回、石破さんに入れないと思うし、投票後にも誰に入れたか明らかにすることはないと思います」

 日本のリーダーたるもの人たらしでなければならず、「人間力」が必要だ。

「田中角栄、小沢一郎、小泉純一郎はカリスマ。でも、安倍さんはまだカリスマとは言えないよね」(大下氏)

 しかし、安倍首相は在任日数が戦前・戦後を通じて歴代5位。総裁選に当選すれば、来年11月には憲政史上最長の歴代1位となる。なぜ、こんなに長期政権を築けるほどに強いのか。

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