「詐欺師は一度だました相手に、2度、3度と狙って電話をかけてきます。だから、詐欺に遭われた方を優先して貸し出しています」(警察署の担当者)

 もし子どもや孫らを名乗る人から「電話番号が変わったよ」と言ってきたら、すぐに信用せず、いったん前の番号にかけてみることも必要だ。犯人は家族構成など個人情報を調べて、知っている恐れもある。

「高齢者らは自分が詐欺に遭うとは思わないので警戒心が少ない。個人情報は詐欺グループに渡っていると思うべきです。電話で相手の顔も見えないのに、長々と話してはいけない。話せば話すほど情報が相手に伝わる。詐欺師は言葉遣いが丁寧で、話を何時間でも聞いてくれる。もし電話に出てもおかしければ、すぐ切ること。ノーと言えない日本人にはなかなか難しいことですが」(堺さん)

 犯人は市役所や税務署の職員、警察官ら、公務員を装って電話をかけてくることが多い。全国銀行協会の職員や百貨店店員らになりすますこともある。うその話を信じさせるテクニックだが、公務員らが電話でお金やカードを渡すよう求めることは考えられない。

 100%詐欺なので、相手が名乗った役所や会社などに確認してみる。その際重要なのは、電話帳やインターネットで代表番号を調べてかけること。犯人が電話で伝える番号にかけても、犯人の一味が出て口裏を合わせる恐れがある。

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