
「朝日新聞出版の本」に関する記事一覧




「ロックダウン」「武漢ウイルス」コロナ禍で生まれた言葉が人々に与えた影響とは 社会学者・西田亮介が分析
コロナ禍で人々に不安を感染させたもののひとつに、インフォデミックがある。「情報 information + 感染症拡大 epidemic/pandemic)」を意味する造語で、情報はその真偽を問わず量が膨大になるほど、人々を不安に駆り立てる。WHOは今年1月にすでに、インフォデミック対策に乗り出し、リスク/クライシス・コミュニケーションが大事だと世界に呼びかけていた。だが「日本ではそれがうまくいかなかった」と、社会学者で『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』(朝日新聞出版)を上梓した東京工業大学准教授の西田亮介さんは分析する。


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「義父が荷物を全て私に持たせる」理由…50代主婦の相談に鴻上尚史が憂慮した“無償の労働力”という意識
結婚当初から、「義父が自分の荷物を全て私に持たせる理由が知りたい」と投稿してきた50代主婦。嫌なわけではないと言う相談者に、鴻上尚史が憂慮したのは「妻を無償の労働力」とする日本の変わらぬ意識だった……。 【相談75】義父が私に荷物を持たせる理由が知りたい(50代 女性 元気な主婦) はじめまして。鴻上さんのユーモア溢れる優しい回答を目にし、ぜひ相談させて頂きたくメール致しました。私は所謂長男の嫁、義父母はともに70代前半です。相談は義父の事なのですが、結婚当初から自分の荷物は全て私に持たせます。どんなに沢山でも重くても全部です。義母はもちろん、息子である主人にも義妹にも絶対持たせません。それこそ、ペットボトル1つ自分で持たず無言で私に渡します。主人は持病があるため頼む事も出来ずいつも私が全部の荷物を運びます。 嫌なわけではないのです、今現在持つ体力があるのですから。ただ、義父の心理が知りたいのです。その理由が腑に落ちたら荷物運びも違う気持で出来そうな気がするのです。義父よりはずっとお若いですが、男性である鴻上さんに義父の心理を推理してみて頂けないでしょうか? お忙しいなか些細な問題で恐縮なのですが、よろしくお願いします。 【鴻上さんの答え】 元気な主婦さん。じつは、元気な主婦さんの質問に答えるかどうか迷いました。 それは、僕の考える「義父の心理」が、元気な主婦さんを悲しませてしまうと思ったからです。 たぶん、僕だけではなく、元気な主婦さんの相談を読んで、「そんなの決まってるじゃないの! ああ、腹が立つ!」と怒っている女性は多いと思います。 義父が「結婚当初から自分の荷物は全て私に持たせます。どんなに沢山でも重くても全部です」という理由は、元気な主婦さんを、一人の人格を持った女性とは認識していないからです。 では、なんだと思っているかというと、ただの使用人とか便利な奉公人です。 びっくりしたでしょうか。 年配になればなるほど、こういう風に考えている男性は多いと思います。 日本の近代小説では、特に、農家に嫁入りした女性が、一人の人格を持つ女性とは認められず、無償の労働力としか思われてない描写が何度も出てきます。