大きな寝言は危険信号 レビー小体型認知症の前兆とは? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

大きな寝言は危険信号 レビー小体型認知症の前兆とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加
ぼくの話にも明るい笑顔で応援してくれた丹野さん(左)。右は朝田隆さん(撮影/木暮誠)

ぼくの話にも明るい笑顔で応援してくれた丹野さん(左)。右は朝田隆さん(撮影/木暮誠)

「取材のダブルブッキングをしたり、漢字を忘れてメモを取れなくなったり。これでは仕事を続けられなくなるのではないかと不安になって、東京医科歯科大学病院精神科のもの忘れ外来に飛び込みました」

 丹野さんほどうまくはなかったけれど、何とか話すことができた。MCIという言葉も知らず、最初は軽度認知症と思い込んでいたことや、ためらいはあったが妻や職場の同僚に相談して早期治療デイケアに通う実体験ルポを週刊誌で連載し始めたこと。デイケアで同じ悩みを持つ人たちと一緒にトレーニングしてたくさんの助言や励ましをいただいたことも。

 控室で映像を見た際、岩手県岩泉町から来た佐藤充博さんが、

「みんな(人とのつながりを)探しているんだ」

 と語ったのを思い出した。たった一人では生きられない、とか言いたかったけど、うまく表現できなかった。ところで、ぼくの主治医である朝田隆さんやリハビリ専門家の作業療法士・浅野有子さんが認知症の医学的な説明をしているときに、ぼくは急に眠くなった。あくびをするわけにはいかない。筋トレの先生、本山輝幸さんの声が聞こえた。

「眠くなったら筋肉に集中して力を入れれば、眠気は防げます」

 数分間、胸筋に力を入れて動かしたり膝の上の腿の筋肉をつねったり。効果あり。眠気は飛んだ。指導者の折山もと子さんとプサルタリーを弾き、本山式筋トレに励む自分の映像が流れている間は恥ずかしくて頭に血がのぼった。冷や汗が出た。

「山本さんは音楽は嫌いだったのですか」

 町永さんの質問で我に返る。「音痴で小学校や中学時代は口パクでした」

 それが、デイケア仲間と一緒に歌を歌ったり、合奏をしたりするのが楽しくなったのである。もちろん下手の横好きだけど。この1年半の変化には自分でも驚く。何でもやってみよう、やってみることの中に発見がある。この連載でも書いたが、代償作用で新しい脳細胞が働き始めた、そんな体験もしゃべったはずだ。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい