シンプルなスタイルの登喜和のチキンライス。700円
シンプルなスタイルの登喜和のチキンライス。700円

 東京・西新宿のはずれ。もともと庶民的なエリアだったが、新しいタワーマンションやオフィスが立ち並び、再開発が進む。そんななかに、昔からある一軒の中華料理店・登喜和。

 ワンタンメンやチャーハン、レバニラ炒めなどのサンプルが並ぶガラスケース、オムライスの隣に「チキンライス」があった。

 かつて松本人志は、いまも七面鳥はちょっと照れる、俺はまだチキンライスでいいやという、ちょっとノスタルジックなクリスマスソング、「チキンライス」の歌詞を書いた。

 あらためて考えてみると、お店でチキンライスを注文して食べたのはいつが最後だったか。中学生の娘にチキンライスを知ってるか聞いてみたら、

「知ってる、エスニックのやつでしょ」

 チキンライスというのは、シンガポール料理の「海南チキンライス」のことだと思うらしい。32歳の男性デキゴトロジストは、

「松ちゃんの曲で、そういう料理があるんだという認識で、食べたことないです」

 ケチャップ系の“仲間”は、今も花形商品だ。ナポリタンも、喫茶店飯やガツ飯ブームにのって、近年再ブレーク中。もしかしてチキンライス、絶滅危惧種化しているのか?

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