ベースボールライターの大冨真一郎さんはこう話す。
「ナショナルチームとなると、ファンの期待感が違いますね。それが日の丸の重みなのでしょうか」
とくに気を吐いたのは、準決勝までに打率4割2分3厘だった中田翔(日本ハム)。メキシコ戦やドミニカ共和国戦で決勝打、米国戦でも勝利を呼び込む3点本塁打を放つなど、大活躍だった。
デーブ大久保・前楽天監督(48)はこう評する。
「気が強く、大舞台であればあるほど力を発揮するタイプ。今回は下位打線にいて、自由に打てた点もよかったのだろう。4番を任される日ハムでは、前の選手がよく走るので『何とか返してやろう』という意識を持ち、本来の実力を発揮できていない気がする」
侍ジャパンのパフォーマンスについてこう続けた。
「日本の野球は緻密。打者は風の吹き方を考慮してスイングする。守備では、走者を刺す意識を持ってグラブを構える。走者は投手の癖を徹底的に見抜く。プレミア12では、そうした日本野球のセオリーが十二分に発揮された。小久保裕紀監督、奈良原浩ヘッドコーチの手腕も評価できる」
侍ジャパンの今後に期待してもいいということか。
※週刊朝日 2015年12月4日号