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第42回 『オーレックス・ジャズ・フェスティヴァル'80ライヴ~キング・オブ・スイング』
第42回 『オーレックス・ジャズ・フェスティヴァル'80ライヴ~キング・オブ・スイング』 『Aurex Jazz Festival '80 - King of Swing 』  第1回オーレックス・ジャズ・フェスティヴァルの目玉はベニー・グッドマンの尊称をプログラム名にした「キング・オブ・スイング」だったが、出来そのものも一番だった。既に71歳、多くが「観ることに意義がある」てな気分で足を運んだのかもしれないが、熱きスイング魂は瞬く間に会場を埋め尽くす老若男女の心をとらえ万雷の喝采を浴びた。足を運ばずNHKで放映された武道館でのライヴを観て地団太を踏んだ方もあるのでは。  大御所の来日は1957年1月、64年2月に続く三度目で、これが最後ともなった。最初はビッグバンドを、二度目はワンホーン・カルテット(この時に残した名盤は連載の第6回で紹介した)を、この度は3管セプテットを率いての来日だ。プログラムの目玉がもう一人いる。ジャズ・ピアノ史上の巨人、テディ・ウィルソンだ。昔のボスとの共演は8年ぶりだった。サイドマンは西海岸の中堅が並ぶ。トニー・テラン(トランペット)は名うてのセッションマン、ディック・ナッシュ(トロンボーン)は主にスイング系ビッグバンド畑の腕利き、サンフランシスコ人脈で共演歴もあるエディ・デュラン(ギター)、アル・オビデンスキー(ベース)、ジョン・マーカム(ドラムス)の3人はコンボ畑で、マーカムは1959~60年に御大のビッグバンド/コンボに在籍してもいた。この他、ツアーに先立ち御大が見出した女性コーラス・グループ「レア・シルク」が華をそえる。  放送映像(YouTubeで観られる)によると実際のステージもこの順に運ばれたようだ。クインテットでスタート、やがてブラス陣が加わり、中盤で「レア・シルク」を迎える。 幕開けは《アヴァロン》だ。御大が吹き始めるやいなや「観ることに意義がある」なんて予防線は吹き飛んだにちがいない。熱く一気呵成に吹き抜け、初っ端からウルっときた。テディも当夜のジェントルメン・オブ・スイングのステージとは一変し、闊達な好ソロを披露する。堅実でタイトなリズム隊も嬉しい。バラード《身も心も》では徒な感情移入を排した瑞々しい情感にうっとり。《レディ・ビー・グッド》では淀みない歌心で快走し、《世界は日の出を待っている》では熱くテクニカルに畳みかけて場を圧倒する。ここからブラス陣が合流する《ザッツ・ア・プレンティ》は場違いなディキシー・スタイルだが、ナッシュ、テラン、テディ、御大の好ソロが連続する、賑やかで楽しい聴き物になった。  ここで3人のオネエさん達が登場。何々シスターズの流れを汲むレトロ・グループだ。《ブロードウェイ》に《グディ・グディ》、観る分には華にせよ聴く分には魅力に乏しい。前者で3ホーン、後者で御大のソロをスポットする。《その手はないよ》はテーマのみ、《サヴォイでストンプ》に滑り込む。御大はテーマくらいで、ナッシュとテディのソロはまずまず。《エア・メイル・スペシャル》では「レア・シルク」がスキャットで加わる。御大、テディ、ナッシュのソロは平凡。バラード《あなたの想い出》はクインテットで。御大とテディが歌の精髄を描き出す、胸に迫る佳演だ。《シング、シング、シング》では意表を突いて「レア・シルク」が前面に立つ。ナッシュと御大のソロはピリっとしない。《スウィート・ジョージア・ブラウン》ではテディと丁々発止を演じ健気に吹き終える。《グッドバイ》はテーマ8小節に続いて御大が謝辞、ハッピーなステージの幕を降ろす。  終盤が今一つなのは、疲れがたまった後日録音のせいもあるだろう。初日の武道館では最後まで元気一杯で、《シング》ではテランがクリーンでシャープな快演を見せもする。それだけでまとめて欲しかった。それにしても武道館での御大には驚く。71歳とくれば口周りの筋肉も心肺も衰えていたはずだが、厄介な楽器と見事に一体化、精進の賜だな。これまた入手難で、リンク先ではバブリーな価格が付いている。LPを探すのが得策だ。[次回8月4日(月)更新予定] 【収録曲一覧】 Aurex Jazz Festival '80 - King of Swing (Jp-Somethin'else Classics [Jp-East World]) 1. Avalon 2. Body And Soul 3. Oh, Lady Be Good 4. The World Is Waiting for the Sunrise 5. That's a Plenty 6. Broadway 7. Goody Goody 8. Don't Be That Way - Stompin' at the Savoy 9. Air Mail Special 10. Memories of You 11. Sing, Sing, Sing 12. Sweet Georgia Brown 13. Goodbye Benny Goodman (cl), Teddy Wilson (p), Eddie Duran (g), Al Obidenski (b), John Markham (ds), Tony Terran (tp on 5-9, 11-13), Dick Nash (tb on 5-9, 11-13), Rare Silk: Mary Lynn Gillaspie, Gayle Gillaspie, Marguerite Juenemann (chorus on 6, 7, 9, 11). Tracks 1-8, 10: Recorded at Budokan, Tokyo, September 3, 1980. Tracks 9, 12: Recorded at Expo Park, Osaka, September 6, 1980. Tracks 11, 13: Recorded at Yokohama Stadium, Yokohama, September 7, 1980. ※このコンテンツはjazz streetからの継続になります。
モノクロで「原風景」を作り出す。神田開主の「地図を歩く」
モノクロで「原風景」を作り出す。神田開主の「地図を歩く」 (C)Akikami Kanda (C)Akikami Kanda (C)Akikami Kanda (C)Akikami Kanda  北関東で生活しながら、静かに変わっていく景色やその場所性を撮り続けている神田開主の写真展「地図を歩く」が、銀座ニコンサロンで7月2日から開催される。  埼玉県の深谷で生まれ、群馬県の藤岡で育った神田は、幼い頃から田畑のある北関東の地に慣れ親しんでいた。しかし近年開発が進み、彼の知る「風景」が少しずつ失われてきたのだという。神田は以前から彼の祖母や父が話す昔の町の姿に興味を持っていた。2、30年前まで残っていた茅葺き屋根の母屋のことや、彼の祖母が隣村から嫁いで来た時の話。家一つない、一面の桑畑の中を抜け学校へ通っていた彼の父の話……。それらが今は想像することしか出来ないことに寂しさを覚え、生まれ育ってきた地域のことを「見て知って残したい」と強く感じたという。  前作「追想の地図」(2012年)の制作中に起きた東日本大震災を受けて、神田は、当たり前の「風景」がある日こつ然と姿を変えることもあることを噛み締めた。そして育って行くなかで見てきた「風景」を反芻するように撮るようになった。  「地図を歩く」は、その前作を引き継ぎ、北関東で暮らしながら培ってきた眼と感覚で、土地のくらしや、自然と人間との狭間、場所と場所をつなぐ「境界」のような何かを探し撮影していったという。  見慣れた景色の中にジッと佇んでいると今まで気づかなかった場所のうつり変わりや、当たり前のようにそこに在ったモノの姿が浮かび上がってくる。都会とはまた違う時間の流れの中で、いつとも知らずその営みは変わっていき、ただ静かに姿を変えていく景色のさまは、見知っていたはずなのにどこか遠くまで来たような、そんな錯覚さえ想い起こされる。景色は移るともなく移り変わり、近づき過ぎれば浮き足立ち、離れ過ぎればどこか遠い出来事のように現実感が薄れてしまうその合間を縫うようにして歩を進めていく。(神田開主・同展に寄せた文章から)  長野県、千葉県も訪ね歩きながら、神田は自身のありかを探している。とりとめない景色のなかにいつの日かの故郷の姿を重ね合わせ、一つ一つ丹念に切り取っていくこと。神田にとっての原風景がそこにある。モノクロ作品31点を展示。写真集も発売。  また「地図を歩く」のグラビアが「アサヒカメラ」7月号に掲載されている。 神田 開主(かんだ・あきかみ) 1986年群馬県生まれ。日本写真芸術専門学校研究科卒業。JCII菊地東太写真塾に在籍中。 主な写真展に09年「真昼の夜空」、12年「追想の地図」(以上Juna21新宿・大阪ニコンサロン)。 ■「地図を歩く/Northern kanto -Walking on a map-」 会場:銀座ニコンサロン 開催期間:2014年7月2日(水)~2014年7月15日(火) 開館:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)会期中無休 住所:東京都中央区銀座7-10-1 TEL:03-5537-1469 写真集:『地図を歩く/Northern kanto -Walking on a map-』(冬青社)
JR東日本、成田エクスプレスを河口湖まで直通運転、夏期の土休日に
JR東日本、成田エクスプレスを河口湖まで直通運転、夏期の土休日に 画像:JR東日本プレスリリースより  JR東日本は夏期限定で、成田エクスプレスを富士急行線河口湖まで延長運転することを決定した。運転日は2014年7月26日~9月28日の土休日で、対象は成田空港を9時15分に出発する成田エクスプレス10号と、河口湖駅を14時13分に出発する成田エクスプレス41号。  また、訪日旅行者向けの特別切符「Mt.Fuji Round Trip Ticket」を今年も設定。東京都区内から大槻までの往復(中央本線の特急利用可能)と富士急行線、富士登山バスを2日間乗り降り自由とするもので、販売価格は大人5600円、小児2800円。富士山五合目までの往復が通常の約半額となる。  なお、河口湖まで延伸する成田エクスプレスに乗車する場合、「Mt.Fuji Round Trip Ticket」は東京/河口湖間(往復)の利用となる。「N’EX TOKYO Direct Ticket (One-way)」と「Mt.Fuji Round Trip Ticket」の場合は、成田空港/河口湖(往路)と河口湖/新宿・東京(復路)、「JR Kanto Area Pass」の場合は、成田空港/河口湖間(往復)で利用可能となる。
セルフブランディング界の2大女王が共演!
セルフブランディング界の2大女王が共演!  ブログやSNSなどがネットユーザーの間で話題となった"普通の人"が、本を出したり、テレビや雑誌で活躍するなんてことは、もはや当たり前の時代になりました。 たとえば、トレンダーズ株式会社が運営する美容エステ・コスメサイト『キレナビ』で編集長と務めていた"はあちゅう"こと伊藤春香さん。SNS上でのキラリと光るワン&オンリーなキャラで一部ネット民から熱烈な支持を得て、リアルの世界でも活躍しまくっているスゴイ女性です。先月、上梓した著書『恋愛炎上主義。』(ポプラ社出版)も、キレのある恋愛コラムを披露しまくり、多くの女性から共感の声が挙がっています。 ちなみに、そもそも彼女がここまで有名になったのは、ネット上での「セルフブランディング」に成功したから。セルフブランディングとは、自分自身のプロモーションをインターネット上で行いイメージを定着させることですが、彼女は無名だった普通の大学生時代に「クリスマスまでに彼氏をつくる」というブログを開設し、ネット上での"話題作り"に成功。当時はブログが流行し始めの時期で「ブログを使って画期的なことをしている女子大生がいる」の一点突破で1日に10万PVを集めるほどの人気者になりました。その後、大学4年生の時にはスポンサーをつけてタダで世界1周旅行も成し遂げるなど、常にネット上で話題を呼んできた女性なのです。 現在も様々なメディアで活躍し、イベントなどに引っ張りだこの彼女ですが、本名「伊藤春香」としての自分は、ネガティブ思考でコンプレックスばかり。そこで「はあちゅう」という自分を演じることで、自身をブランディングし、仕事を作っているのだそうです。なんという逆転の発想でしょうか。どうしても一歩踏み出せないことや大胆になれないことがある方は、はあちゅうさんを是非見習ってみてください! 本書『自分の強みをつくる』は、そんな彼女のセルフブランディングの全てが詰まった一冊。人生を楽しく生き抜くために「なりたい自分」になってしまおうと語る、はあちゅうさんによる現代版サバイバルマニュアルです。これからセルフブランディングに挑戦してみよう、という方におすすめの本と言えます。 また、6月24日(火)の夜には東京・虎ノ門で、はあちゅうさんが登壇するイベントが開催されます。同イベントには、「ノマドワーカー」としてセルフブランディングをし、テレビ出演などあらゆるメディアで活躍している"ミッフィー"こと安藤美冬さんも登壇します。セルフブランディング界のツートップが集う奇跡の夜。間違いなく面白いイベントになるのではないでしょうか。【関連リンク】RN2 BIZ&TECH TERMINAL presents安藤美冬×はあちゅう(伊藤春香)×原利彦~デジタル時代のセルフブランディングについて、語ってみる in 虎ノ門~□6月24日(火)20時〜22時http://bookandbeer.com/blog/news/20140624_bt-2/
第41回 『オーレックス・ジャズ・フェスティヴァル'80ライヴ~バトル・オブ・ザ・ホーンズ』
第41回 『オーレックス・ジャズ・フェスティヴァル'80ライヴ~バトル・オブ・ザ・ホーンズ』 『Aurex Jazz Festival '80 - Battle of The Horns』 ※写真は84年発売のEast World盤(CD)  1980年は延べ57組が来日した。まさしく旬のフュージョン勢が25組と大躍進、主流派の13組が続く。新主流派は5組、ビッグバンド、ヴォーカルは各4組どまりで、スイング、フリー、ワールド系は各2組と振るわない。いまさらながら気を引かれるのは1月の「ザ・クルセイダーズ」、2月の「グローブ・ユニティ・オーケストラ」、4月のエグベルト・ジスモンチ(ギター、ピアノほか)、パット・メセニー(ギター)、5月のジョニー・グリフィン(テナー)、6月の「ウェザー・リポート」、7月の「スタッフ」「イラケレ」、9月のオーレックス・ジャズ・フェスティヴァル’80、10月のソニー・スティット(アルト)、11月のアート・ペッパー(アルト)、12月の「ステップス」、ウディ・ショウ(トランペット)だ。3月の「カウント・ベイシー楽団」と6月の「ザ・マンハッタン・トランスファー」は(毎回、足を運んでいたから)大阪で観たにちがいない。  25組が33作を残した。半数あまりは日本人との共演盤で、スタジオ盤では20作中12作(11作は和ジャズ)を、ライヴ盤では13作中5作(3作は和ジャズ)を占める。ライヴ盤の候補10作から凡作、未CD化、入手難を外し、オーレックスでの『バトル・オブ・ザ・ホーンズ』『キング・オブ・スイング』、『アンリリースド・アート・ペッパーVol.7』、「ステップス」の『スモーキン・イン・ザ・ピット』を紹介していく。  9月、ジョージ・ウェインのプロデュースの下、東芝のオーディオ製品のブランド名を冠したオーレックス・ジャズ・フェスティヴァルが開催される。東京の会場は武道館で、大阪と横浜は野外ステージだった。評判を呼んだ同フェスティヴァルは翌年以降も続く。毎回、スイングから同時代まで大物が居並ぶプログラムに驚き、こんな大盤振る舞いでは早々にネタ切れになるのではと案じていたら4年で幕を下ろす。この年はベニー・グッドマンほかの「キング・オブ・スイング」、ベニー・カーター(アルト)ほかの「ジェントルメン・オブ・スイング」、ディジー・ガレスピーほかの「バトル・オブ・ザ・ホーンズ」、フレディ・ハバードほかの「ジャズ・オブ・ザ80’s」というプログラムが組まれた。入手可否云々以前に、カーター組は予定調和的な凡演で、フレディ組は上々にとどまる。快演級で入手可能なグッドマン組とガレスピー組を紹介しよう。まずはガレスピー組だ。  ガレスピーと、イリノイ・ジャケー~エディ“ロックジョウ”デイヴィス~ハロルド・ランドの3テナーが主役を張り、カル・ジェイダー(ヴァイブ)、シダー・ウォルトン、エディ・ゴメス、シェリー・マンが脇を固める。タイトルは粗っぽく冗長なブロー大会を懸念させるが、花も実もある快作だ。実状はともかく、ブロウ・ナンバーは1曲に抑え、それぞれをフィーチャーしたスインガーやバラードを中心にした制作側の手柄としたい。 《チュニジアの夜》はガレスピーをフィーチャー、63歳とくれば「烈火の如し」とはいかないが、張りも鳴りもよく起伏に富むラインを連ねて立派だ。ゴメスのソロが出色。 《ザ・ピースメイカー》はランドをフィーチャー、コルトレーン・マナーも消化した、優雅に漂いつつエモーションを募らせる語り口に酔う。ウォルトンの佳演が華を添える。 《コン・アルマ》は再びガレスピーをフィーチャー、静と動、知と情のコントロールが絶妙だ。4分49秒、御大の出ずっぱりだが、飽かせないどころかもっと聴いていたい。 《言い出しかねて》はロックジョウをフィーチャー、言い出しかねていた武骨な男!が意を決して最後に思いの丈をぶつける。ホーキンスに連なる、男の純情を綴った力演だ。 《タンジェリン》はジェイダーをフィーチャー、場違いの感もあったラテン・ジャズの雄が歌心を発揮、軽快で清涼感に溢れる西海岸風の好演を披露する。ウォルトンもいい。 《ジャンゴ》はリズム隊をフィーチャー、ウォルトンのピアニズムに狂喜し、ゴメスの創造的なソロに唸り、マンの陰影豊かなソロに舌を巻く。迷わずベストトラックに推す。 《恋人よ我に帰れ》は全員揃い踏み、実体は同曲のコード進行に基づいたホーキンスの《ビーン・アンド・ザ・ボーイズ》だ。ゴメス以外で回すソロは多くが上々にとどまる。聴きものは気合い入りまくりのロックジョウと、ヌラリクラリすり抜けていくランドだ。  熱血奮闘ライヴの類ではない。それぞれが肩肘張らず、とはいえ適度の緊張感に満ち、ルーズなジャム・セッションに堕さない。思わず頬が緩む、心地よい時間が流れていく。当初LPで発表された同フェスティヴァルのライヴ盤はCD化されたが、いまとなってはどれもこれも入手難だ。推薦盤も法外な価格や結構な価格のものが少なくない。LPなら手頃な価格で入手できるだろう。なくても困らないが、あれば繰り返し楽しめる快作だ。[次回7月7日(月)更新予定] 【収録曲一覧】 『Aurex Jazz Festival '80 - Battle of The Horns』 (Jp-Somethin'else Classics [Jp-East World]) 1. A Night in Tunisia 2. The Peacemaker 3. Con Alma 4. I Can't Get Started 5. Tangerine 6. Django 7. Lover, Come Back to Me パーソネル Dizzy Gillespie (tp on 1, 3, 7), Illinois Jjacquet (ts on 7), Eddie "Lockjaw" Davis (ts on 4, 7), Harold Land (ts on 2, 7), Cal Tjader (vib on 1, 5, 7), Cedar Walton (p), Eddie Gomez (b), Shelly Manne (ds). Tracks 4-6: Recorded at Budokan, Tokyo, September 2, 1980. Tracks 1-3: Recorded at Expo Park, Osaka, September 6, 1980. Track 7: Recorded at Yokohama Stadium, Yokohama, September 7, 1980. ※このコンテンツはjazz streetからの継続になります。
歌麿、写楽を見出した天才プロデューサーの教えとは?
歌麿、写楽を見出した天才プロデューサーの教えとは?  5月31日は、蔦屋重三郎(蔦重)の命日です。 蔦屋重三郎は、江戸時代に活躍した稀代の出版プロデューサー。浮世絵の喜多川歌麿、東洲斎写楽を世に送り出した仕掛け人であり、江戸文化の最先端を演出し、創造し、当時のメディア文化を花開かせていた人物です。 あのTSUTAYA書店の名前の由来になっているとの噂もあり、真相は定かではありませんが、書店経営を行う現代の会社が過去の偉大なヒットメーカーにあやかって名をつけているとすれば、非常に興味深い話ではあります。 没後200年以上経過しても、いまだ語り継がれる伝説のプロデューサー・蔦屋重三郎。彼を題材にした書籍は多数存在しますが、本書『蔦重の教え』は彼の生き方と商売の極意を学ぶことが出来る実用エンタテイメント小説です。 依頼退職を強要され人生がけっぷちに追い込まれた55歳のサラリーマン・武村竹男(タケ)が、お稲荷さんの怒りを買い、江戸時代にタイムスリップして23歳の青年に若返った状態で蔦重の所に転がり込む......という奇想天外な設定で物語は進んで行きます。蔦重に拾われたタケは、時代の寵児となる歌麿や写楽などと親交を重ねながら、蔦重に叱咤激励され、ものづくり、商売、ひいては人生の極意を学んでいきます。 尚、本書の巻末には「蔦重の教え」という章があり、彼が生前に残した商売に関する極意がまとめられています。「人脈を生かし、口コミを使う」等のビジネス関連のものから、「気の合わない人間ほど丁寧に接する」等の人間関係に関するものまで、今の世の中を生き抜くためにも、非常に役に立つ教えばかりです。 著者の車浮代さんは、江戸時代の浮世絵や料理に造詣が深く、これまでに「第18回シナリオ作家協会 大伴昌司賞大賞」の受賞や、「第9回講談社時代小説対大賞」最終選考ノミネートに選ばれるなど、今注目の時代小説家の一人です。 その車浮代さんの他、同じく蔦屋重三郎をテーマにした時代小説『蔦屋』の著者である谷津矢車さんらが、蔦重の命日に合わせて5月31日に下北沢B&Bでイベントを開催します。蔦重が世に残した「成功の本質」を知りたい方、または、その教えを自らの人生に活かしたい方は、ぜひ足を運んでみてください。【関連リンク】車浮代×大石学×谷津矢車×磯部深雪 「蔦屋重三郎を学び、楽しむ」 『蔦重の教え』(飛鳥新書)『蔦屋』(学研マーケティング)刊行記念http://bookandbeer.com/blog/event/20140531_bt/
カレーだけじゃない! 海軍由来の料理「肉じゃが」誕生の歴史
カレーだけじゃない! 海軍由来の料理「肉じゃが」誕生の歴史  子供から大人まで大人気、日本人の国民食としてすっかり定着しているカレーライス。そんな(日本の)カレーの発祥地として知られる神奈川県横須賀市では、4月19日に「護衛艦カレーナンバー1グランプリ in よこすか」が開催されました。会場になった海上自衛隊横須賀地方総監部では、全国から集結した15隻の護衛艦・潜水艦の給養員(調理員)が腕を振るい、艦ごとに特色を出したカレーを販売。ふだん乗組員が食べているのと同じ味が楽しめるという事で話題を呼び、入場制限が行なわれるほど人々が殺到したのだとか。見事、グランプリに輝いたのは横須賀潜水艦部隊「濃厚味わいカレー」。名前からして美味しそうですよね。 そもそも日本のカレーライスは旧日本海軍が「発明」したもの。栄養価の高い英国式のスープに改良を重ね、日本人好みにとろみをつけて白米にかけたあのスタイルが出来上がったそうです。その後、兵役を終え横須賀から郷里に返った旧海軍の兵士達がカレーライスを日本全国に広めたとも言われています。 ところで、実はカレー以外にも、海軍発信の料理があるのをご存知でしょうか? 本書『帝国海軍料理物語―「肉じゃが」は海軍の料理だった』では、タイトルが示す通り、家庭料理としておなじみの「肉じゃが」にも海軍が深く関わっているという説を紹介しています。「肉じゃが」の誕生には諸説ありますが、ここでは東郷平八郎に由来するという説を取り上げています。 東郷と言えば、日露戦争でバルチック艦隊を打ち破った海軍司令官。ある時、英国留学時代に味わったビーフシチューが忘れられなかった東郷は、料理長に命じて、これを作らせることにしました。ところがこの料理長はビーフシチューのデミグラスソースを知らなかったので「牛肉、にんじん、たまねぎ、じゃがいも」という東郷の説明を頼りに作ったのが、砂糖と醤油で煮込んだ肉じゃがだった! ......というのです。 しかし、いくらなんでも料理長がデミグラスソースを知らないなんて、ちょっと考えにくいですよね。また、肉じゃがという名前が定着したのは東郷の時代のようですが、「牛の煮込み」「甘煮」のように牛肉を甘辛く味付けした、肉じゃがに似たような料理はもっと前の時代からありました。当時の海軍ではデミグラスソースの材料が手に入らなかったため、ビーフシチューの材料で、兵士が食べやすいような馴染みのある味付け、すなわち砂糖と醤油で作ったのが肉じゃがだった、というのが真相のようです。「牛肉、にんじん、たまねぎ、じゃがいも」という材料は、調味料だけ変えればカレーも肉じゃがも両方作ることができます。そのため補給にも都合がよく、海軍食として普及したようです。国民食として定着しているカレーと肉じゃが。その意外な歴史を探る一冊として手に取ってみてはいかがでしょうか。【参考サイト】第2回護衛艦カレーナンバー1グランプリinよこすかhttp://cocoyoko.net/event/goeikancurry.html
GWに日帰り・1泊で楽しめる関東以南の桜の名所
GWに日帰り・1泊で楽しめる関東以南の桜の名所 八重咲きの桜は開花時期が遅いのでGW中も楽しめる(5月1日 静岡県 伊豆稲取にて撮影)  東京や大阪などでは4月初旬に満開を迎えた今年の桜。すでに桜前線は東北に到達しており、このゴールデンウィーク後半の連休を利用して、東北桜巡りの旅を計画されている方も多いことでしょう。  北日本の桜の名所、弘前や角館、松前の桜は見たいけど、いまさら遠くへ出かける準備も大変。という方々にもう少し近くで、お花見が楽しめるスポットをご紹介します。  ところで、この時期に関東以南で満開をむかえる桜というのは ・標高が高く、気温が低い場所にある ・八重咲きなど遅咲きの品種である  のどちらか。  一般に標高が100メートル高くなると開花は2~3日遅れると言われているので、標高の高い、軽井沢、日光、塩原温泉などで4月下旬頃より桜の見頃をむかえます。年によってはゴールデンウィーク前に見頃を過ぎてしまうこともあるようですが、今年(2014年)は4月30日現在、軽井沢の街中でちょうど満開のようですので、まだ数日はお花見が楽しめるでしょう。また、日光だと遅咲きの輪王寺の金剛桜はすでに満開。中禅寺湖畔にある大山桜まだこれからのようです。塩原温泉は温泉街の桜はほぼ満開と言うことです。関西方面だと春が遅いのは、比叡山延暦のあたり。4月末で5分咲きと言うことなので、ゴールデンウィーク後半がちょうど見頃になるかもしれません。岐阜県の荘川桜、群馬県の天王桜など山間部にある桜の大木も、これから見頃をむかえるものがあります。  また、様々な種類の桜が楽しめる公園などでは、この時期すでに花盛りを過ぎた桜も多いのですが、今が見頃の品種もあります。群馬県のさくらの里、東京都の多摩森林科学園、神奈川県の恩賜箱根公園などでは早いものは2月から、遅いものは5月まで、様々な品種の桜が次々に満開の時期をむかえます。こうした公園へ行くと、ひとくちにサクラといってもこれだけ多くの種類があることに驚かされます。 <主な遅咲き桜の情報> ●荘川桜 場所:岐阜県高山市荘川町中野 開花状況: 荘川町まちづくり協議会 http://www.shokawa.net/archives/category/荘川桜開花情報 ●天王桜  本数:1本 場所:群馬県利根郡片品村針山 開花状況:片品村ブログ http://ameblo.jp/ozenosatokatashina08-09/entry-11835773568.html ●県立森林公園 さくらの里  本数:約5000本 場所:群馬県甘楽郡下仁田町大字上小坂1258 開花状況:県立森林公園 さくらの里ホームページ https://www.pref.gunma.jp/07/k10410014.html ●多摩森林科学園 本数:約2000本 場所:東京都八王子市廿里町1833-81 開花状況:サクラ保存林開花状況 http://www.ffpri-tmk.affrc.go.jp/cherry/bloom/bloom_main.html ●恩賜箱根公園 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根171 開花状況:恩賜箱根公園ホームページ http://www.kanagawa-park.or.jp/onsisite/ ●軽井沢町内の桜 場所:長野県北佐久郡軽井沢町 軽井沢プリンス周辺、旧軽井沢ロータリーなど町内各所 開花状況:軽井沢観光協会 http://karuizawa-kankokyokai.jp/news/?category=sakura ●比叡山延暦寺周辺の桜 場所:比叡山延暦寺 さくら祭り「萌桜会」詳細 http://www.hieizan.or.jp/pdf/2014sakura.pdf
絶好の潮干狩りシーズン! 東京近郊でおすすめのスポットは?
絶好の潮干狩りシーズン! 東京近郊でおすすめのスポットは? 工業地帯に出現したプライベートビーチのような空間(大森ふるさとの浜辺公園) お弁当を広げるテーブルなどのスペースもある(大森ふるさとの浜辺公園) 頭上を飛行機が飛び交いロケーションは最高(城南島海浜公園つばさ浜) 芝生広場やキャンプ場などが砂浜に隣接している(城南島海浜公園つばさ浜)  春先から初夏にかけて手軽な行楽として人気のある潮干狩り。遠くまで行かなくても近郊で楽しめ、海遊びもできるうえ、とったあとには貝を食べられるという満足度の高いレジャーだ。ゴールデンウィークには、多くの人が砂浜で貝を掘る光景がニュースなどで報じられている。  では、なぜこの時期に潮干狩りが行われるのだろうか? 貝をとるためには、潮が引いたとき(干潮時)に浜辺にいって砂を掘るのだが、その干潮時の条件がもっともいいのが春。春は干満の差が大きく、日中に干潮になることが多いなど、潮干狩りがしやすい条件がそろっているのだ。  潮によって左右される潮干狩りは、一般的なレジャー施設とは違い、潮の干潮時期によって営業日と営業時間が決まる。土日や休日であっても、条件によっては休業日になることもある。そのため潮干狩りに行く日が営業しているのか、何時から何時までできるのかは、各潮干狩り場の潮見表を見て確認する必要がある。潮見表は、各潮干狩り場のホームページに掲載されている。  東京から手軽に行かれる東京湾の潮干狩り場リストを下記にあげた。料金が必要な潮干狩り場は、一定量の貝がとれるように各漁協で砂浜に稚貝をまいているため、収穫が目的だとしても十分に楽しめる(一定以上の量を持ち帰るには追加料金がかかることが多い)。逆に、海の公園(神奈川県)のように入場無料のところは、浜辺に自然発生する貝のみをとるため、収穫よりもレジャーとしての潮干狩りを楽しみたいところだ。  千葉や神奈川まで足を運ぶのもいいが、東京都内でもっと気軽に行かれるところはないだろうか? 東京都にはお台場海浜公園や葛西海浜公園などの人工海岸がいくつかあるが、今回注目したのは大森。モース博士による大森貝塚が有名な場所なので、潮干狩りの場所としてはうってつけではと考えたからだ。  潮干狩りができそうな場所を探してみると、「大森ふるさとの浜辺公園」という施設を発見! さっそく足を運んでみると、工業地帯の中に、南の島のプライベートビーチのようなこじんまりとした浜辺が。子ども連れや、犬を連れて遊んでいる人がいるなど、非常にのんびりした空間。さっそく潮干狩りだ! と浜辺を見渡してみたものの、貝殻すら見当たらない……。実際に浜辺を少し掘ってみても貝がいそうな気配はなし。子どもたちも水鉄砲で遊んでいるだけ。管理事務所で話を聞いてみると、潮干狩りに来る人はほとんどいないそうで、「子どもと一緒に掘ってみたら、何かの貝がとれた」という程度のお遊び感覚だそうだ。  あては外れたがここで終わるわけにはいかないと、続いて行ってみたのが「城南島海浜公園つばさ浜」。ここはトラックの行き交う工業地帯の端にある東京都大田区城南島にある海上公園。キャンプ場やスケボー広場などを備えた公園で、羽田空港を離着陸する飛行機を間近に眺められるビュースポットとしても知られている。  ここの砂浜は貝殻もたくさん落ちており、潮干狩りへの期待も高まる。残念ながら到着した時間がちょうど潮が満ちてくる時間だったため、実際に掘ることはかなわなかったが、話を聞いてみたところ潮干狩りをしている人は多いという。稚貝をまいているわけではないので、アサリなどがとれるとは限らないものの、レジャーとしての潮干狩りを楽しんでいる人は多いそうだ。広々とした砂浜と、外に開けた海、頭上を飛び交う飛行機というロケーションに、自然とテンションがあがってしまった。芝生で遊べる広場もあり、子ども連れでも、大人だけでも楽しめる穴場のレジャースポットといえよう。  今回は残念ながら「夕飯は貝汁で!」とはいかなかったが、東京の工業地帯にいながらリゾート感覚を楽しめたのが新鮮! 砂を掘るだけでも童心に返って、日頃のストレスをリフレッシュできた気がする。ゴールデンウィークの風物詩ともなっている潮干狩り。人気スポットはそれなりに混むものの、日帰りで簡単に行かれて一日楽しめる。お近くの浜辺にぜひ足を運んでみてはいかが? 【今回訪れた施設】 大森ふるさとの浜辺公園 http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/oomorifurusatonohamabe.html 城南島海浜公園つばさ浜 http://seaside-park.jp/modules/Top_Jounan/ 【東京湾潮干狩りスポット】 ◎千葉県 ■富津海岸 千葉県富津市富津海岸 http://www.jf-futtsu.com/ 【アクセス】電車:JR青堀駅→バス富津公園行き(15分)、車:館山道木更津南ICから富津方面へ国道16号で約15分 【料金】大人:1600円(網袋付き2kg)、小人(小学生):800円(網袋付き1kg)、小人:(4歳~小学生未満)700円(網袋付き1kg)。1kg超過につき800円 ■金田海岸 千葉県木更津市北浜町 http://www.kaneda.or.jp/ 【アクセス】電車:JR巌根駅、車:東京湾アクアライン連絡道木更津金田ICから約5分 【料金】大人:1400円(2kg)、小人(小学生):700円(1kg)、1kg超過につき800円。 ■ふなばし三番瀬海浜公園 千葉県船橋市潮見町 http://www.park-funabashi.or.jp/bay/ 【アクセス】電車:JR船橋駅南口から京成バスシステム船橋海浜公園行、車:京葉道路原木ICより約4km 【料金】大人(中学生以上):430円、小人(4歳以上):210円、採取したアサリを持ち帰る場合は100gにつき60円 ◎神奈川県 ■海の公園 神奈川県横浜市金沢区海の公園 http://www2.umino-kouen.net/ 【アクセス】電車:横浜シーサイドライン海の公園南口駅・海の公園柴口駅・八景島駅、車:首都高速幸浦出入口・横浜横須賀道路並木ICから約2.5km 【料金】無料(一人2kgまで) ■走水海岸 神奈川県横須賀市走水海岸 http://members2.jcom.home.ne.jp/motoiya/siohigari.html 【アクセス】電車:京急線馬堀海岸駅から京急バス観音崎行、車:横浜横須賀道路馬堀海岸ICから約1km 【料金】大人(中学生以上):1200円(2kg)、小人(小学生):600円(1kg)、超過1kgにつき600円
篠山紀信さんが渋谷で新作の上映イベントを開催
篠山紀信さんが渋谷で新作の上映イベントを開催 『Deauville Nuville』から (C)Kishin Shinoyama 『Deauville Nuville』から (C)Kishin Shinoyama  篠山紀信さんがデジタル作品を発表する時に使うクリエーター名、「digi+KISHIN」で発表し続けている人気シリーズに「digi+KISHIN DVD BOOK」がある。その新作2冊の同時発刊記念イベントが、4月14日(月)に東京・渋谷のマウントレーニアホール渋谷で行われる。   今回のタイトルは、2008年以来5年ぶりのフォトセッションとなった、人気グラビアタレントを撮影した『森下悠里』、もう一作は、フランスの高級リゾート地ドーヴィルで撮影し、昨年10月に同地で開催された国際写真フェスティバル「プランシュ・コンタクト (Planche Contact)」で発表された『Deauville Nuville』。篠山さんは、このフェスに招待作家として招かれていた。同作品はドーヴィル市はじめフランス写真界から非常に高い評価を受け、2017年にオープン予定のドーヴィル市の写真美術館への収蔵も決まっている。  2冊のDVDブックは、どちらも写真と映像を融合させ、オリジナルの音楽をつけたハイクオリティーな官能作品。イベントでは、ジャポニズムの聖地フランスに乗り込んだ、まさに現代の浮世絵師こと篠山紀信さんを迎え、森下悠里さん、『Deauville Nuville』に登場したモデルの司ミコトさんを交えての貴重なトークと作品上映の機会となる。 ■digi+KISHIN DVD BOOK「森下悠里」&「Deauville Nuville」発刊記念上映&サイン会 出演:篠山紀信、森下悠里、司ミコト 日時:2013年4月14日(月)19時開演 <入場無料(18歳未満は入場不可)> 会場:マウントレーニアホール渋谷  東京都渋谷区道玄坂2-29-5 渋谷プライム6F イベントの詳細はこちら https://ml.webshogakukan.com/oubo/enquete/kishin.do
プロレスの隠語「アングル」をご存知ですか?
プロレスの隠語「アングル」をご存知ですか?  先日、プロ野球が開幕し、甲子園では連日、高校球児が白球を追っています。「野球は筋書きのないドラマだ」などとよく言われますが、まさしくその通りでしょう。    一方、同じスポーツというカテゴリーでありながら、プロレスにはがっつり筋書きがあります。なんていうと「八百長だ」と思われるかもしれませんが、そんなことを言うのは野暮というもの。  プロレスには「アングル」という言葉があります。これは試合そのものではなく、試合前後のリング外の抗争などに関しての筋書きのこと。いかにおもしろいストーリーを仕立てられるか否かで試合の注目度、興奮度も俄然変わってきます。そう、プロレスはスポーツでありながら「作品」でもあるのです。  たとえばアメリカのプロレス団体「WWE(World Wrestling Entertainment)」。WWEのしかけるエンターテインメント性の高いアングルは、まさに映画を見ているかのような感覚に陥ります。主役級の選手は善玉(ベビーフェイス)と悪玉(ヒール)と明確に色分けされており、善玉はどこまでもかっこいいスーパーヒーローで、悪玉は相手選手だけでなく観客や試合を開催している地域についても罵詈雑言を浴びせるなど、徹底的に憎まれ役を演じきります。  また、善玉、悪玉の役割が突然入れ替わることもあり、人生の儚さを感じさせてくれます。さらに本来裏方であるはずの経営者一族(マクマホン一家)がアングルに絡むことが多々あるところもWWEの見所のひとつであり、劇場型プロレスの色合いを強くしています。  プロレスをより楽しむには、アングルを知る(=その団体の文脈を読み解く)こと。特にWWEは関連本、DVDも多いので、それらをチェックすることで「文脈」を読む手助けになることでしょう。  さて、日本のマット界は古くから真剣勝負が第一とされてきたため、WWEのような"あからさまなアングル"は敬遠されてきた背景がありますが、アングル自体は存在してきました。それこそ映画のように緻密な筋書きがあり、そういう意味では古今東西、「プロレスとはだいたい映画のようなもの」といっても過言ではないのかもしれません。  逆もまた然り......と言い切っていいのかは迷うところではありますが、「映画とはだいたいプロレスである」という気になるイベントが4月4日夜、下北沢の「B&B」で開催されます。「J SPORTS WWE NAVI」等でも活躍するWWEマニアのプロレスライター・シングウヤスアキさんが、「プロレスラー出演映画」などB級映画とWWEの魅力を語り尽くす90分一本勝負。プロレス好き、映画好きの皆さんは、出かけてみてはいかがでしょうか? 【関連リンク】 シングウヤスアキ BOOKSTAND映画部プレゼンツ 「映画とはだいたいプロレスである。」 http://bookandbeer.com/blog/event/20140404_bt/
被災地の"応援教師"の奮闘をリアルに描いた小説 『そして、星の輝く夜がくる』
被災地の"応援教師"の奮闘をリアルに描いた小説 『そして、星の輝く夜がくる』  今年で2011年3月11日の東日本大震災から3年を迎えます。これまで地震や津波による死者・行方不明者は約2万人以上にのぼり、大きすぎる爪痕を残しました。被災地は未だに復興を目指して歩み続けている状況であり、復興庁によれば26万7千人もの避難者が仮設住宅や病院などで生活をしているといいます。 もちろんそれは教師たちも例外ではありませんでした。被災地の学校では学習の遅れを取り戻すために、また生徒の心のケアといった取り組みに必要な教師の不足が深刻化していたのです。当時のニュースでも盛んに全国各地の自治体が被災地に教師を派遣していたことを報じていたこともあり、ご存じの方も多いのではないでしょうか。 その派遣された教師の視点で、被災地の抱える問題やそれによって生まれるリアルな感情が語られているのが、『ハゲタカ』などで知られる真山仁さんの小説『そして、星の輝く夜がくる』です。 同書は、自身も阪神大震災で被災を経験した教師・小野寺徹平が、派遣された被災地の小学校を舞台に、生徒たちとの交流を通して被災地の現実や日本のエネルギー問題など、震災が浮き上がらせた日本の問題点を感じていくといったストーリー。また、そのような混乱した現実から未来へと力強く向かっていく姿を描いた連作短編集という形でつづっています。関西弁で明るく子どもたちを励ます小野寺と子どもたち心温まるふれあいも必読です。 また真山さんは、「物語は全て完全なフィクションです。でも、1編1編に、被災地が抱えている問題とそれによって起きるであろう様々な感情をタブーを設けず踏み込みました」とメッセージを寄せています。まさに阪神大震災を経験した真山仁さんだからこそ描くことのできた限りなく真実に近い物語。 そんな真山さんの本当の復興とは何なのか、日本が考えるべきことは何か?などあなたに語りかけるイベントが、東京・下北沢の本屋「B&B」で3月15日に開催されます。震災から3年が経った今こそ、真山さんと一緒にこれからの日本で生きるために何が必要なのか一緒に考えてみませんか?■イベント詳細出演: 真山仁(作家)開催日時 :15:00~17:00 (14:30開場)場所:本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F入場料 ;1500円 + 1 drink order【関連リンク】真山仁「東日本大震災から三年。今、日本が考えること」http://bookandbeer.com/blog/event/20140315_bt/
第49回 日本のプログレッシブ・ロック・バンド 新月との出会い その1 ~ジャパニーズ・プログレッシブ・ロック・フェス~
第49回 日本のプログレッシブ・ロック・バンド 新月との出会い その1 ~ジャパニーズ・プログレッシブ・ロック・フェス~ 『新月』新●月  ※デビュー・アルバム 新月は、正しくは「新」と「月」の間に「●」を入れるとのこと。 『新月: Live 07-26-79: ABC Kaikan Hall Tokyo』新●月 ※ジャケット写真撮影:小熊一実 『An Electric Storm』White Noise ※サウンド・コラージュを使った奇作です。わたしは好きです。  新月とわたしの出会いは、わたしが10代だったころまでさかのぼる。    1976年、一浪して大学に入り、わたしはクラッシク・ギターのサークルに入部した。大会に出て賞を競うほどレベルの高いサークルではなかったが、数十人の部員は、その活動に真剣に取り組んでいた。夏の合宿では、わたしもバッハの《主よ人の望みの喜びよ》を拙いながらも演奏し、このままここで4年間を過ごすのだろうかと考えていた。  そんななか、秋の文化祭である看板を見つけた。  当時はまだ学生運動のなごりが残っていて、休講になったりしていた時代だった。また、大学のキャンパスには、独特の文字で世界を変えるためのアジテーションが書かれ、その前でヘルメットをかぶって手拭いで顔を隠した学生たちが、ガリ版刷りのチラシを配っていた。  そんななか、わたしが発見したのは、1枚の芝居の看板だった。  それは、わたしから見ても怪しげな看板であった。芝居のタイトルは、「劇団インカ帝国」の『牛若丸』。  京の五条大橋の欄干に立つ、薄衣をまとった牛若丸が描かれていた。劇団名もすごいし、なんかこわいなと思いながらも、面白そうなので観に行くことにした。いくら怖いといっても、文化祭でやるのだから危険ということはないだろう、と、そんな気持ちだった。  公演当日、前売りなどというものも買わず、会場に行った。大講堂だった。  開場時間の少し前に会場に行くと、その広い会場には誰もいない。間違えたかなと思い入口まで戻ると、確かに看板は置いてある。もう一度中に入ってみると、 「芝居観に来たの?」と尋ねられた。そうだと答えると、「中よ」と言われた。その人が指さす方を見ると、ステージの前の緞帳のかげから、手招きする人がいる。  呼ばれた方に行くと、「会場は、こっち」と言われ、案内されたのは、その緞帳の中、講堂のステージだった。ステージの半分が舞台であり、残りの半分が客席で、客席のほうには座布団が並べられていた。そして、その間に空缶が置いてある。灰皿である。煙草を吸いながら観られるのだと思った。  わたしは最初の客だった。舞台そでから覗く人がいて、「お客来たね」などと話すのが聞こえる。「顔出しちゃだめよ」という声もする。顔は濃い舞台化粧をしていて、異形のもののようだ。  わたし1人なのだろうかと思っているうちに、何人かが入ってきた。満席ではないまでも、バラバラと座布団が埋まってきた。  その芝居はわたしを感動させた。それまで観た演劇は、学校の授業の一環で見に行ったり、友人が出るというのでチケットを買って見に行ったギリシャ悲劇くらいのものだった。それらがつまらなかったわけではなかったが、わたしの人生のなにかを変えるほどのことはなかった。しかし、この芝居はわたしの何かを変えてしまった。講堂のステージの半分の舞台で繰り広げられたその芝居は、それまでわたしが見てきた世界とは、別のものだった。  家に帰ると、その日観た芝居の内容と感想を、ノートに数ページにわたって書いた。  その年の冬、正月が明けると、従妹から電話があった。新年会をやるから来いとのことだった。  それは年上の従妹が、東京で独り暮らしをしているわたしにたいして、知り合いが1人でも多いほうがよいだろうとの配慮からの誘いだった。初めての誘いでもあり、その気持ちがありがたかったので、出かけていった。  そこで、わたしより3才年上の従妹の中学の同級生というWさんを紹介された。従妹は、大学の卒業と同時に宇都宮の実家に戻っていたが、そのWさんは東京に残って、「シティー・ロード」という情報誌で仕事をしているとのことだった。  自己紹介をすると、その大学に通っているのだったら、「劇団インカ帝国」という劇団を知らないか? とわたしに尋ねた。  なんと、それは、秋に観た『牛若丸』を上演していた劇団の名だった。 「知ってますよ、秋の文化祭で、『牛若丸』観ました」 と興奮して言うと、 「ぼくは、その芝居に出ていたんだよ」 とWさんは言った。  目の前にいるまじめそうなWさんが、まさかあの異形の輩の1人とは、にわかには信じられなかったが、その『牛若丸』を観て感動したといっているわたしのような若造が目の前にいることも、Wさんにとっても不思議な体験だったに違いない。  わたしはその頃、『あやとり』という自費出版の文芸誌を友人と作っていて、そこに小説を書いていた。印刷をする金もなく、知り合いを頼って、設計の図面などに使われていた青焼きという複写機で作成していた。  わたしは、その小説を劇団インカ帝国の作演出の伊野万太に読んでほしいと思った。  Wさんは、「万ちゃんも小説書いてるみたいだし、一度、会ってみたら」と言ってくれた。  東京に戻ると、わたしはすぐに劇団インカ帝国の練習場に向かった。  それは、わたしの大学の教室だった。  まずは部室に行った。クラシック・ギターの部室はドアのついた部屋だったが、劇団インカ帝国の部室は、材木やパネルで仕切った一角だった。 「せっかくだから、小熊君も練習していけば」と言われた。 「いや、今日は小説を見てもらおうと思ってきたので」と逃げると、 「そういわないでさ、おい、誰か、練習着貸してやれよ」  そして、いつのまにか、わたしは10人くらいのメンバーと柔軟体操をし、発声練習をし、早口言葉をいい。エチュードと称して、小芝居の練習などをした。  3時間ほどして練習が終了した後、 「これから飲みに行くけど、来るよね」と言われた。みんなで巣鴨の焼き鳥屋に行った。カウンターに座っている人たちの後ろをやっとすり抜け、急な階段を上って、かなり年季の入った畳の部屋に入った。  そこでの時間は楽しかった。文学の話や映画の話、音楽の話をした。こんなことを話し合える人たちと出会えたことがうれしかった。  1人の女性が、「芥川龍之介の文章に、『やすちゃんが、青いうんこをしました』というのがあって、怖いのよね」といった。  わたしもその文章を読んだ記憶があったが、そこから恐怖を読み取ることはできていなかった。つまり、青いうんこをするということは、命にかかわるかもしれないという表現だったのだ。その一言から、子供の病への恐怖を読み解くのはすごいなと感心した。やすちゃんは、芥川龍之介の三男、作曲家の芥川也寸志のことだろう。  その時の女性が、今では小説家になっている長島槇子だ。2007年『遊郭の怪談(さとのはなし)』でメディアファクトリー主催第2回『幽』怪談文学賞長編部門特別賞を受賞した。  昨日この文章を書いている時に、その出典がないので正確な言葉がわからず、槇ちゃんに電話をしたら、今朝メールでその出典を教えてくれた。芥川龍之介『春の夜は』の一文であった。  いつもとは違う人たちと、普段とは違う話をし、宴も終わりに近づいたころ、 「小熊君は、役者をやった方がよいね」と言われた。わたしは文章を書きたいので、演技をしたいわけではない、といったが、戯曲も書きたいなら役者をやっても無駄にはならないよといわれ、次の日から、練習に参加するようになった。  今になって思えば、劇団にとって一番大切なのは、役者を確保することなのだ。今ならよくわかる。はめられた、といっても過言ではない。  劇団インカ帝国の次の公演名は『矢車草』だった。まだ、わたしは出演しなかった。  年始にあったWさんは、妹役の、 「お兄様、ほら、あそこに、ヨットが見えるわ」というセリフに、 「あらヨットっ」と絡んで、笑いをとっていた。  その芝居の中でもう一つ、わたしの好奇心をひいたのが、「『矢車草』使用音楽一覧」と題されチラシだった。  オープニングは、デヴィッド・ボウイの《ロウ》ではじまり、バルトークが流れ、次は口笛ジャックによる《口笛天国》と続いた。この選曲に、わたしは驚いた。そして休憩の時間には、日替わりでビートルズのカバー曲が流された。それも、「日替わりメニュー(ビートルズ・ライヴ発売記念)」と書いてある。もちろん、77年に発表されたビートルズの初の公式ライヴ・アルバム『ライヴ・アット・ザ・ハリウッドボウル』のことだ。  1日目は、《ヒア・カムズ・ザ・サン》S・ハーリー&コックニー・レベル  2日目は、《チケット・トゥ・ライド》キャシー・バーバリアン  3日目は、《ホールド・ミー・タイト》スタクーリッジ  あなたは、どれくらい知っているだろうか? その時、わたしは1人も知らなかった。  そして途中に、浅草オペラのスター田谷力三の《海に来たれ》が入り、最後に、ホワイト・ノイズが流れてきた。知らない曲も多く、また、知っている曲も聴いたことがない演奏ばかりだった。しかも、オリジナルの挿入曲が2曲入っていた。  そう、この選曲・作曲をしたのが、新月のヴォーカリスト、北山真だった。次回へ続く。[次回3月5日(水)更新予定] ■公演情報は、こちら http://clubcitta.co.jp/001/jpf/ ■参考 『矢車草』使用音楽一覧 ※追っていくと「劇団インカ帝国」のHPにたどり着けます。 http://www.mazel-japan.co.jp/inka/yaguruma/yaguong.htm
第37回『カウント・ベイシー・ライヴ・イン・ジャパン'78』カウント・ベイシー
第37回『カウント・ベイシー・ライヴ・イン・ジャパン'78』カウント・ベイシー 『Live in Japan,'78』Count Basie  ベイシー自身が率いたバンドは1963年5月、71年1月、73年11月、76年4月、78年5月、80年3月、82年3月、83年5月の都合8回来日、公演数は軽く100回を超える。1985年の春には生誕80年とリーダー歴50周年を記念した来日ツアーも予定されていたが、84年4月26日に惜しくも他界した。  社会人になった1973年以降の公演(大阪)はすべて観ている。毎回「今生の別れか」と通い続けたのだ。ベイシー亡きあとも1度は行った。サド・ジョーンズ(トランペット)率いる1985年11月の公演だ。目当ては楽団の至宝、フレディ・グリーン(ギター)だった。ベイシー詣での実体はフレディ詣でだったのだ。それがフレディの見納めに。その後のフランク・フォスター(テナー)、グローヴァー・ミッチェル(トロンボーン)、ビル・ヒューズ(同)等々が率いた幽霊バンドには関心がいだけず観ていない。筆者にはベイシーとフレディがいてこそベイシー・バンドなのだ。  バンドの黄金期はレスター・ヤング(テナー)らを擁した1930年代後半と、サドやフォスターらを擁した50年代後半とされるが、これにブッチ・マイルス(ドラムス)を擁した70年代後半も黄金期に加えていいのではないか。ブッチは第1期のジョー・ジョーンズ、第2期のソニー・ペインに負けず劣らずバンドを猛烈にドライヴした。20年おきとは! ブッチ在団中(1975-79年)の公式盤にはバンドとミルト・ジャクソン(ヴァイブ)との共演作、エラ・フィッツジェラルド(ヴォーカル)との共演作を含む5枚のスタジオ作と3枚のライヴ作がある。  推薦盤の音源は、1978年の来日時に静岡放送が浜松市民会館での公演を放送用に録音したテープだ。数年後に同局の倉庫に眠っていたテープが発掘され、関係者がパブロの総帥、ノーマン・グランツに3年間かけあった末に発売にこぎつけた。1985年、ベイシー存命中のただ1枚の“ライヴ・イン・ジャパン”が日米欧で発売される。  この日は22曲が演奏されたようだ。《シャイニー・ストッキングス》までが前半だろう。半数は第1、第2、第3黄金期の十八番で、あとは1960年以降のライヴ・ネタと初出曲だ。新旧のファンの期待に沿ったプログラムと言えそうだがグランツは容易に認めなかった。多くが当時の定番だったからだろう。  実際、22曲中8曲は『Montreux’77』(1977.7)に収録済みだった。ダブりを極力抑えることで許しが出たのでは。結果的には正解だった。(5)(8)(9)(11)と、初出が4曲ある。未収録の《ワーリー・バード》《スプランキー》には大いにそそられるが、《チュニジアの夜》《ヒッティン12》《リル・ダーリン》《ワン・オクロック・ジャンプ》などは先行盤で間にあいそうだし、専属歌手をフィーチャーした《愛のフィーリング》《ウォッチ・ホワット・ハプンズ》には気乗りしない。余談だが、なぜかベイシーは大味のブルース・シャウターばかり連れてきて不思議でならなかった。  個々の演奏には多言を要しない。メンバーは小粒になっていたしアル・グレイ(トロンボーン)とジミー・フォレスト(テナー)も既になく、これといったソロに乏しいのだ。聴き所は、ベイシー=フレディ=ジョン・クレイトン=ブッチの新オール・アメリカン・リズム・セクションが導くバンドの湧き立つようなグルーヴと怒涛のドライヴ感にある。《ヒーツ・オン》で早くもゾクっときてウルっときた。銚子公演を観た少年がその迫力にお漏らししたのも無理はない。15歳間近の菊地成孔氏だ。  ソロイストで傾聴に値するのは(8)のフレッド・ウェズレイ(トロンボーン)と(9)のクレイトンか、名を残す人は違う。ウィナーはブッチだ。リズム陣をクリアにとらえた優れた録音もあるが、いつにもましてホットでパワフル、まさしくブッチ切れている。生涯の名演ではないか。未収録に数えた《ヒッティン》《オクロック》は国内CDに収められたが入手難、米CDを推薦盤とした。[次回3月17日(月)更新予定] 【収録曲一覧】 Live in Japan,'78 / Count Basie & his Orchestra (Pablo Live) 1. The Heat's On 2. Freckle Face 3. Ja-Da 4. Things Ain't What They Used to Be 5. A Bit of This and a Bit of That 6. All of Me 7. Shiny Stockings 8. Left Hand Funk 9. John the III 10. Basie 11. Black Velvet 12. Jumpin' at the Woodside Count Basie (p), Sonny Cohn, Pete Minger, Waymon Reed, Nolan Smith (tp), Mel Wonzo, Fred Wesley, Dennis Wilson (tb), Bill Hughes (btb), Bobby Plater, Danny Turner (as), Kenny Hing (ts), Eric Dixon (ts, fl), Charlie Fowlkes (bs), Freddie Green (g), John Clayton (b), Butch Miles (ds). Recorded at Shimin Kaikan, Hamamatsu City, Shizuoka, May 21, 1978. ※このコンテンツはjazz streetからの継続になります。
ポーカーと経営は似ている? 世界をポーカーで一周する「逆境ツアー」に出た経営者
ポーカーと経営は似ている? 世界をポーカーで一周する「逆境ツアー」に出た経営者 日本人にとっては、あまり馴染みのないトランプゲーム「ポーカー」。海外では、ゴールデンタイムにテレビ放映されるほど人気のある競技であり、世界最大のポーカートーナメントの優勝賞金は日本円で8億円にも及ぶとか。世界大会にも特別な参加資格はなく、試合開始前に1万ドル(約100万円)を用意することだけで、誰もが平等に参加することができます。地球上のあらゆる場所で、大小のトーナメントが開催されており、唯一共通することは、勝ち抜いた者のみが賞金を持ち帰れるということ。そんな過酷な勝負の世界に足を踏み込み、ポーカー勝負をしながら世界を単身で横断したのが、登録会員が1200万人を超える国内最大のメルマガサービス「まぐまぐ」の創業者・大川弘一さん。書籍『逆境エブリデイ』で、400日の壮絶なポーカー旅行の様子が明かしています。大川さんが主戦場として選んだのが、ラスベガスなど本場のカジノで主流となっている「テキサスホールデム」という種類のポーカー。「ブラフ」と呼ばれる嘘の行為が賭けたチップの出し方で演出できるため、戦術や戦略、性格や心の強さなどが反映されると言われています。若手経営者たちの間で、"キャバクラ通いの代わり"に流行したことを機にポーカーをはじめた大川さんは、会社経営に共通する"魅力"を感じたと語ります。「各人の性格がそのままプレイに反映されるタイプのゲームで、自分の強さを見誤る癖や、相手が多めのチップを入れてきた時の心の萎縮など、様々な面でリスク・リターンに対する経営判断と通じる点がいくつもあり、形通りの放蕩に飽きていた僕らをことごとく魅了し始めていた」会社に訪れたとある"危機"を境に、ポーカーを通じて「とてつもなく強い人」になるために世界に旅だった大川さん。「できるだけアウェイで戦う」ことだけを唯一の旅のルールに課し、ドイツ、インド、スペイン、韓国、イタリア、フランス、カンボジア、アメリカを転戦します。果たして、大川さんが旅の終わりに見つけたものとは...。14日には、東京・下北沢の書店B&Bで『逆境エブリデイ』の発売記念イベントが開催されるとのこと。過酷さを極めるあまり、決しておすすめは出来ないけど、起業や経営にとって大事なことを教えてくれる"逆境ツアー"。書籍またはイベントで、その醍醐味に触れてみてはいかがでしょうか。■関連リンク・大川弘一×杉浦崇之×砂流恵介「旅好き&進路に悩む若者へおくる逆境ナイト」『逆境エブリデイ』刊行記念http://bookandbeer.com/blog/event/20140214_bt/
"メッタ斬りコンビ"のコメントが炸裂!? 芥川賞・直木賞の選考会を「ニコ生」で見守る書店イベントを開催
"メッタ斬りコンビ"のコメントが炸裂!? 芥川賞・直木賞の選考会を「ニコ生」で見守る書店イベントを開催 (写真:WEB本の雑誌) 動画サービス「niconico」の「ニコニコ生放送」は、 16日18時より、「第150回芥川龍之介賞・直木三十五賞受賞者記者会見」を放送。全国6カ所の書店でパブリックビューイングも行なう。第148回(2013年1月)、第149回(2013年7月)につづき、3度目の試みとなる。下北沢の書店・B&Bでは、ニコニコ生放送による協力のもと、辛口講評で知られる書評家の杉江松恋氏、豊﨑由美氏、大森望氏を迎えたパブリックビューイングイベントを開催する。参加者はチケット申し込み時に、芥川賞・直木賞候補作のうち1作品を、受賞作品として予想することが必須。見事に受賞作を当てた参加者は、ドリンク代500円が無料になる。B&Bでは昨年7月にも、第149回芥川賞・直木賞のパブリックビューイングイベントを開催。前回のイベントでは、登壇者のうち2名がイベント中にもかかわらず、受賞記念のパーティ会場とB&Bを行き来するなど、受賞作品だけでなく、出演者の行動すら予想ができない展開となった。見事に受賞作を当てた参加者もおり、会場が熱気に包まれていた、とはB&Bのイベント担当者の弁。今回のイベントでは、杉江松恋氏による全候補作紹介が行われるほか、書評家たちも他のニコ生ユーザーと同様に、ニコ生にコメントする予定となっている。"メッタ斬りコンビ"として知られる豊崎由美氏、大森望氏がB&Bにどれだけ滞在するかどうかは未定とのこと。10日17:30現在の申し込み者数では、芥川賞候補作はいとうせいこう氏の「鼻に挟み撃ち」(すばる12月号)、直木賞では万城目学氏の「とっぴんぱらりの風太郎」(文藝春秋)が優勢とのこと。B&Bのイベント担当者は、「文学好きが集い、書評家とともに文学賞の行方を見守るイベントです。ぜひ、会場でその熱気を味わってください」と抱負を語っていた。■関連リンク杉江松恋×豊﨑由美×大森望×ニコニコ生放送[予想が当たればドリンク無料!]ニコ生VS 本屋B&B !?~「150回芥川賞・直木賞受賞記者会見」パブリックビューイング~http://bookandbeer.com/blog/event/20140116_150akunaopv/
どんど焼きに参加して お正月気分よサヨナラ!
どんど焼きに参加して お正月気分よサヨナラ!  お正月飾りなどを炊き上げる左義長(どんど焼き)は多くの地域で1月中旬頃に行われます。都心では防火のため大きな焚きあげは見られないのですが、近郊では河川敷や海岸などでは開催されるものがあります。下記に都内から手軽に行ける代表的などんど焼きを集めてみました。他にも東京では、八王子、狛江、西東京などで。埼玉では本庄、千葉では佐倉などでも開催されているようです。田畑が広がる郊外では、地区ごとに開催されるところもあるようですので、こちらは地区や自治体の公報などをご参照ください。 ●丸子どんど焼き 多摩川・丸子橋近くの河川敷で行われます。東横線沿線では、ここだけ。 開催日:2014/1/12(日)16:00予定 場 所:多摩川第一広場(丸子橋下流) 最寄駅:東横線・目黒線 新丸子 問合せ:044-422-3271 日枝神社 ●羽村市 どんど焼き 毎年青少年対策東地区委員会と西地区委員会の主催で行われます。 東地区委員会 開催日:2014/1/13(月・祝) 8:30から     ※強雨・強風時は19日(日)に延期 場 所:羽村堰下橋下多摩川河川敷 西地区委員会 開催日:2014/1/13(月・祝) 8:30から     ※強雨・強風時は19日(日)に延期 場 所:宮の下運動公園子ども広場 問合せ:子ども家庭部児童青少年課     電話: 042-555-1111 (児童青少年係)内線262 ●海の公園どんど焼き 海の公園で行われる「どんど焼き」も今年で19回目。 ※正月飾りなどのプラスチック・金具などは取り外し、当日12:30までに持参して下さい。 開催日:2014/1/18(土) 10:00~15:00 *13時に火入れ予定            ※開催の決定は午前8時 荒天時翌日順延 場 所:海の公園 砂浜 (神奈川県横浜市金沢区海の公園10番) 最寄駅:シーサイドライン「海の公園南口駅」「海の公園柴口駅」又は「八景島駅」より徒歩2分 問合せ:横浜金沢観光協会 電話045-780-3431     ※催行可否など当日の問合せ 横浜市コールセンター 045-664-2525 ●大磯の左義長 相模国の豪壮な火の祭典。大磯の左義長は国指定重要無形民族文化財に指定されています。 開催日:2014/1/12(日) 点火は18:00予定 場 所:大磯北浜海岸 最寄駅:JR東海道線大磯駅徒歩8分 問合せ:0463-61-4100 大磯町 産業環境部 産業観光課 観光推進係 公式サイトURL:http://www.town.oiso.kanagawa.jp/isotabi/matsuri_event/matsuri/sagichou.html
1月号朝日新聞記者 山田佳奈 Yamada Kanaこれから何かあるたびに、私はページを開く
1月号朝日新聞記者 山田佳奈 Yamada Kanaこれから何かあるたびに、私はページを開く  天野さんだったら何て言うだろう。  この2カ月、何度もそう思った。食材の偽表示、都知事の釈明会見、そして特定秘密保護法……。ニュースが続いた年末、「これ、次のCM天気図に書いてこられるんじゃないかな?」と思ってはすぐに、「あっ、天野さんはもうおられないんだ」と気付くのだ。昨年(13年)10月20日、天野さんは急逝された。天気図は16日が最後になった。読者から惜しむ手紙がたくさん届いた。  昨年4月、改題を経て1984年から続くコラム「CM天気図」の担当になった。物ごころついたときには新聞に掲載されていて、私自身、小学生のころから読んできたコラムだ。引き継ぎのあいさつはとても緊張した。だが、奥さんの伊佐子さんと一緒に現れた天野さんは、気さくで、こしあん・つぶあんの好みから、ディズニーランド、ディズニーシーに続く三つ目に、老人が退屈を楽しむ場所としてディズニーシルバーをつくってはどうかという話まで、話題は多岐に及んだ。和やかな話しぶりの中に鋭い文化論が忍ばされていて、はっとさせられた。  好奇心いっぱいに輝く目も印象的だった。「コラムの顔写真を、後ろ向きだったり大笑いしていたりする姿にたまに変えられないかな」ともおっしゃった。このときも目がいたずらっこのようにきらっと光っていた。つねに面白くしたいと考えておられるのだなと驚き、「いいですね!」と答えたのに、実行しないままになってしまった。  残念なことはまだまだある。  思い切って「毎週、原稿を頂きに上がりたい」とお願いした。天野さんはちょっと驚いた顔をして、「何時に書き上がるか、そのときによって違うから。会う時間はまた別につくるから、メールで送ります」。「私ごときが厚かましいお願いだったな」と反省した。亡くなられてから、「今度の奴は面白いよ。昔はみんな、原稿取りに来るのが当たり前だったんだから」とおっしゃっていたと聞いた。元気があると感じて下さっていたらしい。少しでもお目にかかって話を伺いたくて、ラジオの収録現場に連れていって頂いたり、お菓子を持って突然、訪ねたりした。でも、もっともっと学びたかった。「謦咳(けいがい)に接したい」という言葉がぴったりだった。最後まで忙しくされていたので、時間はこれからいくらでもあると甘えていた。  原稿はいつも、すっと呼吸するように読める。笑ってしまう。えっと驚く展開がある。深い洞察がある。例えば、「消費税還元セール」というフレーズを使ってはならぬという政府の方針を皮肉るのに、30年前の経済書の一節を引く。私には聞いたこともない本だ。ほかの部分も読みたくなって「もう絶版になってるよ」とおっしゃる本を、何冊探して買ったことか。かつて読んだ本や誰かに聞いた話がすべて天野さんに染みこんでいて、適切なところで出てくる。これが教養なんだなあと感じた。  この本には選りすぐりの155編が掲載されている。  ユーモアあふれる文体は初めからで、内容は全く古びていない。《家族や家庭の再生というのは、そんなカンタンなものではないだろう。早く帰ってくるだけではなくて、男たちの意識が根っこのところから変わっていかないかぎり、何も生まれてはこない。「父帰る」より「父変える」のほうが、ずっと大切なのだ》(1993年3月6日)。最新の世界男女格差報告で、日本は世界136カ国中105位。20年たっても日本はあまり変わっていないようだ。  経済的な“豊かさ”のあとの価値についても、繰り返し書かれている。《夢や希望が見つけにくい時代である。かと言って、政治家や企業がつくり出したお仕着せの夢や希望に踊らされていると、ロクなことがない》(86年12月26日)。豊かさの次というのは日本の最近のテーマだと思っていたら、80年代にすでに書かれてあるのだ。  3・11以降の筆の鋭さは圧巻だ。原稿や口調にじれったさがにじんでいると感じることもあった。そもそも、実は80年代から言い続けてきたテーマも多々ある。いくら言っても変わらない、もういいやと思うことはなかったのか。すると、「一度じゃだめだよ。何度でも書かなきゃ」という、天野さんが飄々と話す声がよみがえってきた。  155編を選んだ伊佐子さんが「天野祐吉に会いたいとき、のぞいてみて。きっとヒントをくれるよ」とおっしゃった。本当にそんな本になったと思う。  もう天野さんには会えない。でも天野さんの言葉がここにある。これから何かあるたびに私は「天野さんだったら何て言うだろう」と考え、困ったらページを開くだろう。この本を手に取られるどの方をも、天野さんが温かくも澄んだ知恵の光ですっと照らしてくれると思う。
"話したくても話せない"不安障害「場面緘黙(ばめんかんもく)」とは
"話したくても話せない"不安障害「場面緘黙(ばめんかんもく)」とは ここ数年で、アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)・ADHD(注意欠如・多動性障害)・LD(学習障害)といった言葉が、新聞やテレビに登場することも多くなり、認知度は格段に向上してきました。その一方で、「場面緘黙(ばめんかんもく)」という、あまり知られていない症状に悩む子供達が存在するのをご存知でしょうか。 場面緘黙とは、家庭などリラックスした場所ではおしゃべりできるのに、幼稚園・保育園・学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない状態のこと。医学用語では「選択性緘黙」と言い、不安障害の一種と考えられています。 話せないと言うと「それって自閉症のこと?」と思いがちです。確かに、場面緘黙の人の中には、広汎性発達障害や自閉症スペクトラム障害など他の障害を併せ持つ人も存在します。ですが、場面緘黙の人は、ほとんどの場合、言語能力や知的能力に問題はありません。家では話せるのに学校に行くとしゃべれないといったように「人・場所・活動」の3つの 要素によって状況が左右される場合が多いそうです。 極度の不安や緊張のために、ある特定の場面で話せなくなってしまう子供達は、大人しい子・はにかみ屋と思われてしまい、学校現場では問題視されず、見過ごされてしまうこともあるのだとか。「名称は知っているけど、支援の仕方はわからない」という先生も多いと言います。 そんな場面緘黙という特別な支援が必要な子供・当事者達に対して、本書『どうして声が出ないの?-マンガでわかる場面緘黙-』は、前半はマンガでわかりやすく説明、後半は「不安度チェックシート」など、実践的で具体的な支援方法を提示しています。 実は、著者・はやしみこさん自身も、場面緘黙の子供をもつ母親でした。「僕はどうして声が出ないの?」と、息子さんに泣きながら聞かれたとき、答えることができずに一緒に泣いてしまったそうです。場面緘黙に対応できる支援機関や専門家も少なく、学校の先生も具体的にどうしたらいいかわからない、なかなか支援の手が届かない状況の中、子供に伝えることが出来ないだろうか?との思いから、この本の出版にこぎ着けました。 話したいのに話せない、場面緘黙という困難さを抱える当事者本人はもちろん、悩んでいる保護者への共感と励ましが込められた一冊です。 【関連リンク】 かんもくネットHP http://kanmoku.org/ 場面緘黙症って何だ?NAVERまとめ http://matome.naver.jp/odai/2138605776074883201

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