認知症の最大リスク因子は「難聴」 なぜ関係するのか? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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認知症の最大リスク因子は「難聴」 なぜ関係するのか?

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聞こえないと無視されている、悪口を言われていると思う(イラスト:ナカオテッペイ)

聞こえないと無視されている、悪口を言われていると思う(イラスト:ナカオテッペイ)

予防可能な認知症リスクは35%。うち、最大のリスクが難聴で9%(週刊朝日 9月14日号より)

予防可能な認知症リスクは35%。うち、最大のリスクが難聴で9%(週刊朝日 9月14日号より)

「例えば、冷蔵庫や洗濯機など家電製品で、何十年も故障なく使い続けているものがあるでしょうか? そう考えると、人間のからだは耐久性に優れているといえますが、ここ数十年で平均寿命が大きく延びたことで、耳などの器官の働きが寿命に追いつかなくなっているのです」(同)

 加齢により聴力が衰えるのが「加齢性難聴」だ。機能が衰える年齢や症状の程度は人それぞれだが、年をとれば誰にでも起こる。

 難聴者の割合は、70~74歳で男性51.1%、女性41.8%。75~79歳で男性71.4%、女性67.3%とされている(※1)。

 日常生活で聞こえが悪くなってくると具体的にどんな問題が起こってくるのだろうか。

 家庭内では、話しかけられても気づかなかったり、聞き返しや聞き間違いが多くなったりする。話しかける側は、正しく伝えようと、だんだん声が大きくなる。周囲からみるとまるで怒鳴っているように聞こえることもある。また、家族同士が話している内容が聞き取れないと「ひそひそ話をしているのでは」と疎外感を感じたり、「悪口を言われているのでは」と疑心暗鬼になったりすることもある。

 愛知医科大学耳鼻咽喉科特任准教授の内田育恵医師は、聞こえが悪くなってきた高齢者と家族の状況についてこう解説する。

「耳の遠い家族に話しかけたとき、2度3度と聞き返しが重なると、徐々に話しかける機会が減り、どうしても伝えなければならない必要事項だけになりがちです。ユーモアや感情豊かなやりとりが失われて、家族関係が希薄になってしまうのです」

 聞こえが悪いと本人も「どうせ聞こえないだろう」とあきらめてしまい、いろんなことに無関心になってしまうこともある。

「結果として外出もおっくうになるなど、社会参加の妨げになり、物事にも消極的になってしまいます。うつや社会的孤立を招く原因になります」(内田医師)

 難聴をそのまま放置すると日常生活においてさまざまな支障をきたすことが、複数の研究結果からわかってきている。


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