中国が逆輸入 江戸時代の「灸」に見る養生の知恵 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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中国が逆輸入 江戸時代の「灸」に見る養生の知恵

連載「貝原益軒 養生訓」

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週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

江戸時代の「灸」に見る養生の知恵(※写真はイメージ)

江戸時代の「灸」に見る養生の知恵(※写真はイメージ)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。貝原益軒の『養生訓』を元に自身の“養生訓”を明かす。

*  *  *
【貝原益軒 養生訓】(巻第八の33)
火気をかりて、陽をたすけ、元気を補へば、陽気発生してつよくなり、脾胃(ひい)調(ととの)ひ、食すすみ、気血めぐり、飲食滞塞(たいそく)せずして、陰邪の気さる。

 鍼について語ったときに触れましたが(10月6日号)、養生訓では灸について、22項目にわたって詳しく説明しています。灸がなぜ効果があるかに始まって、もぐさはどういうものがいいか、その使い方はどうするか、火はどのようにつけるのがいいか、姿勢はどうするかなど、とても具体的に方法を教えています。

 江戸時代は灸が流行(はや)っていたということもあるのでしょう。本家の中国ではむしろ衰退傾向にあったのに、日本では鍼灸ともに発展して、その技術を逆輸出するほどだったといいます。

 益軒は「人の身に灸をするは、いかなる故ぞや」という書き出しで、灸の効用について以下のように説いています。

「人の身に灸をするのは何のためだろうか。それは、人が生きているのは、天地の元気のおかげであることによる。元気とは陽気であり、陽気はあたたかにして、五行(木火土金水)のうち火に属している。(中略)

 元気が不足したり、停滞したりして十分にめぐらなければ、気が減って病気が生じ、血もまた減る。だから、火気をかりて、陽をたすけ、元気を補えば、陽気発生してつよくなり、消化機能が高まって、食欲旺盛となり、気血はいよいよめぐり、飲食滞ることなく、陰邪の気は消え去る。これが灸の力で、陽をたすけ、気血を盛んにして、病を癒やす原理である」(巻第八の33)

 鍼のときに述べましたが、中国医学には基本的な治療法の概念として、「瀉(しゃ)」と「補(ほ)」があり、瀉とは体内に生じた邪気を体の外に捨てることで、補は体内で失われた生気を補うことです。益軒が語るように、灸は元気を補うのですから、一般的には補の治療といえます。


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