“期待以上”の活躍を見せる松坂は中日の救世主
“期待以上”の活躍を見せる松坂は中日の救世主
プロ野球上半期10大事件(週刊朝日 2018年8月3日号より)
プロ野球上半期10大事件(週刊朝日 2018年8月3日号より)

 オールスターゲームが終わり、後半戦に突入したプロ野球。酷暑に負けない熱戦が期待されるが、その戦いを一層楽しむため、前半戦で世間を騒がせた球界のニュースと“人”を振り返ってみたい。

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中日ウハウハ 松坂大輔の復活
 前半戦で最大のニュースは松坂大輔(37)の復活だろう。2015年にメジャーから日本に戻り、ソフトバンクと3年12億円という大型契約を結んだが、右肩の故障でまともに投げることなく3年が過ぎた昨オフ、誰もが引退を想像したはず。しかし当人は現役にこだわり、そこに手を差し伸べたのが西武時代の知り合いがいる中日で、テストを経て入団したのだった。

「実際は、最後の花道を作ってやろうという、ほぼ森繁和監督の独断で、球団では、『いいのかよ』『しょーがない』とささやかれていたんですよ。それが、まず松坂の今季の推定年俸が1500万円なので『キャンプだけで元を取った』とさえ言われました。ところが、4月30日に12年ぶりの日本での勝利を挙げると、一層注目度が高まり、観客動員数も上がった。さらに今年が夏の高校野球100回という記念の年と重なり、甲子園のヒーローだった彼への取材も多く、“Dragons”の露出も増え、今や『松坂様々』です(笑)」(担当記者)

 世の中、現金なものだ。中日は松坂と来季も契約して年俸も相当アップするようで、チームは最下位(7月20日現在)に低迷しているが、森監督の来季続投も決まった、と報じられている。

「松坂ってソフトバンクのときの年俸が結構高かったでしょ。だから今年の税金が1億円以上あるらしく、大変だ、って言われてたんで(笑)、一安心でしょうね」(ベテラン記者)

■石井一久 楽天GMのなぜ
 前半戦はパ・リーグでダントツの最下位で、6月16日に梨田昌孝監督が引責辞任した楽天。そんなチームの再建を野球評論家の石井一久氏(44)に、それも監督ではなくGMという立場で託す、と報じたスポーツニッポンの1面記事に驚いた人も多かっただろう。

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