検索結果1728件中 1421 1440 件を表示中

堺屋太一「日本は成り立たない」 東京オリンピックのその後を危惧
堺屋太一「日本は成り立たない」 東京オリンピックのその後を危惧
堺屋太一(さかいや・たいち)/1935年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、旧通商産業省(現・経済産業省)に入省。日本万国博覧会、沖縄海洋博などを手がける。78年、退官。執筆活動に入る。『油断!』『団塊の世代』『知価革命』『組織の盛衰』『平成三十年』などの予測小説や評論のほか、『峠の群像』『豊臣秀長』『秀吉』などの歴史小説も手がける。現在、全18巻の「堺屋太一著作集」が第4巻まで発売中(撮影/写真部・長谷川唯)  作家や経済評論家としてはもちろん、大阪・セビリア・上海万博等にかかわり、精力的な活動を続ける堺屋太一さん。いまの日本が抱える問題点を指摘すると同時にこれからやるべきこと、ご自身がやりたいことについて、作家の林真理子さんに楽しそうに語ってくださいました。 *  *  * 林:先生は少子化問題については、「女性に母性愛がなくなっているんじゃないか」ともおっしゃってますね。 堺屋:少子化の原因は、24歳以下の女性が子どもを産まないことにあります。24歳以下で子どもを産む女性が、アメリカでは千人中112.5人いるのに対し、日本では35.7人。若い人にもっと子どもを産んでもらいたいし、産める環境をつくらなければいけない。 林:ところが、たとえば成人式で市長が「できるだけ早く子どもを産んで」なんて言おうものなら、もう袋だたきですよ。女性は「お上にそんなこと言われたくない」って思うわけです。 堺屋:戦時中に「産めよ殖やせよ」と言われた反動が、いまも続いてるんでしょうかね。ただ現実問題、若い人が子どもを産まないのは大変な社会的損失です。 林:私の時代までは、大学3年ぐらいでお見合いして、在学中や卒業直後に結婚するのがいいところのお嬢さんのステータスでしたけど。 堺屋:私が通産省にいたころは、東京の有名女子大の卒業アルバムが役所にドサッと届いて、「キャリアの若手官僚を紹介してほしい」と言われました。 林:まあ! それ、いまも届くんですか。 堺屋:いまはありません。バブルのころあたりになくなったんじゃないですかね。官僚もそれほどエリートでなくなってきましたから。 林:でも先生、少子化問題って難しいですね。何か言うと女性の怒りを買うし。いろんな生き方を認めなきゃいけない、ということなんでしょうけど。 堺屋:なぜ女性が怒るのか、まったくわからないんです。私と家内(画家の池口史子さん)は結果的に子どもができなかったので大きなことは言えませんが、老後に子どもに会えるというのは、大変なぐさめになると思いますよ。 林:先生は奥さまと仲がいいことで有名ですもんね。パーティーでもいつもご一緒で、とっても素敵なご夫妻。 堺屋:いやいや。それはともかく、日本の本当の危機は2020年、オリンピック・パラリンピックが終わったあとだと思います。そこで何もなければ、日本は成り立たなくなる。 林:「オリンピック・ロス」になっちゃうわけですね。先生はオリンピックにもかかわっていらっしゃるんですか。 堺屋:いえ、かかわっていません。いまのオリンピックのもたつきを見てると、ちょっと気の毒になります。 林:あれは誰がいけないんですか。 堺屋:役人に任せると、あんまりうまくいかないんです。官僚は2年くらいでポジションが変わるでしょう。責任あるプロデューサーが必要なんです。 林:先生はかつて大阪万博(70年)を大成功させましたが、当時の先生のような方が必要なんですね。 堺屋:いま、2025年に万国博覧会をもう一度大阪でやろうという話を、熱心に進めているんです。 林:お話はかなり進んでいるんですか。 堺屋:進むと思いますよ。安倍首相も誘致するつもりだと国会で答弁しましたから。 林:でも先生、大阪の人はあまり乗り気じゃないという話を聞きましたが、ほんとですか。 堺屋:乗り気じゃないとは思いませんが、会場に異論がある人はいると思います。夢洲(ゆめしま)という埋め立て地が候補地になっていますが、万博に間に合うように工事を進めるには200億円以上の追加費用がかかる。万国博は伝統的に前回と同じ会場を何度も使うことが多いので、そのほうがいいという人も多いんです。いま、パリも立候補していて、競合するんです。 林:勝ち目はどうなんですか。 堺屋:半々だと思いますね。パリもかなり大きな計画を立てていますから。前回の大阪万博は「人類の進歩と調和」というテーマだったんですが、実際のコンセプトは第3次産業革命。日本が規格大量生産社会を実現したことを知らしめるものだった。次の万博では第4次産業革命を見せることになりますが、人工知能やロボットだけじゃなく、それによって世の中がどう変わるかというところを見せたいと思っています。 ※週刊朝日 2016年12月23日号より抜粋
東京五輪
週刊朝日 2016/12/15 11:30
モーニング娘。'16“MY VISION”に見たひとつの完成……次のステージへ「モーニング娘。は常に変わっていかなきゃいけない」
モーニング娘。'16“MY VISION”に見たひとつの完成……次のステージへ「モーニング娘。は常に変わっていかなきゃいけない」
モーニング娘。'16“MY VISION”に見たひとつの完成……次のステージへ「モーニング娘。は常に変わっていかなきゃいけない」  2015年より9期10期11期12期の新体制で本格始動。約2年間にわたって苦悩しながらも今のモーニング娘。の在り方を追求しながら活動してきた彼女たちが、12月12日 日本武道館にて【モーニング娘。'16 コンサートツアー秋 ~MY VISION~】最終公演を開催、いよいよ新メンバーを迎え入れ新たなフェーズへと突入した。モーニング娘。'16 キュートなライブ写真一覧 <モーニング娘。としての“MY VISION”=答えを提示する通過儀礼>  小田さくらは、同ツアー中のインタビュー(http://bit.ly/2hnudtF)で現在のモーニング娘。'16について「それぞれの目覚めのとき。自分には何が出来るかな? 自分にしか出来ないことは何だろう? みたいなことを常に考えている。だから誰も上辺だけでやってない。変わってないようでちゃんと変わってる」と話していた。事実、今回のツアーで11人のメンバーは各公演ごと個別に“MY VISION”を語っており、明確な夢や目標を掲げた者もいれば、それを見つけられない苦悩を吐露する者もいたが、誰もが今のモーニング娘。における自身の生き方を模索していたのは確か。メンバーにとってその背中を追い掛けていくことがあたりまえだった存在・道重さゆみの卒業後、先導役を失いながらも、過去との比較に晒されながらも、自身の言動や選択が正しいのか不安になりながらも、新しいモーニング娘。像の確立にそれぞれの立場で奮闘し、鞘師里保や鈴木香音といったメンバーが新たな夢に向かって卒業していく中で、自問自答を繰り返しながらもひたすら前へ前へ突き進んできた2年間。あまりにもめまぐるしかったこの日々を経て、13期メンバーの加入と共にネクストステージへと踏み出していかんとする今、自らの、そして現在を生きるモーニング娘。としての“MY VISION”=答えを提示するのは必要な通過儀礼だったに違いない。  そして、彼女たちは、これまでも幾つものターニングポイントを迎えてきた大切な場所・日本武道館で、モーニング娘。'16~モーニング娘。'17以降の“MY VISION”=答えを超満員のファンの前で体現してみせた。 <今の11人でしか創れないモーニング娘。を創りたい―――>  幻想的な「The Vision」のイントロダクションが響き渡り、ステージ上の巨大スクリーンから溢れ出す11人の想い。「モーニング娘。って言ったら羽賀朱音だよねっていう、そういう存在になりたい」「皆さんが楽しいから私が楽しいっていう、そういう気持ちを大切にしたい」「歌と共に気持ちを届けていきたい」「新しい自分をもっともっと見せていきたい」「歌を人の心に届けることを大事にしたい」「モーニング娘。を知るきっかけに自分がなりたい」「音楽が大好きっていう気持ちをコンサートにぶつける。それだけは忘れない、何があっても」「私のダンスは絶対人にマネできないって思ってもらえるようなダンスを踊りたい」「世界でも通用するアイドルでいたい」「また自由奔放に自分らしさを出したい」「今の11人でしか創れないモーニング娘。を創りたい」―――そしてステージに登場した11人のもとへ現れるひとつの光。その光と共に、純白に蒼い炎の灯ったドレス姿で歌い踊るモーニング娘。'16の美しさには、誰もが息を飲んでまっすぐに見惚れていた。  確かな意思を感じさせる歌と舞い(コンテンポラリージャズダンス)。そこへ間髪入れず畳み掛けられる激しき重低音と熱唱。一気にランウェイからセンターステージへと駆け上がりながら披露された「Tokyoという片隅」に燃え滾ったコールが贈られる。「この世界のTokyoという片隅にゃ 我武者羅しか生きれる連中(ヤツ)が居る」とは、正しく今ステージ上から歌い叫ぶ11人とそれに呼応して叫び続ける10000人のこと。もう我武者羅に自らのエモーションを解放するしかなくなった者たちは、続く「ブレインストーミング(updated)」「強気で行こうぜ!」においてもこぶしを何度も何度も振り上げながら、圧倒的な熱量で日本武道館を飲み込んでいく。何があろうと、何を言われようと、何を迷おうと、今の時代にモーニング娘。とメンバーとして対峙し続けてきた11人の自信。今のモーニング娘。だからこそ掴む事が出来た強さを冒頭4曲からまざまざと体感させられた。 <13期メンバーお披露目! ハロプロ研修生歴4年と2か月の凸凹コンビ>  そんな11人におけるモーニング娘。'16の完成形を見せてくれた直後、運命の時はやってくる。約2年ぶりの新メンバー(13期)発表。「私、今日から先輩になるので! 頑張っていきたいなと思ってます」と興奮気味に語る野中美希(12期)。そしてリーダーの譜久村聖が「では、早速、登場してもらいましょう! モーニング娘。13期メンバー、横山玲奈!」と新メンバーを呼び込むと、そのあまりに純粋無垢な出で立ちに思わず「女子だ」と小田がつぶやく。「埼玉県出身、高校1年生、15歳の横山玲奈です。長所と個性をたくさん出して頑張りたいと思います。よろしくお願いします!」緊張しながらも嬉しそうな横山。さらに「もうひとりいます!」と譜久村が呼び込んだのは、モーニング娘。からのデビューだけを目指して4年ものあいだハロプロ研修生として戦ってきた加賀楓。ステージに登場するなり涙が込み上げてしまった彼女に拍手喝采が贈られ、メンバーたちも「かえでぃー! かえでぃー!」と叫びまくる。「東京都出身、高校2年生、17歳の加賀楓です! 新メンバーとしてイチから努力をして、先輩をどんどん追い抜いていけるように頑張ります! よろしくお願いします!」  13期の本格始動はモーニング娘。'17からになるようだが、新メンバーの加入に対して埼玉県出身のショートカットである工藤遥は「埼玉県出身の横山ちゃん、ショートカットの加賀ちゃん、埼玉県民でショートカットの工藤ちゃん! これは負けてられないです。私も頑張ります」と会場の笑いを誘いながら意気込み、この瞬間より正式に先輩となった12期の羽賀朱音に関しては「初めて先輩になるからいろいろ不安とかあったんですけど、本当に本当に本当に……最年少守れてよかった!」と歓喜。また、石田亜佑美は「私の印象ってどう?」と先輩特有の答えづらい質問を敢えて投げかけ、加賀から「ダンスが凄い格好良い」、横山からは「ダンスレッスンのときに石田さんにダンスを細かく教えて頂いて、すごく優しいなと思います」と返されるとご満悦。そこへサブリーダーの生田衣梨奈は「本当は怖い先輩だから気をつけてね」と横槍を入れ、「生田さんが一番怖いから!」と迎撃されても「優しいよね~」と猫なで声で迫るのだが、これに新メンバーは無言。早くもトークの流れが分かっている、そして先輩達との団体芸に溶け込めている2人に笑いが絶えなかった。  なお、13期のメンバーは、中盤のMCにも再び登場。そこで譜久村聖が「4年って凄い。4年も頑張ってきたのは本当に凄いと思う。それだけで泣けてくるもん」と、ハロプロ研修生として長年活動してきた加賀楓を泣きながら讃える場面もあったが、すでにドラマティックなストーリーに経験値や実力も持ち合わせている加賀楓と、ハロプロ研修生期間2か月でモーニング娘。への加入を決めてみせた未知数すぎる横山玲奈。このある意味凸凹コンビとも言える2人が来年以降のモーニング娘。でどんな存在感を放ってみせるのか。要注目である。 <各メンバーの見せ場があるソロ/シャッフルコーナー 11人のハロプロ愛>  そんな13期の加入が決定したこともあってか、同公演の後半では各メンバーの見せ場があるソロ/シャッフルコーナーへ突入。まず尾形春水、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音の4人が「青春コレクション」に続いてこの日2曲目となる12期だけでのパフォーマンスで「ゼロから始まる青春」を可愛さ全開でお届けし、すっかりイケメンキャラが根付いた工藤遥も松浦亜弥カバーというギャップでキュートにパフォーマンス。その後、佐藤優樹がオリジナルの各ボーカルパートを次々とラーニングしていくアプローチでひとり「Do it! Now」を歌い上げ、小田もそれに負けじと「ウソつきあんた」で艶やかな声色も響かせながら歌姫として申し分ない歌唱力を発揮。飯窪春菜は親愛なる10期メンバーを従えるアットホームな形で「恋ING」、石田亜佑美は横たわるパフォーマンスでも抜群のセンスを感じさせながら後藤真希の「ガラスのパンプス」を畳み掛け、生田衣梨奈は懐かしの「せんこう花火」を表情豊かに歌い届けていく。そして譜久村聖が藤本美貴カバー曲「ブギートレイン'03」をセクシーにハジけながら歌い踊ってみせると、佐藤、工藤、小田によるプラチナ期の人気曲「Take off is now!」からメンバー全員によるダンスセクション、さらには「Only you」「ドッカ~ン カプリッチオ」といったキラーチューンの畳み掛けで会場をひとつにしてみせるまでの流れは、メドレー形式でありながらも11人それぞれの個性やモーニング娘。及びハロプロへの愛がビジバシ感じられた。  これまでも幾度となく記してきたが、やはり彼女たちは歴史を継承しながら新たな道も切り開いていくという、実に稀有な運命に身を投じた者たちであり、その燃料や起爆剤はどうしようもなく溢れてしまうモーニング娘。ないしハロプロへの愛情である事を再認識させられた。そして、このメドレーブロックが「歴史を継承」していく者たちの証明なのだとしたら、この直後のブロックから11人は「新たな道も切り開いていく」その意思のもとに育んできた楽曲ばかりをお届け。「わがまま 気のまま 愛のジョーク」「What is LOVE?」など近年のモーニング娘。の中心とも言えるナンバーで会場を際限なく扇情していく。 <「今ドキドキしながらやってる武道館をドームにしたいな!」>  そして本編最後のMCで彼女たちは、今回のツアーで発見したことや未来へのMY VISIONを語り出す。羽賀朱音「モーニング娘。と言ったら羽賀朱音になること。その為に13期の2人にも負けないように自信をもっともっとつけていきたい」 牧野真莉愛「私のMY VISIONはずっとずっと先に続いていくので、永遠にあるので! これからも応援よろしくお願いします!」 野中美希「私も今日から先輩ということで、格好良い先輩になれるように頑張りたい!」 尾形春水「私は12期メンバーの中で最年長で、来年は高校を卒業する年になって、今日も後輩をこうして迎えられたので、もっともっと成長していけるように努力を続けたい」 小田さくら「私たちはリハーサルをして、練習もたくさんして、この場に立ってるんですけど、それは全部観てもらう人の為にやってたんですけど、観てくれる人がいるというのはあたりまえのことじゃないんだなって凄く感じました。このツアー、本当に楽しかったです!」  工藤遥「12月にこんなに汗をかく機会は滅多にないですよ。このまま外に出たらもちろん風邪をひきます(笑)。なので、皆さん、ちゃんと汗を拭いて今日の余韻に浸りながらお家に帰って頂ければと思います。私もすごくすごく幸せな時間でした!」 佐藤優樹「まーちゃんはつんく♂さんがくれた一言を胸にずーっとモーニング娘。を続けているんですけど、その一言がですね、「モーニング娘。は武道館が普通であってほしい」っていう。そう言って下さったんですね。そのときにまーちゃんは「あ、じゃあ、今やってるツアーの場所が武道館みたいなところで、今ドキドキしながらやってる武道館をドームにしたいな!」ってすごい思ったんですよ。それを今胸にモーニング娘。、優樹はすごい上を目指していきたいと思います!」 石田亜佑美「やっぱこうやってたくさんの方に囲まれて出来るライブって「本当にしあわせだな!」って感じました。うーん! うーん! 朝、ニュース観てたら同じ宮城県出身のフィギュアスケートの羽生結弦選手がグランプリファイナルで4連覇してたんですよ。でもまだ完成形じゃない、次は完成形を見せたい。みたいなことを仰っていたので……じゃあ、私たちモーニング娘。も! 13期メンバーを含めてモーニング娘。'17に来年からなったら、もう1月2日のコンサートから完成形みせてやりたい! そんな気持ちになりました。だから皆さんこれからも熱い熱い応援お願いします!」  飯窪春菜「11人で日本武道館に立てたのが本当に嬉しいんですけれども、またここに立てるように、そして来年はもっと大きい場所に立てるように、明日からまたみんなで頑張りたいと思います!」 生田衣梨奈「もっともっとたくさんの人にモーニング娘。'17を観てほしいので、この「モーニング娘。'16のツアー良かったよ」ってひとりには皆さん口コミでよろしくお願いします。また皆さんに楽しい時間を味わってもらえるように頑張っていきます。がんばってー(生田ぁー!)」 譜久村聖「モーニング娘。になってすごくいろんなことが一気に叶って、夢が叶うとその先を見れなくなるじゃないですか。でもそんなことなくて、モーニング娘。になれたからいろんなことが出来て、そこからまた「大きいステージに立ちたいな」とか「みんなで夢叶えたいな」っていう風に思えることが出来て、それってモーニング娘。が大好きだからなんだなって思ったんですよ。だから私がモーニング娘。で叶えたい夢ってすごいいっぱいあって、こうして今日11人の歌を届けていてすごく「11人の声って良いなぁ」って思ったんですよ。だからこれからもその「モーニング娘。って良いなぁ」っていう気持ちをどんどんどんどん更新させていけるように私たちも頑張りますので、これからも応援お願いします。今日、13期メンバーの加入が決定しましたが、モーニング娘。の進化は止まらないので! 皆さん、これからも付いてきて下さいねぇー!」 <「Be Alive」今一度、新しい未来への扉を開く今日ここで響き渡る>  そして「それでは最後の曲……」と譜久村は涙ぐみながらアノ曲のイントロを誘う。そのピアノの音色は、今から約2年前、モーニング娘。が今のところ最後に横浜アリーナに立った道重さゆみ卒業公演(http://bit.ly/1tvFXVs)その本編最後にも流れた「Be Alive」だった。君と共に 友と共に 夢と共に 汗と共に いつか笑いの絶えない 自由な時代が 嫌なことなど 吹き飛ばすさ 君を悲しくさせない時代―――そう歌いながら新しい未来への扉を開いた象徴的楽曲が今一度、新しい未来への扉を開く今日ここで響き渡る。あの日から立て続けの卒業があったり、その度に不安視する声が上がったり、それこそMY VISIONが見えなくなったことも何度もあったであろう2年間の中で、そのすべてを笑顔や夢に変えて走り続けてきた。そんな11人が11人最後のワンマンライブで歌うのにこれ以上相応しい1曲もなかった。13期メンバーを迎え入れた記念すべき日に「これがモーニング娘。'16だ!」という証明を最高の形で示してくれた彼女たちへ、とめどない拍手と歓声が贈られる。 <「いつの時代のモーニング娘。も好きだからこそ、今のモーニング娘。を」>  その後のアンコール、譜久村聖によるMY VISIONが語られる。「モーニング娘。は常に変わっていかなきゃいけないグループだなって思うので、卒業だったりとか、加入だったりとか、もう忙しいこといっぱいあるけど、それでも! つまづいても、足踏みしても、それでもやっぱりもがいて上がっていかなきゃいけないし、何年経っても芯は変わらないのが、メンバーが変わっても芯は変わらないのがモーニング娘。なんじゃないかなって思います。私はモーニング娘。が大好きです! モーニング娘。が好きだからこそ自分がやれることっていっぱいあると思うんですよ。いつの時代のモーニング娘。も好きだからこそ、今のモーニング娘。を一番観てほしいと思っています。なので、ファンの皆さんには、モーニング娘。がいつどんな状況でも一番に楽しんでもらいたいなって思っています。今回のツアーを通して思ったんですけど、ファンの皆さんが見ているVISIONと私たちが向かってるVISIONってきっと一緒だなって思うので、私が、私たちがそのVISIONを叶えていけるように頑張っていきたいなと思いますし、ファンの皆さんにもついてきてほしいなって思います!」  そして「11人でパフォーマンスするラストナンバー、お届けします!」と、今のモーニング娘。の代表曲であり、今の11人、そしてモーニング娘。'17にとっては継承していくべき1曲になるであろう「One・Two・Three(updated)」を披露。気付けばもう4年前の楽曲。しかし今はもうここにいないメンバー含め、大事に大事に新たなアンセムとして育ててきた1曲がこの日確かな衝撃を与えるナンバーとして息づいている、眼前に広がる10000人を大熱狂させる楽曲として存在している事実。ひとつの時代の完成を感じると共に、まだ見ぬ未来へのドキドキをお土産としてプレゼントされた夜だった。この日もまたここから始まる物語への大きな伏線になっていくことだろう。何故なら、モーニング娘。は何度でも進化するのだから。  譜久村聖、生田衣梨奈 飯窪春菜、石田亜佑美、佐藤優樹、工藤遥 小田さくら 尾形春水、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音 加賀楓、横山玲奈。  モーニング娘。'17メンバー、全13名。 物語は、次のステージへ。 see you next stage――― 取材&テキスト:平賀哲雄撮影:Jumpei Yamada ◎ライブ【モーニング娘。'16 コンサートツアー秋 ~MY VISION~】12月12日(月)日本武道館 セットリスト:01.The Vision02.Tokyoという片隅03.ブレインストーミング(updated)04.強気で行こうぜ!05.秋麗06.色っぽい じれったい07.ムキダシで向き合って08.青春コレクション(尾形・野中・牧野・羽賀)09.地球が泣いている10.君の代わりは居やしない11.そうじゃない12.泡沫サタデーナイト!13.ゼロから始まる青春(尾形・野中・牧野・羽賀)~ナビが壊れた王子様(松浦亜弥カバー)(工藤)~Do it! Now(佐藤)~ウソつきあんた(小田)~トキメクトキメケ(譜久村・生田・飯窪・石田)~恋ING(飯窪)~ガラスのパンプス(後藤真希カバー)(石田)~せんこう花火(生田)~ブギートレイン'03(藤本美貴カバー)(譜久村)~Take off is now!(佐藤・工藤・小田)~ダンスセクション~Only you~ドッカ~ン カプリッチオ14.君さえ居れば何も要らない15.Password is 016.わがまま 気のまま 愛のジョーク17.What is LOVE?18.Be AliveEn1.セクシーキャットの演説En2.One・Two・Three(updated)
billboardnews 2016/12/14 00:00
間もなく最終回! あなたもきっと陥る「逃げ恥ロス」への備え方
間もなく最終回! あなたもきっと陥る「逃げ恥ロス」への備え方
間もなく最終回! あなたもきっと陥る「逃げ恥ロス」への備え方 (c)朝日新聞社  クリぼっちに冬季ウツ。今年は冬の憂鬱に、「逃げ恥ロス」が加わる。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が、12月20日で終わってしまう。 「逃げ恥終わったらぽっかり心に穴が開きそう」 「無事に年を越せるのか。新年以降、何を支えに暮らせばいいのか」  まだドラマも中盤の11月上旬、すでにSNSには終了後の喪失感=ロスを怖がるファンの悲痛な叫びがあふれていた。「逃げ恥」は、TBS系で火曜夜10時から放送中のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の略称だ。  ドラマでのロス現象といえば、「あまちゃん」のあまロス、「あさが来た」の五代(ディーン・フジオカ)ロスが思い出される。いずれもNHK朝の連続テレビ小説で、月曜から土曜まで週6回の放送が半年間続いた末に起きた。暮らしのリズムに入り込むぶん、「ロス」に陥る危険性は高い。一方の「逃げ恥」は週1放送の3カ月クール。朝ドラを上回る強い中毒性があったということか。 ●ムズキュンと合理主義  まずは、ドラマの内容をおさらいしておこう。原作は海野つなみの漫画で、脚本は「図書館戦争」シリーズや「重版出来!」の野木亜紀子。実は、これだけでドラマ通にはたまらない組み合わせだ。  主人公は新垣結衣(28)演じる森山みくりと、星野源(35)演じる津崎平匡(ひらまさ)。大学院卒で内定ゼロ、さらに派遣切りにあったみくりが、家事代行の仕事で「35歳恋愛経験なし」という平匡と出会い、仕事として「契約結婚」をするというラブコメディーだ。夫は雇用主で妻は従業員。恋愛感情のないただの雇用関係のはずが、一緒に暮らすうちに……と物語が展開していく。  都内に住む30代の女性は、小学3年生の娘(9)と親子で「逃げ恥」を楽しんでいる。 「夜10時開始は娘には遅いので、録画して週末にゆっくり見ます。先に見てしまうと怒られるんですが、2回、3回と見ても楽しめる。星野源さんが好きで見始めましたが、ハマったのは、みくりさんの家事に対する考え方。家事を労働としてとらえ、その対価をもらうという考えに、全力で拍手を送りたいです」  一方の娘は、 「ひらまさは優しいから好き。みくりちゃんの妄想がおもしろくて、引きずりこまれちゃう。(ドラマは)一生続いてほしい」  といい、恋ダンスを練習中だ。  最大の見どころは、みくりと平匡のじれったくて初々しい恋模様。「ムズキュン」なる新語も生まれたが、国内外のドラマに詳しい作家の柚木麻子さんはこう話す。 「私は、ムズキュンというよりも、二人が理詰めでコミュニケーションをとるところに魅力を感じました。二人とも合理主義で理屈っぽくて、それがいい。日本の恋愛ドラマって、恋愛センスのある人しか参加しちゃいけない空気がありますが、見事にそれをひっくり返した」  みくりの脳内妄想が、さまざまな作品や番組のパロディーや画面分割などで展開されるつくりも秀逸だ。 「米ドラマ『アリー my Love』以降、その手法が日本でも導入されましたが、ことごとく失敗してきた。成功したのは初めてと言えるんじゃないでしょうか」(柚木さん) ●羽生も踊る恋ダンス  ネットを使った情報発信の巧みさ、さまざまな楽しみ方が用意されている点も新しかった。  星野源が歌う主題歌「恋」にあわせて登場人物たちが踊るエンディング「恋ダンス」の公式動画は、YouTubeでの再生回数が6500万回を超えた。振りの解説や「踊ってみた」動画も多数投稿され、フィギュアスケートの羽生結弦や吉本新喜劇のメンバーなどが踊る動画も話題になった。  古田新太演じる平匡の同僚・沼田やみくりが作る料理のレシピが実際のクックパッド上に掲載され、作って楽しむこともできる。 「つまらない番組はSNS使いも下手。『逃げ恥』はこれ以上やるとうざいという線を越えない、絶妙なバランスを心得ている」(柚木さん)  だからこそ柚木さんは、「ロス」についてもさほど心配していないという。 「恋ダンスに平匡の同僚・日野(藤井隆)が入っていないのはなぜか、という声がSNSであがったら、すぐに日野が踊るバージョンが追加された。制作陣がちゃんと視聴者の声に耳を傾けている。だから、続編を希望する声をあげれば、きっとその声に応えてくれるはずです」  スピンオフへの期待も高まる。確かに、沼田、日野に加え石田ゆり子演じるみくりの伯母・百合ちゃんと大谷亮平演じるみくりのもう一人の雇用主・風見、そしてみくりの友人でシングルマザーのやっさんなど、登場人物はいずれも魅力的で、誰を主人公にしても成立しそうだ。  制作陣の思いをTBSの那須田淳プロデューサーが代弁する。 「登場人物たちは、みんなちょっとずつ変なところ、ダメなところがある。いろんな生き方があって、でもどの選択も正しいんだよ、と言ってあげるようなドラマにしたかった」 ●ハッピーエンドの形  誰も否定されず、どんな生き方も肯定される。そんな心地よさがあるからこそ、視聴率は一度も落ちることなく、1話では10.2%だったのが9話では16.9%(いずれも関東地区)にまで上がってきた。 「逃げ恥」では、家事代行サービス「ベアーズ」の高橋ゆき副社長が家事指導・掃除の監修を務めるが、同社はドラマの影響で、利用希望とみくり世代のスタッフ応募の両方が増えたと発表している。  はたして最終回はどうなるのか。二人の恋の行方は?  前出の小3女子(9)は、 「みくりちゃんがお手伝いさんじゃなく、ちゃんと夫婦になってハッピーエンドがいい」  と無邪気に語ったが、家事は対価を払うべき労働であるという問題提起がされた以上、無償で妻が夫に家事を提供する従来型の結婚がこのドラマではハッピーエンドにならないことを、大人は知ってしまっている。  ほら、こんなにハマらせて、どう責任を取ってくれるんですか、那須田プロデューサー! 「さみしいのは現場も同じで、ハードスケジュールだったけどもう終わっちゃうのか、もうちょっと作りたいな、っていう気持ちが僕らにもあります。登場人物たちはみなさんの心の中に残ってくれるはずなので、こんなときあのキャラならどうするかな、と思い出してください。みくりの妄想力をお手本に」  柚木さんは、こんな楽しみ方もあると話す。 「すぐに『逃げ恥』の二番煎じドラマが出てくるはず。でもハードルは相当高いし、視聴者の目もかなり肥えた。『逃げ恥』みたいに作ればいいんでしょ、とお金も頭も使わずに作ったら、絶対にバレます。どこがチャレンジしてくるのかな、と意地悪な気持ちで楽しみにしています」 (編集部・高橋有紀) ※AERA 2016年12月19日号
ドラマ
AERA 2016/12/13 11:30
力士から漫画家、プロ野球からパティシエに、スポーツ選手の意外なその後の人生
力士から漫画家、プロ野球からパティシエに、スポーツ選手の意外なその後の人生
カフェオーナー パティシエ小林敦司(こばやしあつし)さん(43)/1972年、東京都生まれ。90年広島入り。2001年にロッテに移籍するも1年で引退。11年、代官山に「2-3Cafe Dining」をオープン。自家製ベイクドチーズケーキや生パスタ、トマト鍋などで人気を集める 相撲漫画家 琴剣淳弥(ことつるぎじゅんや)さん(56)/1960年、福岡県生まれ。本名は宮田登(みやた・のぼる)。86年秋場所で引退すると、以後自らの相撲経験を元にした相撲漫画を多く執筆。現在はスポーツ報知などで連載6本を持つ シルク・ドゥ・ソレイユパフォーマー シンクロナイズド・スイミングミックスデュエット アメリカ代表北尾佳奈子(きたおかなこ)さん(34)/1982年、京都府生まれ。9歳でシンクロをはじめ、20歳でシンクロ日本代表。2005年に競技から引退後、アメリカのクラブチームを経て、06年に「シルク・ドゥ・ソレイユ」入りしパフォーマーに  2020年東京五輪に向けて現役トップアスリートの動向に注目が集まるが、アスリートの命は決して長くない。残りの人生のほうが長いことを考えれば、勝負はまだ先にある。  プロであれ、オリンピアンであれ、引退したスポーツ選手のうち、指導者や解説者になれるのは、ほんの一握りのスターだけ。日の当たる第一線を退いた多くの元選手は、右も左も分からない現実社会に投げ出され、社会人としての一歩を踏み出した途端に苦労するというのはよく聞く話である。  しかし、現役時代と異なる道に進み成功している人も少なくない。プロ野球投手からパティシエに、力士から漫画家にと驚きの転身を遂げた人もいれば、シンクロナイズド・スイミングから「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマーへと、それまでのキャリアを生かしてステップアップした人まで道はさまざま。すべての人に共通するのは好きなことへの思いや強い意志だが、信じた道を突き進めば努力次第で道は開けるのか。  おしゃれなカフェや雑貨店が並ぶ東京・代官山。その路地の一角でカフェ「2-3Cafe Dinig」を営むのは、元プロ野球選手で広島の投手だった小林敦司さん(43)である。 「引退後に飲食店をやる人は多いですが、カフェでケーキを作っているのはさすがに僕だけじゃないですか(笑)」 ●プロ11年でわずか1勝  小林さんはオーナーでありながら、パティシエとしてケーキも作れば料理人としてパスタも作るなど、店に関わることはすべてこなすという。 「元選手で経営だけをやる人も多いですが、スタッフなどとのトラブルも多いと思うんです。すべて自分でできればそういう問題もないだろうし、人に物も言えていいかなと思ったんです」  小林さんは1990年にドラフト5位で広島に入団。2001年にはロッテに移籍するも、プロ11年でわずか1勝に終わった。それでも99年、東京ドームで巨人時代の清原和博を相手に頭部死球を与え乱闘寸前になったときの投手といえば、思い出す人は多いかもしれない。  引退後は、父親の経営する和食店を継ぐつもりだった。だが、実際に手伝いを始めると親子の甘えが出てしまったのを嫌って、カフェの道に。 「(経営者の)息子が言いたいことを言ってしまえば、ほかのスタッフに迷惑がかかるじゃないですか。そんなとき母も別のお店をやっていたのですが、夜の仕事がしんどくてカフェをやりたいと言い出したので、それならそっちを手伝おうと思ったんです。当時は料理も何もできないですよ。でも、カフェを出すならケーキぐらい作れたほうがいいかなと思い、ケーキ店でアルバイトを始めたんです」 ●同僚はみな20代前半  履歴書を書いたのは、その時が初めて。職歴には広島東洋カープの文字。しかし、ケーキ作りに元プロ野球選手という肩書は一切通じなかった。  32歳の元プロ野球選手が選んだアルバイト先はタルトで有名な「キルフェボン」。いま思えば、カフェのオーナーになるうえで一番つらかったのは、その時期だったと振り返る。 「同僚はみな20代前半の女子ばかり。それがうれしいと言う人もいるかもしれませんが、クリームの混ぜ方ひとつ知らなかったわけですから、そんな彼女たちに毎日ネチネチ怒られるわけですよ。野球界では、入団年ではなく年齢の上下で先輩か後輩かが決まりますし、さすがに抵抗がありました(笑)」  しかし、そこで投げ出してしまえば、どこに行っても同じ。自分の店を持ちたいと考え始めたこともあって、早く仕事を覚えることに集中したという。 「キルフェボン」で5年弱、その後もイタリアンレストランやカフェなどでアルバイトを掛け持ちしながら約10年の下積みを経て、11年4月にチーズケーキが売りの店を開いた。  オープンから約5年半。場所がら元プロ野球選手の店ということで訪れる人はほとんどいないという。ただ、だからこそやりがいもある。 「自分は、プロでたいした結果も残してないし、この場所で元プロ野球選手だったと言ってもね(笑)。野球の打者なら3割打てば一流ですが、ケーキで残りの7割がダメじゃお客さんは離れてしまう。来てくれたすべてのお客さんにおいしいと言ってもらえるように完璧を目指したいんです」  元プロ野球選手のなかには、一般社会に出てもプライドが邪魔してか苦労している人も少なくない。小林さんは何がよかったのか。 「人生にはどこかで踏ん切りをつけないといけないときもある。大事なのは、そこでいかに踏ん切れるか。僕は引退してから一度も野球をやっていません」 ●「ちゃんこしかない」  元力士の引退後の職業として有名なのが「ちゃんこ鍋店」の経営である。そんななか、日本相撲協会公認の漫画家としてスポーツ紙や相撲雑誌に多くの連載を持っているのが琴剣淳弥さん(56)である。  福岡県出身の琴剣さんは少年時代から手塚治虫の「鉄腕アトム」などにのめり込む根っからの漫画好きだったが、体が大きかったこともあり15歳で佐渡ケ嶽部屋に入門。76年春場所で初土俵を踏むと約10年現役として相撲を取ってきた。しかし、力士としては幕内昇格を果たせず「三段目」が限界だった。 「力士になったものの、私自身どこかで強くなれないという思いがあったんでしょう。もちろん、それ以上にいつかは漫画家になりたいという思いがありました。部屋に入ったばかりの頃は、兄弟子に見つかり、絵を描く道具を捨てられたこともありました(笑)」  漫画家への道のキッカケは現役時代に先輩力士が後援会で配るグッズの似顔絵を描いたことだった。それが評判となりスポーツ紙からの依頼で、現役にもかかわらず場所中にイラストを用いたコラムを連載するなど角界でも名物力士として知られるようになった。  86年に引退。その頃には漫画家デビューともいえる雑誌の連載も決まっていたが、それだけでは食っていけない。 「引退から数年後には“若貴ブーム”もあって、元力士の漫画家としてテレビでも取り上げられるなど、仕事の依頼が殺到し、生活が一変した時期もありました。ただ、ブームはすぐに終わってしまいました……」  多くの元力士と同じように「ちゃんこしかない」と思ったことも1度や2度ではなく、実際に自身で店を構えたこともあった。ただ、そんなときに背中を押してくれたのが3歳年下の妻だった。 「一度は店をたたみ、当時病気がちだった妻と育ち盛りの2人の子どもを食べさせるために肉体労働に就いたこともありました。でも、あるとき妻が言ったんです。『あなたが本当にやりたいことは何なの?』って」 ●50歳を過ぎてから 「当たって砕けろ」で描いた相撲の絵を国技館に置かせてもらえないかとお願いした。すると、少数だが置いてくれることに。 「それが縁で11年に東日本大震災があってからは相撲協会と一緒に各地の巡業を回り、ボランティアで被災地の子どもたちの似顔絵を描いてきました。そうしたことが評価されて2年ほど前からは自分がイラストを描いた商品を相撲会場に置かせてもらえるようになったんです。まさか自分の商品が国技館で売れるとは思ってなかったですし、相撲協会が元力士だった私を“身内”として認めてくれたのが何よりうれしかったですね」  人気力士が描かれたマグネットは、一場所で約6千個も売れるとか。また、ジャポニカ学習帳の表紙のイラストを手掛けると、そちらも人気を博した。現在はスポーツ紙や雑誌の連載に加え、相撲中継のゲスト解説やラジオ出演と仕事は多岐にわたる。 「苦労もありましたが、50歳を過ぎてからこんな形で夢がかなうとは。でも、やっぱり一つの夢を追いかけるとかなうんですよね。これからもいまの仕事を極めたい。私ができるのは漫画で相撲を伝えること。それしかできないし、それを伝えていくのが私の使命です」 ●辞めるという“賭け”  シンクロナイズド・スイミング・チームの日本代表として04年アテネ五輪で銀メダルを獲得した北尾佳奈子さん(34)は現在、世界的なエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマーとして活躍している。  カナダのモントリオールに本拠を置く「シルク・ドゥ・ソレイユ」にはいくつものショーがあるが、北尾さんが出演するのは米ラスベガスを拠点にする水をテーマにしたショー「O(オー)」。  人工湖での噴水ショーで有名なラスベガスの一等地にあるベラージオホテルで行われる「O」は、巨大プールを舞台にしたアクロバットあり、シンクロナイズド・スイミングあり、ダイビングありのまるで水中のオペラのようなショーで「シルク・ドゥ・ソレイユ」の中でもとくに高い人気を誇っていると評判だ。  北尾さんは、05年の世界選手権を最後に23歳の若さで現役を引退。同世代のチームメートの多くは次の北京五輪を目指したが、そんな気分にはなれなかったという。 「辞めたときは大好きなシンクロがもう一生できないという不安でいっぱいでした。でも、シンクロが好きだったからこそ、辞めるという“賭け”に出たんです!」  なんだか矛盾する話だが、どういうことか。 「五輪に出て、メダルを取るという夢を果たせたのですが、どうもスッキリしなくて。自分が見せたいシンクロができなかったというか、これまでやってきたシンクロでは自分が思い描いていたものが全うできないと思ってしまったんですよね」 ●週に2日も休み  そんな折にタイミングよく日本であったオーディションをキッカケに06年に「シルク・ドゥ・ソレイユ」に入団。もちろん、入団したからといって誰もがショーに出られるわけではない。 「“O”のショーに出られるスイマーは16人のみで、その時点ではあくまで候補者リストに名前が入っただけ。空きが出なければショーには出られませんし、まずはトレーニングキャンプに招集されて、そこで実力や性格を判断されて、仮契約から本契約という手順を踏むことになります」  同じ芸術性を競うフィギュアスケートのようにプロへの道がないだけに、「O」のパフォーマーはシンクロを生かせる唯一の職業に近い。そこでパフォーマーとして10年のキャリアを積んできた。現地でアメリカ人男性と結婚し、出産も経験。「O」のショーは、1日2回、年間およそ470もの公演が予定され、基本的にはメンバー全員が参加するというハードさだ。だが、選手時代、1日10時間近く水の中で厳しい練習を乗り越えてきた北尾さんにとって苦痛に感じることはほとんどないという。 「選手のときは連休が年に1、2回あるかないかでした。それに比べたらいまは週に2日も休みがあるので(笑)。ショーはだいたい19時と21時半の2公演で、昼間は自由になる時間も多くあります。現役時代は、なかなかシンクロを楽しみながらやることはできなかったのですが、ここではたとえ間違ってもみんな笑顔。いまは自分の好きなことが仕事にできていることを本当に幸せに感じています」  そして、北尾さんは“賭け”に勝った。五輪に出たことで感じたモヤモヤした気分を晴らすべく、男女混合のミックスデュエットのアメリカ代表として現役に復帰したのだ。 「現役を辞めてこっちに来たときから、シンクロに限らずいろいろ勉強してきて、いままたシンクロに戻ってこられたんです。ミックスデュエットは新しい種目ですし、よりショー的な要素が多くなっているので、自分のやりたかったシンクロに近い。もちろん、いまそれに挑戦できるのは、日本のシンクロがあったからこそなんですけどね」  もちろん、「シルク・ドゥ・ソレイユ」は続けたまま。今年9月には全アメリカ大陸大会に出場し、来年ブダペストで行われる世界選手権への出場もすでに内定している。 「(五輪で銀メダルを獲得も)不完全燃焼だったからこそ」と北尾さんはいまも挑戦を続けている。  三者三様。それでも、それぞれ楽しそうに話す姿から充実ぶりは伝わってきた。3人はいまも“現役”として人生を生きているのである。(ジャーナリスト・栗原正夫) ※AERA 2016年12月12日号
働き方
AERA 2016/12/12 11:30
井上苑子、新曲「エール」MVがファン待望のフルバージョン公開
井上苑子、新曲「エール」MVがファン待望のフルバージョン公開
井上苑子、新曲「エール」MVがファン待望のフルバージョン公開  18歳シンガーソングライター井上苑子の新曲「エール」のMVが11月30日にショートヴァージョン公開後から、「ぺこちゃん、超カワイイ!!」「双子のこどもライオンは誰?!」等、SNS上で女子中高生を中心に話題となっているが、そのMVのフルバーションが公開された(https://youtu.be/CmAJR7UjqDI)。  離れ離れになったぺこライオンとこどもライオンが、井上苑子と不思議な森の仲間のおかげで、巡り会うことができたという心温まるストーリーの全編が観る事ができる。また、井上苑子が踊っている途中のテーブルダンスも話題になっており、動画投稿SNSアプリなどにユーザーのダンスも多数投稿されている。見どころ満載なMVになっている。 ◎リリース情報 井上苑子『エール』 2016/12/7(水)Release <初回限定盤(CD+DVD)>1,800円(Tax in)/UPCH-89309 <通常盤(CD)>1,200円(Tax in)/ UPCH-80453
billboardnews 2016/12/12 00:00
爆食で日本危機、世界の食糧奪い合いに
爆食で日本危機、世界の食糧奪い合いに
1940年ごろの東京では、食糧増産のための「空き地利用」がさかんに行われた。写真は麹町区役所(当時)近くにもうけられた畑。区役所に農具やバケツが備え付けられ、青年団や女子青年団が時間を見つけては耕した(c)朝日新聞社 日本の穀物自給率は先進国で一番低い(AEARA 2016年12月5日号より)  健康志向の高まり、高齢化、働く女性の増加など、食卓を取り巻く環境は大きく変わった。食品メーカーや卸業者など食に関わる会社は、こうした動きをビジネスチャンスと捉える。これからのニッポンの食卓とは? AERA 12月5日号では「進化する食品」を大特集。日本の食卓に迫る危機についても取材した。 *  *  *  近い将来、日本の食糧事情は危機的状況に陥るかもしれないという。原因をつくったのは、政府だけでなく、安価な食糧を求め続けた国民にもある。  20××年、食糧輸入がゼロになって数カ月経ったある日。小学生の長男が学校からチラシを持ち帰ってきた。 「食べ物が少ないから、これを参考にしなさいって、先生が」  そこには献立が記されていた。 【朝食】ご飯茶碗1杯、ふかしイモ2個、ぬかづけ1皿。 【昼食】焼きイモ2本、ふかしイモ1個、リンゴ1/4個。 【夕食】ご飯茶碗1杯、焼きイモ1本、焼き魚1切れ。 「なんかイモばっかりで嫌だね」  ……そんな話が冗談ではなく、現実に起きるかもしれない。  総務省統計局の「世界の統計2016」によると15年の世界人口は約73億人。25年には80億人を突破するとみられている。人口増加は労働力が増えて経済を押し上げる要因になるが、一方で地球上の資源と環境に大きな負荷をかける。 ●穀物生産の半分は飼料  世界の穀物市場をみると13年から生産量が拡大し、3年連続で豊作。米国の農務省によると、16?17年の世界穀物生産量は25億4249万トンで史上最高を更新する見通し。4年連続の豊作となれば供給は十分に足りていると見られるが、資源・食糧問題研究所所長の柴田明夫氏は、消費量の推移に注目する。 「世界の穀物消費量は今世紀に入ってからほぼ前年を下回ることなく過去最高を記録し続けています。供給は増減産を繰り返しながら伸びてきているのに比べ、需要が均等に伸びている」  農業は自然の影響を受ける。地球温暖化などにより、以前より生産リスクが高まり、供給の推移にバラツキが出てきた。これに対して需要が均等に伸びることで、何が起きているのか。 「穀物価格の変動リスクが非常に大きくなりました。最近でも3年連続の豊作を受け、穀物価格は急落。12~13年の値段からみると半値以下になりました。昔は低いレベルで循環的に動いていましたが、ダイナミックに上がったり下がったり。ますます不安定性を増して、今後需給にショックがあれば瞬間的にオーバーシュートする可能性も考えられます」(柴田氏)  とはいえ楽観論もある。一般的には穀物1トンで年間6~7人を養うことができるとされ、穀物生産量は25億トンを超えたのだから150億人を養うことができる、と。しかし、この計算は直接穀物を食べた場合。環境問題に詳しいNPO法人ネットワーク「地球村」の高木善之代表はこう指摘する。 「世界の穀物生産量の半分は人間が食べるのではなく、豊かな人たちの食肉用の畜産の飼料に使われているのです」 ●肉食文化が人類を圧迫  中国やインドなど、新興国の経済が発展し、所得が増加したため食生活が豊かになり、肉食(畜産物消費)が増えているという状況が一般的な認識だ。飼料穀物の拡大の結果、全体の需要が均等に伸びているのだ。 「畜産物1キロの生産に、その何倍もの飼料穀物が使われます。牛肉なら11キロ。豚肉なら7キロ。鶏肉なら4キロの穀物が必要です。別の言い方をすると穀物の半分は余っているが、それを豊かな人たちが食肉にして食べてしまっているのです。世界に飽食の人は約20億いて、その一方、飢餓で苦しむ人が約10億いるとされています。毎日数万人の人が餓死しています。絶対量というより分配に問題があると感じます」(高木氏)  飽食と飢餓は表裏一体の関係。人類は根本的な問題を解決していないことも覚えておきたい。  では、今後も畜産物消費が増えるとどうなるのか。世界で食糧の取り合いになると語るのは東京大学教授の鈴木宣弘氏。 「異常気象が恒常化した近年では、不測の事態がいつ起こっても不思議ではありません。現在の食糧市場は需給にショックがあると価格が暴騰しやすい状態。不測の事態になれば高値期待の投機マネーがどんどん入る。すると不安心理で穀物の生産国が自国の食糧を守ろうとして輸出規制を始める。そうなるとお金をいくら出したって、どこからも買えなくなりますよ」  そもそも米国やEUは、食糧に対して日本と違う認識を持っているという。 「米国は“食糧は武器”という認識。軍事、エネルギーと並ぶ国家存立の3本柱であり、戦争ばかり続けたブッシュ前大統領は“食糧自給はナショナルセキュリティーの問題”といって農業関係者にお礼を言っていました。EUも共同体であるにもかかわらず、各国は穀物の食糧自給率を高いレベルで保っている。いざというときに備えておかないと危ないからです」(鈴木氏) ●食糧は武器という戦略  食糧は国を守る重要な安全保障の要。その認識から先進国では国を挙げて農業を守っていると鈴木氏は続ける。 「例えば米国のコメ生産コストはタイやベトナムの2倍近くかかります。それでも1俵4千円ぐらいの安価で輸出しています。日本では1俵1万2千円ぐらいが農家に必要な額とされていますが、米国では農家に対して差額を1兆円も使って補填しています。それに比べたら、日本の農家に輸出補助金はゼロ。日本の農業が過保護だというのは間違いです」  こうした状況の中、日本の食糧事情を眺めてみると不安になる。農林水産省の資料によると15年度の食料自給率(カロリーベース)は39%。基礎食料である穀物の自給率は28%(11年試算)と先進国の中でも際立って低い。輸入額に比べて輸出額が少なく、世界1位の農産物の純輸入国となり、安全保障の要を海外に依存している状態だ。柴田氏は日本の食糧生産を主要国と比較してみると改めて驚かされると話す。 「日本の穀物生産量は1千万トン程度。対してイギリスは、人口は日本の半分、国土面積も3分の2ですが日本の倍以上の穀物を生産しています。日本が食糧生産小国で済んでいるのは、年間3千万トンの穀物を輸入しているからです。つまり穀物は不足しているのです。にもかかわらず、この40年間、国産は過剰といわれてきた。いわば過剰と不足が併存しているのが日本の農業の問題であり特徴です。これが消費者に“食糧は安心”という錯覚を抱かせてしまっているのです」 ●高齢者に頼る国内農業  これまではいくらでも安く良質なものが海外から買えた。しかし、中国やインドなど新興国の需要が拡大し「そんな環境は終わった」と柴田氏は指摘する。  改めて国内農業が見直されつつあるが、農業の衰退は止まらず、もはや消費者の期待に応える生産力はないと柴田氏は嘆く。 「農業就業人口は1990年の482万人から10年には260万人に減少。平均年齢は当時で66歳。やめたがっている農家は多いのです」  これで日本が将来TPPに加盟すれば、農業の衰退は加速すると関係者は危惧する。 「食の安全性も脅かされます。BSEや口蹄疫など、食の移動に伴って感染症の拡大も懸念されます」(柴田氏)  もし、輸入ゼロになったら。鈴木氏はこう予測する。 「野菜や果物は作れるので、なんとかしのぐことはできるはず。ただ基礎食糧の穀物が手に入らない。数年間輸入ゼロなら降伏ですよ。農水省の『食料・農業・農村基本計画』には、輸入ゼロになったときの食事メニューが載っているけど、イモばっかり。校庭でイモを作れと言わんばかりで、まるで戦時中の話」  ちなみに農水省が想定する“国内生産のみで食料を供給するときの1日のメニュー例”(平成21年版ジュニア農林水産白書から)が冒頭の献立だ。  戦時中は甲子園球場がイモ畑になったという逸話がある。現在でも需給ショックの種はいくらでもあり、10年以内に危機的状況に陥っても不思議ではない。  対策のひとつは、地産地消、旬産旬消の意識を高めることだと関係者は口をそろえる。地域ごとに循環型のコミュニティーが活性化することで、国内農業を守ることにも繋がるのだ。(ライター・内山賢一) ※AERA 2016年12月5日号
AERA 2016/12/01 11:30
秋篠宮家の追突事故で見えた“シビアな皇室内格差”
秋篠宮家の追突事故で見えた“シビアな皇室内格差”
今年10歳を迎えられた悠仁さま(宮内庁提供) (c)朝日新聞社  秋篠宮家の紀子さまと長男、悠仁(ひさひと)さまが乗ったワゴン車が11月20日、高速道路で追突事故を起こした。この日、紀子さまと悠仁さまは、お友達とその母親と朝早くから登山を楽しもうと山に向かっていた。  事故が起きたのは、相模原市緑区の中央自動車道下り車線を走行中の午前7時40分ごろ。前の車が渋滞で急ブレーキをかけたため、運転手も慌ててブレーキを踏んだが間に合わず、前の車に追突したのだ。 「幸いにも、ワゴン車は前方のバンパーに亀裂が入り、追突された乗用車も後方バンパーがへこんだだけで、けが人もなく済んだようです」(警察関係者)  悠仁さまたちは最寄りのパーキングエリアで車を乗り換え、予定どおり観光と登山を楽しんだ。  皇室ジャーナリストが心配顔でこう語る。 「一件が世間に知らしめたのは、将来の天皇となる悠仁さまを支える環境の危うさと、皇室内格差です」  秋篠宮家は、皇位継承第2位の秋篠宮さまと、この先、天皇となるであろう第3位の悠仁さまがいる。  だが2人の皇位継承者を抱える秋篠宮家は、慢性的な人手不足と脆弱(ぜいじゃく)な体制に長年、悩まされている。  皇室では「ご身位が違う」という言葉がよく使われる。両陛下と皇太子一家という内廷皇族とその他の宮家では、「格付け」が異なり、その間に厳格な線引きが存在するという意味だ。  3人家族の東宮家が60人の職員を擁する一方で、ご夫妻と成人した眞子さま、佳子さま、そして悠仁さまの5人家族の秋篠宮家の職員は、他宮家や本庁との兼務を含めても20人ほどでやりくりしている。  高齢の皇族が多数を占めるなかで、「働き盛り」の成年皇族を4人かかえる秋篠宮家は、外国訪問や海外王室との交流、国内の式典や行事への出席など一家総出で、フル稼働で動いている。  そうしたなか、運転手は5人の交代制でなんとか回っている状態だ。  通常、両陛下や皇太子ご一家が車で移動する場合は、白バイが先導し警備車両の車列が後方につく。道路は通行規制され、全ての信号が青に変わるため渋滞に巻き込まれることはない。  一方、秋篠宮家や他の皇族方の場合は、後方に警察車両が1台つくだけだ。交通規制はなく、渋滞に巻き込まれることもある。  秋篠宮家の事情に詳しい人物がこう話す。 「助手席には護衛官が座りナビ役を務めますが、先導する白バイや警察車両がいません。万が一、渋滞に巻き込まれ式典に遅れようものなら、運転手と護衛官の責任になりますから、焦って車を飛ばすこともしばしばあると聞いています」  渋滞にはまってしまったときの重圧は深刻で、「生きた心地がしない」とこぼすこともあるいう。  今回事故を起こしたのは、この春に異動してきた30代の男性運転手だった。 「事務方の事情で当日急きょ交代となり、渋滞情報や道路の下調べなど十分な準備ができなかったと聞きました」(前出の人物)  こうしたご身位の差は、さまざまに存在する。  たとえば那須(栃木県)や葉山(神奈川県)、須崎(静岡県)にある天皇の静養施設の御用邸。いずれも本邸に宿泊できるのは両陛下のみだ。皇太子ご一家も滞在は隣接する付属邸と定められ、宮家が単独で使うことは許されない。2008年に秋篠宮ご一家が特別に単独で使用が許された際も、泊まったのは、供奉員(ぐぶいん)宿舎と呼ばれる当時すでに築82年の職員用の木造の宿泊施設だった。  教育費も然(しか)り。 「内廷皇族の子供は小学校に入学すると、学費は公的費用の宮廷費から支出されるが、宮家皇族の男子の場合、ポケットマネーである皇族費で賄われます」(宮内庁関係者)  悠仁さまは、陛下の孫世代で唯一、皇位継承権を持つ男性皇族。宮内庁幹部らが相談し、お茶の水女子大付属小学校への入学のタイミングで、学費を宮廷費で賄ったらどうかと、秋篠宮さまに提案したところ、秋篠宮ご夫妻は、前例どおり皇族費で、と断ったという。  宮内庁は、この事故を受けても、警備態勢の見直しは行わないと言明した。だが、「将来の天皇」となるであろう悠仁さまを支える環境は、あまりに心もとないのは確かだ。 ※週刊朝日 2016年12月9日号
悠仁さま秋篠宮家皇室
週刊朝日 2016/11/30 11:30
街にも恋にも風は吹く…僕らを温めるあの名曲
街にも恋にも風は吹く…僕らを温めるあの名曲
恋とクルマと音楽と:コラムNo.9 「恋とクルマと音楽と」今回は、風にこだわりながら書き進めたいと思います。 今年の冬は、ある朝、突然、一ヶ月ぐらい早送りしたみたいに木枯らしが吹いて、気温が一桁台にドーンと下がって始まった感じです。長いこと東京に住んでいますがイントロのない東京の冬は初めて経験しています。 「だんだん寒くなってきたねー、このままだと部長のギャグの寒さも感じなくなるね!?」などと、それ自体寒い会話をする間もなく、11月なのに雪まで降りました。 特に風がわがままになるビルのふもとなどでは、吹雪の中かと錯覚するぐらいに傘など役に立ちませんし、天気が良くとも空っ風が頬を叩いたり、恋人との間に隙間風が吹いたりと、数千種類あるという”風”の名前が良くも悪くも舞い踊る季節です。 ということで、安藤きをくさんのほっこりするカップル写真を見ながらお読みください。 女性は太陽なのか。 そもそも、「冬はどうして寒いの?」と子供に質問されたら、 「太陽から届く光の量が減るんだよ!」と答える。 「どうして減るの?」と質問されたら、 「太陽から見える日本の位置が変わるんだよ!」と答え、 「どうして変わるの?」と質問されたら、 「そんなに興味があるなら、学校の先生に聞いてお勉強して!」と答えます。 というように、この歳になって冬の寒さの理由をおさらいすると、地球の自転軸の傾きから始まり、傾きの角度には月が影響を与えていることなど、複数の分野にまたがる壮大な宇宙の息遣いの話に発展します。ちなみに、冬至と夏至では、太陽の光が地上に当たる角度は、45度くらい違いがあるらしい。 以前、女性の心は宇宙だと書いたことがありますが、男の心は傾いていて女性という太陽を周る衛星なんでしょうか。いやっ、そうではなく、女性が地球で、その傾きに影響を与える月でありたい…と昭和の男は願うのでした。 ということで、いろんな風から冬の恋人たちを守ってくれるような曲を、 レコチョクの冬に人気のプレイリストを参考にしつつご紹介したいと思います。 愛する人の笑顔は間違いなく太陽だ。 それにしても、いい歳をして、恋だ愛だキュンだと2ヶ月以上書かせていただいていますが、今回ご紹介する2曲は、いわゆる直球の中の直球曲でして、歌っていると優しい気持ちなれる名曲です。 風の名前に例えるなら、心に春風が吹くような名曲というところでしょうか。 1曲目は、米米CLUBの「愛してる」 よく言う話で、”I Love You.”と英語圏の人が口にするのと日本人が”愛してます”というのはニュアンスが違うということがありますが、この曲の”愛してる”は、日本語の”愛してます”だと思います。家族愛は含めず、異性としてのみ、恋愛対象としてのみ、あなたを”愛してる”というやつ。 心の底から愛してる…と言えたことありますか?思わずこみあげて口にしていたみたいな…はいっ、次の曲!愛してる(米米CLUB) 2曲は、Dreams Come Trueの「LOVE LOVE LOVE」 どうですか、この2曲を続けて紹介する迷いのなさ。遅れてきた不惑という感じですかね。 それはともかく、この曲の歌いだし、 ねぇ どうして がJ-POP史上に残るものだと思っているのは僕だけではないはずです。 この語りけるような親近感のある言葉で歌い始めて、自分でも手に負えないぐらいの最上級の愛の気持ちがあふれている状態までを3分半で歌いあげます。 …と僕の文章も興奮してきたとことで今回はここまで。 ぜひ、この2曲、年末に大声で恥ずかしがらずに歌ってください。 寒い夜空に、一瞬、春風がかおるはずです。 などと、世代を超えた恋バナを繰り広げるラジオ版”恋とクルマと音楽と”の次回放送は、 12月6日火曜日19時30分~。 Amanekチャンネルアプリをダウンロードして、 お聴きください。 もちろん、twitterでの参加はOK、 僕が友人と女子大生とおしゃべりする生放送を聴いて恋バナにご参加ください。LOVE LOVE LOVE(Dreams Come True)
tenki.jp 2016/11/29 00:00
松山英樹圧勝で“月収3億円”! 丸山茂樹「W杯優勝の可能性は十分ある」
丸山茂樹 丸山茂樹
松山英樹圧勝で“月収3億円”! 丸山茂樹「W杯優勝の可能性は十分ある」
 日米直近の4試合で3勝と圧巻の強さを見せる松山英樹選手。丸山茂樹氏は、彼の活躍によって、ゴルフ人気に火が付くのではと期待する。 *  *  *  男子ツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11月10~13日、静岡・太平洋C御殿場C)は松山英樹(24)の圧勝でした。2位に7打差をつける、通算23アンダーでの完全優勝。10月の「日本オープン」に続く国内2連覇でした。  英樹は「日本では1日はまれば勝てる。PGAツアーは3日はまらないと勝てない」ってコメントしたみたいですね。米ツアーの方は、リアルな感じですけどね。まあ、そうは言っても日本でも1日大たたきしちゃったら優勝は無理ですからね。一発大きなアンダーで回って、あと3日は安定すれば簡単に勝てるという意味なんでしょうね。  もう、ちょっとあんだけのレベルの選手になっちゃったら、何を言っても聞いてる側は「そうだな」ってなりますよ。英樹はいまや、そういう域に達してきたんだと思います。  この優勝で、日米直近の4試合で3勝目。スポーツ新聞には「月収3億3420万円」という見出しが躍りました。これは英樹のすごさ、ゴルフのすごさを如実に表現してると思いますね。ほかのスポーツでこんなことってないし、日本ツアーで4週連続優勝したって1億2千万円ぐらいですから。この見出しには、読者のみなさんも結構まっすぐに「すげえな」と思われたんじゃないでしょうか。  こういう金銭面のことだけじゃなくて、英樹に憧れる子どもたちや親御さんが増えてるでしょうね。「かっこいい」とか「自分の子にも松山英樹みたいになってほしい」とかね。英樹がゴルフ人気の起爆剤になって、そういう人がたくさん現れてきてくれるんじゃないかなという期待はありますよね。  そうなるともう、英樹は一定の責任がある立場というか、模範となるようなことをしていかなくちゃいけないときが、もう来ちゃったのかなと感じます。早いですね、24歳ですから。   マルジュニアをやっている中で、女の子の親御さんの方が熱を帯びてるというか、熱心だなあと感じるときがあります。これはやっぱり、国内の女子ツアーは38試合もあるから、「自分の娘もプロになって大活躍できるんじゃないか」と夢を見やすいってのはあるんじゃないですかね。チャンスが多いだけに。  11月24日にはいよいよ男子ゴルフの国・地域別対抗戦「ISPSハンダ ゴルフワールドカップ」(オーストラリア・キングストン・ヒースGC)が開幕します。英樹と石川遼(25)のコンビには、ぜひ優勝を持ち帰ってほしいし、可能性は十分にあると思ってます。  英樹はもちろん調子いいですし、遼だってそんなに悪くない。一時ね、遼がPGAツアーで調子悪かったときは「もうアメリカでは厳しいかな」という気がしましたけどね。ここ最近はけがの功名じゃないですけど、腰を痛めて休んだのがいい方向に向いたのかもしれない。お互いの状態がいいので、かみ合えば十分にチャンスなのかなという気がしますね。しかも遼は大舞台に燃えるタイプですし、英樹という力強いパートナーがいるので、いいテンションでゴルフができるんじゃないかと思います。  僕もゴルフネットワークの放送で話をさせてもらいながら、応援しようと思ってます。 ※週刊朝日 2016年12月2日号
丸山茂樹松山英樹
週刊朝日 2016/11/27 07:00
井上苑子、新曲MV予告映像公開 主人公の女の子は誰!?
井上苑子、新曲MV予告映像公開 主人公の女の子は誰!?
井上苑子、新曲MV予告映像公開 主人公の女の子は誰!?  SNS世代の18歳シンガーソングライター井上苑子が、12月7日発売の新曲「エール」のミュージックビデオ予告映像が本日公開となった(https://youtu.be/R7ATVephSFo)。井上苑子 キュートなライブ写真一覧  前作「ナツコイ」のミュージックビデオは“キュンキュンする!”と10代を中心に大きな反響を呼び、800万回再生され注目を集めた。新曲「エール」は“ 頑張れ” だけじゃない、井上苑子流の応援歌。ミュージックビデオのコンセプトは、ちょっと不思議な動物たちと井上苑子の森の中のファンタジー。舞台の森の中に動物に扮した可愛い子供たち、そしてその森の中にただずむ子供たちと同じ動物の主人公の女の子の姿……。ビデオのコンセプトから“主人公の動物の女の子はこの人しかいない!”とオファーしたのは、ファッション好きな女子はもちろん知っている、今やお茶の間でも人気の女の子。どんな物語になっているのか、そして、この女の子は正体は?その全貌がわかるミュージックビデオの公開は来週11月30日を予定している。 ◎リリース情報井上苑子New Single『エール』2016/12/7(水)Release<初回限定盤(CD+DVD)>1,800円(Tax in)/UPCH-89309<通常盤(CD)1,200円(Tax in) /UPCH-80453
billboardnews 2016/11/26 00:00
浅田真央に“限界説” 復活の日は来るのか?
浅田真央に“限界説” 復活の日は来るのか?
再び真央スマイルを見せてくれるか (c)朝日新聞社 「自分のすべての自信が失われた……」  日本時間の11月13日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ「フランス杯」で9位に沈んだ浅田真央(26)。かつての世界女王はGP出場22回目で過去最低の結果となり、報道陣を前にティッシュを手に涙をぬぐった。  今季は昨シーズンから苦しんでいる左ひざの痛みから、代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を封印。6位に終わった10月の「スケートアメリカ」同様、精彩を欠いた。  長野五輪にフィギュアスケート代表(アイスダンス)として出場した河合彩氏は不振の原因について、こう話す。 「若手のころのように100%練習をみっちり積めばけがが悪くなり、疲れも残る。けがが悪化しないように練習をセーブせざるを得ないのではないでしょうか」  フランス杯で表彰台に立った3人は全員10代。バンクーバー五輪の銅メダリスト高橋大輔氏はフジテレビのスポーツ番組で「女性の26歳が現役トップを張っていくのは難しい。若手の10代の勢いも想像以上で、本人も焦りが出ているのではないか」と語った。  河合氏は「浅田選手がトリプルアクセルを連発していたころは、子供の体形だった。背が低いと軸が取りやすいが、年齢と共に体形が変わり、軸がぶれジャンプが失敗しやすくなる」と指摘しつつ、「フィギュアはジャンプだけではない。ステップやスピン、表現力など総合的には今のほうが断然いい。スケート全体としては成熟している」とみる。  フランス杯の惨敗で過去4回優勝したGPファイナル(12月・フランス)出場を逃し、世界選手権(2017年3~4月・フィンランド)の切符は12月の全日本選手権にかけることに。ここで結果が出なければ、浅田の今季は終了となる。昨季の世界ジュニア女王に輝いた15歳の本田真凜ら若手の台頭が著しい中、現役最終目標を18年2月の平昌五輪(韓国)と掲げる。  河合氏は「日本女子は5~6人が平昌で入賞できるレベルにあり、浅田選手であっても代表枠に割って入るのは簡単ではないのが現状です。ただ、本人がやれると思って、現役復帰を決めたことですし、全日本選手権では本気で滑って勝負する姿が見たい」とエールを送る。  国民的アイドルの浅田。“限界説”を吹き飛ばして、再び真央スマイルを見せることはできるのか。 ※週刊朝日 2016年12月2日号
フィギュアスケート浅田真央
週刊朝日 2016/11/24 16:00
大原櫻子がボロ泣きで「仕事をください」 デビュー時を振り返る
大原櫻子がボロ泣きで「仕事をください」 デビュー時を振り返る
大原櫻子/1996年生まれ。東京都出身。2013年の映画「カノジョは≠、しすぎてる」のヒロインオーディションに合格し、スクリーン&CDデビューを果たす。来年は主演舞台「Little Voice」の上演も控える(撮影/岡田晃奈、ヘアメイク/木内真奈美[オティエ]、スタイリスト/佐藤和佳、衣装協力/Lily Brown)  澄んだ、印象的な声をしている大原櫻子さん。小さい頃から、歌やダンスやピアノなど、様々な習い事を経験し、舞台演劇に造詣の深い父に連れられ、幅広いジャンルの映画や舞台を見てきた。ミュージカルの世界に憧れはしたけれど、基本的には、人前で目立つことが苦手な性格。だから、CDをリリースしたり、ステージに立って歌ったりお芝居をしたりすることなど想像してはいなかった。佐藤健さん主演の映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のオーディションに5千人の中から選ばれ、無我夢中で役を演じ切った3年前までは。 「スタッフさんたちと一緒に試写を見たとき、この映画が終わった先の仕事が何も決まってなかったので、ボロボロ泣きながら、『何でもやります! 仕事をください』って言ってしまったぐらい、先行きの不安な映画デビューでした(苦笑)」  映画はスマッシュヒットし、彼女は第23回日本映画批評家大賞の新人賞を受賞。劇中に登場するバンド名義以外に、“大原櫻子”名義でのCDデビューも決まり、2014年の音楽業界を賑わせた“ギター女子”の一人としても注目を集めた。  昨年は紅白歌合戦にも出場。今年1月には“地球ゴージャス”プロデュース公演で初舞台を踏んでいる。 「ライブという意味では、コンサートも舞台も同じですが、ライブはお客さんと一緒に作っていくもの。“イエー”と叫べば、“イエー”と返してくれる。でも、舞台にはそれがないから、私の中身まで、じっと覗かれているような怖さがあります。でも、その分仲間がいてくれるので、心強くもあるんですけど」  12月から、楳図かずおさんの原作をフランス人演出家がミュージカル化した「わたしは真悟」に出演する。深い恋に落ちた小学生のカップルが、その関係を引き裂かれたとき、2人の遊び道具だった産業用ロボットが2人の子供として自我を持ち、成長していくという物語だ。大原さんが演じるのは、主人公“悟”の隣人で、8歳くらいの女の子“しずか”役。 「今回、歌に関しては、最初に、“うまく歌わないこと”“音程を外すこと”“ビブラートをかけないこと”という条件を付けられました。少女の拙さ、幼さを歌で表現しなければならないのが難しいです」  多少の弱音は吐きつつも、舞台の稽古は一日中やっていてもいいなと思うほど大好きだという。ストイックなのは、父親の背中を見て育ったせいかもしれない。 「私、父のことを、師匠のように尊敬しているところがあるせいか、反抗期というものがまったくなかったんです。実家暮らしなので、20歳になってからは、家に帰ると毎晩のように晩酌に付き合っています。父は家が好きな人で、外に飲みに行かないんです。でも、最近はそれがプレッシャーです。私は、友達と遊んで騒ぎたいほうなので(苦笑)」 ※週刊朝日 2016年11月25日号
週刊朝日 2016/11/22 16:00
スキーの季節がやってきた!! 北海道|スキー場オープン情報【2016.11】
スキーの季節がやってきた!! 北海道|スキー場オープン情報【2016.11】
北海道では11月上旬にドカ雪が降り、秋を満喫しないうちに冬になってしまったような日が続いていました。その後平年並みの気温が続いたものの、山では順調に雪が降り積もり、いよいよスキーのシーズン到来です!! パウダースノーが楽しめる北海道のスキー場。11月中旬から続々とオープンしています!! 高速4人乗りリフト新登場!!【札幌国際スキー場】11月18日(金) オープン 初級者から上級者まで楽しめる3.6kmのロングコースや、最大幅100m以上の広々としたファミリーゲレンデが魅力です。今シーズンは新たに、高速4人乗りリフトが登場。また、ICカードを利用したオートゲートを導入し、ますます便利に快適に楽しむことができます。女子更衣室にはパウダールームが新設されたほか、靴を脱いでくつろげる休憩所やキッズルームも充実。お得なパックは4種類(バスパック、ランチパック、温泉入浴パック、親子パック)。毎週木曜日のシニアDAYでは、北海道在住の55歳以上の方がリフト・ゴンドラ1日券が1500円になります。 【札幌国際スキー場】 ●コース数/7 ●リフト数/3(他にゴンドラ2) ●所在地/北海道札幌市南区定山渓937番地先 ●総合案内/011-598-4511(代表) ●リフト券(通常料金・1日券)/一般4500円・シニア(55歳以上)3500円・グランドシニア(65歳以上)3000円・中高生2200円・小学生1000円 〈札幌国際スキー場〉オフィシャルサイト8人乗りゴンドラ。秋は紅葉を遊覧。 23時まで営業!!【スノークルーズオーンズ】11月18日(金) オープン 札幌市内から車で25分、銭函ICから5分と、抜群のアクセス。また、地下鉄宮の沢駅と麻生駅から毎日無料送迎バスがあるので、車がなくても安心です。日本海を見下ろしながら滑ることができる、景観抜群のスキー場で、1~3月の土日祝日は朝8:00から営業。ナイターは毎日23時まで営業しているので、仕事帰りでも楽しむことができます。ファミリーで楽しめるキッズパークは毎日無料開放。気軽に手軽に楽しめるスキーエリアです。 【スノークルーズオーンズ】 ●コース数/8 ●リフト数/2 ●所在地/北海道小樽市春香町357番地 ●総合案内/0134-62-2228 ●リフト券(通常料金・1日券・ナイター可)/大人3200円・シニア&小人2200円 〈スノークルーズオーンズ〉オフィシャルサイト札幌から車で25分!! 昼も夜も楽しめる。 標高1000m超!!【サッポロテイネ】11月19日(土) オープン 標高1023mの山頂からは札幌市街や石狩湾を見渡すことができ、最良のパウダースノーや6kmの超ロングな初級コースも楽しめます。上層のハイランドゾーンは、札幌オリンピックの舞台となった女子大回転や男女回転のコースがあるほか、圧雪車が入らないワイルドな急斜面も人気。中腹のオリンピアゾーンは、初心者でも滑れる1枚バーンのコースのほか、恐竜キッズパークやビギナーズクロスなどのアトラクションも充実。札幌市街地から車で30分、手稲ICから10分とアクセスも抜群。 【サッポロテイネ】 ●コース数/15 ●リフト数/9(他にゴンドラ1) ●所在地/北海道札幌市手稲区手稲本町593 ●総合案内/011-682-6000 ●リフト券(通常料金・1日券)/大人5200円・シニア&中高生4200円・小学生以下2600円 〈サッポロテイネ〉オフィシャルサイト聖火台オーシャンダイブ。石狩湾を見下ろす絶景の急斜面。 毎日パウダースノー!!【キロロスノーワールド】11月23日(水祝) オープン予定 今年で25周年を迎えた比較的新しいリゾート地。降雪の少ない冬でも3m、多いときには5mを超える積雪に恵まれます。毎日のように雪が降るので、いつでもふかふかのパウダースノーを楽しむことができます。全21コース、最長滑走距離は4.05km。2つの山稜にはビギナーからベテランまでが楽しめる多彩なゲレンデが整備されていて、3つのエリアがスキーの楽しさを伝えます。 ほとんどのリフトにフードと足かけがついているので、雪が降っていても快適に山頂へ行くことができます。スノーパーク、スノーシュートレッキングツアー、スノーセグウェイ、スノーバギーなどのアクティビティも充実。 【キロロスノーワールド】 ●コース数/21 ●リフト数/8(他にゴンドラ1) ●所在地/北海道余市郡赤井川村常盤650番地先 ●総合案内/0135-34-7118 ●リフト券(通常料金・1日券)/大人5500円・シニア&中高生4900円・小学生2800円 〈キロロスノーワールド〉オフィシャルサイトナイターも充実!!
tenki.jp 2016/11/20 00:00
韓国前代未聞の大統領聴取へ 「愚友」しかいなかった朴槿恵の孤独の闇
韓国前代未聞の大統領聴取へ 「愚友」しかいなかった朴槿恵の孤独の闇
朴大統領が謝罪談話を出しても怒りのデモは収まらず (c)朝日新聞社  韓国初の女性大統領になった朴槿恵(パク・クネ)がスキャンダルで絶体絶命のピンチに陥っている。父で大統領だった朴正煕(パク・チョンヒ)と母親をそれぞれ暗殺事件で亡くすという壮絶な過去を乗り越えたかに見えた大統領。ノンフィクションライターの菅野朋子氏が事件を取材すると、深すぎる「孤独の闇」が見えてきた。 *  *  * 「これが国ですか。あんなエセ宗教の女に翻弄されていたなんて……侮辱されたんですよ、私たち支持者は大統領に」(60代男性)  韓国の朴槿恵大統領(64)がスキャンダルで満身創痍状態だ。  親友に演説文や外交文書までも見せていた事実が発覚。外交文書の中には「韓日関係の敏感な核心懸案へ日本側が言及した際の対処法」などが詳細に記された文書も含まれていた。  その後も疑惑は後を絶たず、関係者や大統領の側近らが次々と逮捕され、ついには青瓦台(大統領府)に強制捜査が入り、大統領への調査も秒読みとなった。  大統領自ら2回にわたり謝罪談話を出したが、国民の怒りは沸点に達し、固定支持率の30%は5%(11月11日韓国ギャラップ調べ)に大暴落し、19~29歳ではなんと0%に。「朴槿恵下野」を叫ぶろうそくデモは韓国各地で繰り広げられ、規模は2万人から1週間後には20万人に拡大し、12日には100万人に膨らんだ。  スキャンダルに火が付いたのは9月末。朴大統領の親友・崔順実氏(60)が不正資金疑惑の財団のキーマンとして報じられると、崔氏と青瓦台を巡る疑惑が堰を切ってあふれ出した。  朴大統領は疑惑を強く否定し続けたが、10月下旬、崔氏のタブレット式パソコンを入手したメディアが演説文の草稿が青瓦台から崔氏に送られていた事実を報じると、砂の城はあっという間に崩れ落ちた。  大統領は事実関係を認め謝罪したが、「内容は弁明に終始していて世論は急速に大統領から離れました。その後、崔氏が大統領の権力を笠に私腹を肥やしていたことが続々と暴かれて、セウォル号沈没の悲劇から積もりに積もった国民の怒りは限界を超えてしまった」(韓国全国紙記者)。  一連の騒動の“目”は親友の崔氏だ。大統領が謝罪で「かつてつらい時期に助けてくれた縁」と話した崔氏は、朴大統領と格別な関係にあったといわれる宗教家・崔太敏氏(94年81歳で死亡)の5人目の妻の2番目の娘だ。  前出韓国紙記者が言う。 「崔太敏氏は“新興宗教家”で、74年に朴大統領の母親、陸英修氏がテロの凶弾に倒れた後、当時22歳だった朴大統領に慰めの手紙を出したことから近しくなったといわれています。  崔氏は『母の声が聞きたいなら私を通していつでも聞ける』などと朴大統領の心を掴み、当時、国民の精神改造を謳い『救国宣教団』(のちにセマウム奉仕団)を設立して朴大統領を名誉総裁に据えて企業から多額の資金を引き出しました。集会では傍らにいた順実氏の姿が映像で残っています」  朴大統領は74年に母親、5年後には父親の朴正煕元大統領を相次いで殺された数奇な過去を持つ。朴大統領が国会議員時に担当だった記者の話。 「朴大統領を表すキーワードは『孤独』。孤独が深く染みついている。インタビューで、『父母があんなふうに亡くなった悲劇もそうですが、その後も、私ほど苦痛を味わった人は多くはないでしょう』と語ったことがあります。朴正煕元大統領が暗殺された後、信じていた人たち、傍らにいた人たちは手のひらを返したように離れていった。捨てられたお姫様だった。それから国会議員になる98年まで隠遁生活を送りましたが、その孤独な時間にそばにいたのが崔太敏氏です」  別の記者がつなぐ。 「崔太敏氏は当時から朴大統領に指導者になれと言い聞かせ、そのためには妹や弟などと交わってはいけないと諭したといいます。  朴正煕元大統領は崔太敏氏を牽制し、朴元大統領の死後も崔氏の不正蓄財の捜査が進められたが、結局、公表されることはなかった。崔氏は両親を殺された朴大統領の処遇が政治的にもデリケートだったことを利用して捜査をくぐり抜けたといわれています。父親も娘の順実氏も権力者を利用して企業からカネをせしめる手法は全く同じです」  朴大統領の妹の夫、申東旭共和党総裁は、「崔順実氏は85年に太敏氏から巨額を譲り受けた」(中央日報11月11日)と暴露。順実氏は把握された不動産だけで365億ウオン(14年、約33億3800万円)の資産があり、他のふたりの姉妹と合わせると2千億ウオン(約182億9100万円)台になると推算されている。  順実氏は朴大統領の衣装をはじめプライベートにも深く入り込んでおり、最近では順実氏行きつけの美容外科医が青瓦台を往来し、朴大統領の海外歴訪に同行していた事実も発覚した。  順実氏の素性は明らかにされていないが、元夫は朴大統領の国会議員時代7年間秘書室長を務めた鄭允会氏で、朴大統領の秘線(秘密に会う陰の実力者)といわれた人物。2年前にやはり国政介入疑惑で検察の取り調べを受けた。  申総裁は「(鄭氏が)朴大統領の信任を受け、2人のスキャンダル怪談が出回って崔氏が捨てた。離婚して『兎死狗烹』(獲物の兎を捕らえれば猟犬は不要となり煮て食われるの意)させた」(同前)と話している。  美容外科医関連では、セウォル号沈没事故の際、大統領と連絡のとれなかった空白の7時間に美容施術を受けていたという衝撃報道も飛び出したが、青瓦台はこれを否定している。  滞在していたドイツ(9月初め出国)から帰国した崔順実氏は、朴大統領の最初の謝罪談話から6日後、検察に逮捕された。  崔氏は青瓦台の機密文書流出や人事介入などの国政介入疑惑のほかにも財団の資金横領や一人娘の大学での不正行為でも取り調べを受けている。  財団の資金集めは青瓦台が介入して企業に投資を促したことが明らかとなり、娘も数々の特例を受けた事実が明るみになっている。娘は名門・梨花女子大学に推薦入学後、SNSに「あんたらの親を恨め。カネも実力だ」と書き込んだいわく付き。母親が逮捕された日に大学を自主退学した。  50代の主婦が嘆息する。「入学も退学も意のまま。子供を必死で塾にやって大学に行かせて、それでも就職先がなくて苦しんでいるのに、あんなカルト教の無知蒙昧な親子が大統領の権力を利用して大金を手にしてやりたい放題なんて、ドラマのほうがまだまし。しかも国のトップがそんな人物に操られていたと思うと怒りを通り越して涙が出る」  娘を巡っては彼女の乗馬訓練費用を財閥が支援していた疑惑も浮上し、サムスンが家宅捜索を受けた。  大統領制の韓国では、「間接的なものを含めて2万個のポストを大統領が任命できる」(前出記者)といわれるほど大統領の権力は絶大だ。同じような事件は歴代大統領で繰り返されてきたが、大統領本人が関わっているのは初めてだ。  朴大統領は11月4日に2回目の謝罪談話を出し、首相(副大統領)を指名し収拾を図ったが、「これも疎通のない大統領の一方的なやり方と野党と国民の反感を買った」(前出記者)。  崔氏も朴大統領の側近も「朴大統領の指示」と未必の故意を主張し、海外にいた崔氏と不正を共有した人物らも続々と帰国し逮捕されており、「捜査の対処法を指揮する人物が背後にいる。それが何者かにも注目が集まっている」(同前)。  世論の逆風は強いが、しかし、実際に辞任となれば、60日以内に大統領選挙となり、準備が整っていない与野党とも避けたいともいわれ、「弾劾は非現実的で、現実的なシナリオは死に体の大統領が国会が推薦する首相に全権移譲して第一線から退くこと」(同前)。  現在、朴大統領最大の疑惑といわれるセウォル号事故の空白の7時間に焦点が集まっており、「これが暴かれればどんな事態になるのか予測がつかない」(同前)ともいわれる。  果たして、12月に予定された日中韓首脳会談に朴大統領は顔を見せるのか。  親友を失い世論からも見放された新たな「孤独」の中、朴大統領は今何を思い、そして、この先どう決断するのか。そして、トランプの米国、国政混乱の韓国、核暴走の金正恩の北朝鮮、そして皇帝となった習近平の中国と、日本はどう向き合っていくのか。 ※週刊朝日  2016年11月25日号
朴槿恵
週刊朝日 2016/11/16 07:00
ゆず北川悠仁がMCを務めるスポーツ番組が復活
ゆず北川悠仁がMCを務めるスポーツ番組が復活
ゆず北川悠仁がMCを務めるスポーツ番組が復活  ゆずの北川悠仁が、地上波初 MC を務めたスポーツ番組『めざせ!2020 年のオリンピアン/パラリンピアン』が、NHK BS1にて新シリーズ『めざせ!オリンピアン』として復活することが決定した。  前シリーズに引き続き、北川が番組MCを務める。 同番組は、オリンピックをめざす若手アスリート“ネクストエイジ”を発掘し、その成長を応援するスポーツドキュメント番組。北川は昨年4 月から今年3月まで同番組のMCを務めたほか、同8月には11日間に及ぶリオ五輪の現地取材を敢行するなど、オリンピックに関わる選手、競技を追いかけ続けてきた。  今回の番組では、スタジオを訪れる五輪出場経験のある一流選手とともに、未来のアスリートとメダリスト(オリンピアン)との“本気指導”を見守り、そこに潜む技の極意や競技の本質についてトークを展開していく。 初回放送のスタジオゲストは、オリンピック 4 回出場経験のある元プロテニス選手・杉山愛と、ロンドンオリンピック銀メダリストの元柔道女子・杉本美香。新シリーズ『めざせ!オリンピアン』は、NHK BS1 にて11月23日放送。なお、第2回以降については放送日が決まり次第アナウンスされる。 ◎番組情報NHK BS1『めざせ!オリンピアン』2016年11 月 23 日(水・祝)20:00~20:50放送第1 回「柔道女子 “野獣”・松本薫が本気指導!15 歳に世界のワザ伝授」
billboardnews 2016/11/16 00:00
津田梅子と中江兆民の関係は?150年前に出航した岩倉使節団再考
津田梅子と中江兆民の関係は?150年前に出航した岩倉使節団再考
寒さは強まっていますが、冬晴れの清々しさも嬉しい今日この頃ですね。約150年前の明治4(1871)年11月12日。やはり風は冷たかったであろう横浜港から、総勢107名の岩倉使節団が、アメリカ合衆国及びヨーロッパ諸国へ派遣されました。特命全権大使の岩倉具視を筆頭に、使節団は理事官や書記官など46名。随員のほか43名の留学生も同乗した大所帯の最年少は、満6歳の少女・津田梅子。のちの女子英語教育のパイオニアとなりました。近年再研究されている明治維新直後の一大派遣プロジェクト、岩倉使節団のダイナミズムを振り返ります。 豪華絢爛メンバー使節団の真の目的は? 使節団の主目的は、次の3つでした。(1)幕末に条約を結んだ国への新政府による国書の奉呈(2)条約改正への予備交渉(3)米欧各国の近代的制度・文物視察と調査と友好親善。明治3年に財政制度調査のためにアメリカに渡った伊藤博文は、列国との間で交わされた当時の条約が日本にとって極めて不利、と痛感。翌年には、米欧諸国へ外交・政治上の主要人物を派遣し、実情を調査することを提言しています。 廃藩置県も断行されたその明治4年の年末に、この莫大な予算を伴う使節団が出航したことを考えると、当時の明治政府の切実感、切迫感が伝わります。使節団にはほかに木戸孝允、大久保利通、山口尚芳ら、倒幕から新政府運営までの重要メンバーが参加。残った政府は、西郷隆盛らによる「留守政府」と呼ばれました。 司馬遼太郎氏が「世界史のどこに、新国家ができて早々、革命の英雄豪傑たちが地球のあちこちを見てまわって、どのような国を作るべきかをうろついてみてまわった国があったでしょうか。」(『「明治」という国家』)と語ったほどに、新政府は早急に国家の青写真を描く必要に迫られていたのでしょう。使節団出航と同時代頃のニューヨーク州のイメージイラスト 一行のうちの女子留学生の数は? 使節団には、43名の留学生が同行したことも特筆されます。後の民権思想のリーダーとなる中江兆民は、大久保利通に半ば直談判して留学生に選抜されたようですが、まさに行動力の勝利。後に憲法制定で伊藤博文を助け、日露の講和でも活躍する金子堅太郎や、三井鉱山を軌道に乗せ三井財閥の最高指導者となった団琢磨もいました。経済的に余裕のあった公家・大名は、競ってその子弟を自費で留学生に送ったのです。 しかし女子に関しては、留学など思いも及ばなかった時代。黒田清隆、森有礼らが女子教育の重要性を唱え北海道開拓使による募集となったものの、女子は10年間もの長期留学と定められれば、敬遠されるのは当然でしょう。二次募集でやっと、参加者が直前に決まります。男子留学生のような新政府主流派の子息ではなく、旧幕臣あるいは佐幕藩、それも渡航経験者の子女や妹ばかりでした。 それが元佐倉藩士で当時開拓使の農事吏員だった津田仙弥の娘・津田梅子(当時満6歳)、元会津藩家老の娘であり先にアメリカ留学していた山川健次郎の妹・山川捨松(同10歳)、後の三井物産総帥、益田孝の実妹・永井繁子(同11歳)、ほか年長の2名の計5名でした。年長の2名は、病気などの理由ですぐに帰国。しかし残る3人は、米国留学によって語学力と西洋式ライフスタイルを完璧に会得し、帰国します。 彼女たちは互いに生涯の盟友・親友となり、有形無形に女子教育に奔走。津田梅子は1900年(明治33年)、現・津田塾大学の前身、私塾「女子英学塾」を設立。先駆的な私立女子高等教育機関の誕生でした。さらに、のち海軍士官の瓜生外吉と恋愛結婚し女子音楽教育を行った繁子、そして参議陸軍卿・伯爵の大山巌に見初められ結婚し「鹿鳴館の花」と呼ばれた捨松。使節団の旅立ちは、新しい女性像創成のスタートの場でもあったようです。津田塾大学本館校舎 632日間世界一周の旅が再注目されている 使節団の話に戻りますと、岩倉本隊は当初の予定から大幅に遅れ、出発から1年10か月後の明治6(1873)年9月に帰国。外交経験が浅く国際法の知識も乏しかった使節団は、結果的には、肝心の条約改正への予備交渉の目的は、果せませんでした。大久保利通は古くからの仲間、五代友厚への手紙に「どうもこの旅は大敗北であった」と記しています。そして留守政府のみならず、無二の親友だった西郷隆盛との間にも、亀裂が生じていくのです。 明治11(1878)年、使節団の公式報告書である『米欧回覧実記』(以下『実記』)が、使節団書記官の久米邦武の編纂で刊行されました。米欧12か国回覧見聞のほか、ヨーロッパ総論や帰港日程としてのアジア論などがまとめられ、全巻300余の銅版画が添えられた、5冊組全100巻の大作です。しかし使節団の条約改正予備交渉の失敗もあり、『実記』は戦前から戦中・戦後を経て、長い間忘れ去られていたようです。 しかし1975年以降、『実記』原本が復活されるなど研究が進み、使節団及び『実記』の、歴史的な意味が問い直されています。使節団は、東南アジアへの目線の欠落を自覚していたにも関わらず西洋文明信仰を貫き、その後の近代日本は、「脱亜入欧」へとひた走りました。一方で、パリへ留学しルソーを学び、『レ・ミゼラブル』のヴィクトル・ユーゴ―を愛読した留学生・中江兆民。人民主権原理を身につけた彼は、使節団とは対照的に、米欧のアジア・アフリカにおける植民地・半植民地的暴虐を「文明のもうひとつの顔」と冷静に捉え、帰国後は政府批判の立場に転じています。 『実記』のエンサイクロペディア(百科事典)的な編集は、近年再注目を集めています。そして『実記』ひいては使節団の意味自体が、戦前の1930年や、敗戦直後の再出発の時にこそ、再読され問われるべきであったとも言われています。歴史的なアメリカ合衆国大統領選挙が成された今この時にも、632日間世界一周の旅、いわば一大国家見学プロジェクトとしての岩倉使節団を捉え直すことで、新たな発見を得ることができるのではないでしょうか。 参考文献: 司馬遼太郎(著)『「明治」という国家』日本放送出版協会 田中彰(著)『岩倉使節団「米欧回覧実記」』岩波書店 田中彰(著)『明治維新と西洋文明―岩倉使節団は何を見たか』岩波書店 泉三郎 (著)『堂々たる日本人―知られざる岩倉使節団』祥伝社久米邦武は、使節団を運んだ蒸気船『アメリカ号』を飛脚船と形容(画像はイメージです)
tenki.jp 2016/11/12 00:00
上原浩治がメジャーで成功した理由は骨の使い方にあった!?
上原浩治がメジャーで成功した理由は骨の使い方にあった!?
所蔵:庄内米歴史資料館 松村卓(まつむら・たかし)1968年生まれ。中京大学体育学部体育学科卒業。陸上短距離のスプリンターとして活躍。100mの最高タイムは10秒2(追風2.8m)。北海道国体7位、東日本実業団4位、全日本実業団6位などの実績を持つ。引退後、ケガが絶えなかった現役時代のトレーニング法を根底から見直し、筋肉ではなく骨の活用に重点を置いた「芯動骨整体(骨ストレッチ)」、体幹部を効果的に活用できる「骨ストレッチ・ランニング」「骨ストレッチ・ゴルフ」などを考案、多くのスポーツアスリートの指導にあたる。著書に、『ゆるめる力 骨ストレッチ』『やせる力 骨ストレッチ』(以上、文藝春秋)、『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(共著 甲野善紀 ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある 渡辺潤一(わたなべ・じゅんいち)1973年生まれ。陸上短距離100、200、400mのマスターズ・アジア記録保持者。2015年の世界マスターズでは、M40(40~44歳)部門の200m走で銀メダル、4x100mリレーではタレント・武井壮さんらとともに金メダル獲得、42秒70のアジア新記録を樹立した。40歳を越えた今も、100mを10秒台で走れる現役スプリンターとして注目を集め、マスターズのほか全日本実業団大会などにも出場中。2011年に骨ストレッチに出会って以降、大きな怪我がなくなり、パフォーマンスが大幅に向上。陸上競技に打ち込むかたわら、埼玉県朝霞市で「整体サロンJ」を経営し。自ら施術している。http://seitaij.com/  シリーズ累計30万部「骨ストレッチ」の創始者・松村卓氏と、骨ストレッチを長年にわたり実践し、2015年世界マスターズのリレーで金メダルを獲得したスプリンター、渡辺潤一氏の対談をお届けする。 ●300キロの米俵をラクに持ち上げられる秘密 渡辺潤一(以下、渡辺):米俵を5俵背負った女性の写真が残っていますよね?最近、あれを見てトレーニングに対する考え方が変わってきたんです。 松村卓(以下、松村):米俵は1俵60キロですから、5俵だと300キロ。「あんな小柄な女性が担げるわけがない」と思うのが常識だと思いますが、でも、写真の女性は実際に担いでいますね。 渡辺:松村さんは、その秘密が骨にあると捉えているわけですよね? 松村:ええ。骨身にまかせることができるかどうか。それが、立ったり、歩いたり、走ったり、ボールを投げたり、重い荷物を担いだり……すべての動作の基本であると、私は考えています。 渡辺:確かに、いくら筋力に頼っても持ち上げられる重さではないですからね。 松村:実際に300キロを担げるようになるかはわかりませんが、骨を意識した動きを身につけると、力ずくで頑張ってもどうにもならなかったことが可能になってくるんですよ。 渡辺:僕自身、5年前に骨ストレッチに出会って衝撃を受け、その意味を強く実感するようになりました。選手寿命がここまで延びたことにも(現在42歳)間違いなくつながっていると思います。  骨ストレッチを実践することで、無理に筋力アップし、地面を思い切って蹴らなくても、効果的にスピードが出せることはわかってきました。いまはその発展形として、体にあえて負荷をかけた状況でそうした力みのない動きができるかどうかを追求しています。 ――それで、ウエイトトレーニングを? 渡辺:ええ。筋力アップによって走力がアップすると考えるのが普通なのだと思いますが、そういう発想でやっているわけではありません。筋肉をつければ速くなると、単純には言えませんから。 松村:私もスプリンターだった現役時代にウエイトトレーニングはさんざんしてきましたが、頑張って続けても体が硬化するだけで、パフォーマンスはかえって低下していました。ここ一番でケガに悩まされていましたし、なぜだろうと自問してばかりしていました。  ちょっと変わった発想かもしれませんが、もしウエイトトレーニングをやるなら、筋力アップを目的にせず、いまの体の状態でどの程度あげられるのか、確認の手段にするくらいがいいと思います。 渡辺:同感です。僕も骨を意識して動かせているかを確認するためにやっているだけなので、持ち上げるのはマックスで一回だけです。ウエイトトレーニングにしろ、走り込みにしろ、ただ一生懸命にやっていた若い頃とは、やっている内容は同じでも意味合いがまるで違ってきました。 松村:すばらしいですね。自分の体が先生であり、コーチですから、そうやって体の声を聞くことが大事なんです。 渡辺:松村さんに指導していただいた中で、一番大きかったのはその点ですね。おかげで考え方の根本が変わりました。 松村:他人が考えたデータや理論を信じるからおかしくなるんです。そのあたりは参考程度にして、あくまでも自分の感覚を大事にしないと。体の声を基準にしていけば間違いないんですよ。 ●オリンピックのリレーで銀メダル、その意外な理由とは? ――お二人は、リオ・オリンピックをどうご覧になりましたか? 松村:ウサイン・ボルトの走りが、今回とてもよかったですよね。9秒58で世界新記録を出した時には及びませんが、大会の直前に怪我をしたでしょう?トレーニングを減らし、治療に専念していたからだと思いますが、それで肩まわりの余計な筋肉が落ちたと思うんです。  ボルト選手の持ち味は鎖骨を中心に上半身をダイナミックに動かせる柔軟性にあるのですが、筋肉をつけすぎるとそれが妨げられ、結果としてパフォーマンスが落ちてしまいます。今回は、怪我の功名というか、筋肉が落ちたことで全盛時の動きに近づけたんですよ。  日本代表の銀メダルもすばらしかったですが、あの時のボルトの走りは別格でした。ゴール前の加速は、目を見張りましたね。 渡辺:僕は山縣亮太選手の走りに興味を持ちました。 ――「目の前のゴミを拾うような感覚でスタートダッシュを心がけている」というコメントが、新聞の記事になっていましたね。 松村:両足の親指や母指球で踏ん張るのをやめると、体は自然と前傾姿勢になり、体の重さが利用できるようになるんです。前傾姿勢のような不安定な状態をつくったほうが、体はラクに動かせるんですね。山縣選手がその感覚をつかんでいるのであれば、すごいことです。 渡辺:ええ、僕もそこはとても共感できました。 松村:リレーについては、本にも書きましたが、バトンを持つと普段より腕が振りづらくなりますね?腕が振れない分、体幹を動かさざるを得なくなりますから、パフォーマンスが上がりやすくなるんです。 渡辺:手先のような体の末端部を制御したほうが、体幹が動かしやすくなるわけですよね。僕もふとひらめいて、いまは指にテーピング巻いて走っていますが、それだけでも動きは全然違います。  最近、気まぐれに小指に巻いてみたら、不思議なのですが、以前よりも重心が安定するようになったんです。 松村:ゴルフのスイングや剣道の素振りでも、それこそ料理で包丁を握った時でも、小指に力を入れますよね。そうやって小指に圧力がかかると、指先から腕、背中の腱が一本につながり、体がラクに動かせるようになります。体を上手に使われていると思いますよ。 渡辺:おっしゃる通り、背中が押され、ラクに走れる感覚があるんです。ふとひらめいたことを試しただけなのですが、面白いですね。 松村:無意識に感じたことがヒントになるんです。他の仕事にも言えることだと思いますが、常識にとらわれているとひらめきがキャッチしにくくなるので、つねに疑う気持ちが大切ですね。 ●骨を意識することでゴルフの飛距離が380ヤードに! 渡辺:走っている時、自分の理想とする状態にピタッとはまって、時間が止まったような感覚になることがあるんです。すぐに余計なことを考えてしまって、ほんの一瞬で終わってしまうんですが、これが続けばきっとすごい記録が出せると感じています。 松村:私の武術の師匠である甲野善紀先生は、「いまどうやって技をかけたんですか?」と聞かれると、「気を失っていました」と答えるそうです。渡辺さんも気を失っていればいいんですよ。 渡辺:何も考えない……脳のほぐしが大事ということですね。筋肉はある程度はほぐれてきたので、あとはここ(頭)かなと(笑)。 松村:「こうしなければならない」「こうなりたい」という思いがとれると、いろいろな呪縛が外れて、自然に体が動きだすようになります。いまの渡辺さんならもっとすごい動きができますよ。 渡辺:いい走りができると、欲が出ちゃうんです。いいと思ったと同時にもっと行けるという欲が湧いて、走りを邪魔してしまう。これが取れれば、走りの質が変わるんでしょうが……。 松村:うまくできた時って、じつは手応えがないのが普通なんですよ。でも、脳はそれに満足しないでしょう?  達成感よりも心地よさが大事なんです。骨ストレッチの認定指導員の一人である志村博康君は、骨身にまかせる感覚を身につけることで、ゴルフのドライバーの飛距離が285ヤード(約260メートル)から380ヤード(約347メートル)まで伸びました。  踏ん張って立つのをやめると、スイングした時の手応えはなくなりますが、飛距離は驚くほど伸びるんです。いま、女子プロゴルフの新星である岡山絵里さんが骨ストレッチを実践して、急成長していますよ。スイングも見違えてきたので、ツアー初優勝も間近じゃないかな。 渡辺:松村さんと話していると、余計なことはせず、もともと持っているものを使えばいいんだって改めて感じますね。 松村:そうです。足し算よりも引き算の発想が大事なんです。 ●上原浩治がメジャーで成功した理由は骨の使い方にあった! 松村:先日、アメリカでレッドソックスの上原浩治投手のピッチングを見る機会があったのですが、彼はすごかったですよ。毎回、背骨の位置を微妙にずらしながら投げているのがわかりましたから。  3塁側のスタンドからじっと観察していたんですが、バッターはタイミングがとれないので、すごく打ちにくい。去年の怪我から復帰したばかりでしたが、やっぱりメジャーに通用するだけのことはあるなって思いました。41歳であのピッチングはすごいと思いますよ。あばら骨(肋骨)をやわらかくすると、もっと動きがよくなるでしょうね。 渡辺:あばらの一帯をほぐすのはいいですよね。骨ストレッチにもありますが、拳でグリグリとマッサージすると、上半身の可動域が広がって、呼吸がとてもラクになります。 松村:あばら骨のまわりというのは、じつはさまざまな筋肉の密集地帯なんです。ここをもっと柔軟にすれば、それだけですごい力が出せるようになることを知ってほしいですね。 渡辺:昔はあばらなんてまったく考えてないで走っていましたから(笑)。意識していたのは、手と足と背筋くらいで。  骨という言葉自体が出てこないですよね。あばら骨の一帯を意識していたとしても、大胸筋という言葉を使ったり。 松村:同じ場所を意識していても、大胸筋を鍛えようとすると体幹が固まって、体が動かなくなるんですよ。 渡辺:鍛えた筋肉が逆に重荷になってしまうんですよね。普通は、鍛えれば、いまよりももっと体が動かせると思うわけですが……。 松村:固めるよりゆるめることが大事なんです。実際、しっかりトレーニングするより、ケガなどで休んでいたほうが体が硬化せず、試合でかえって結果が出せることも多いんですよ。 渡辺:うまくサボることも大事ですよね。僕は陸上のコーチもしているのですが、そこがなかなか伝わらなくて。 松村:サボれる人のほうが、本当は伸びるんです。 渡辺:ええ。ですから、あえてハードな走り込みを課すこともあります。余裕がなくなってくるにつれ、余計なことを考えなくなり、無駄な力を抜くことを考え出しますから。 ●理想の体の使い方は、筋肉と骨のバランスにあり 松村:ゴルフの場合でも、ドラム缶3杯分くらい打ち込めと言いますね。ヘトヘトにならないと、筋力に頼って打とうとするクセが抜けないので、極限まで体を使わせようとするわけです。 渡辺:あえてやるという感覚が大事ですね。 松村:ええ。ただ、一度コツをつかんでしまえば、そこまでやらなくてもいいかもしれません。  会社でもベテランが頑張りすぎると、新人は育たないでしょう?人の体も、筋肉ばかり使っていると骨はずっと埋もれたままで、効率のいい動きがいつまで経ってもできません。  筋力を否定しているわけではなく、骨を利用することで筋肉もフルに活用できるようになります。私自身、熱心にウエイトトレーニングをやっていた現役時代よりいまのほうが、素早く、自在に動けるようになりました。 渡辺:筋肉の世界だけでなく、かといって骨の使い方を覚えるだけでもなく、陰と陽が合わさった中庸が理想の体の使い方だと思いますね。僕はいま、この中庸を追求しているんです。 松村:ええ。目に見える筋肉が陽だとしたら、目には見えない骨は陰になります。骨を意識するということは、体の内側に目を向けるということですから、感性や感覚を磨くことにつながっていきます。いまは、体の外側ばかり気にしすぎていますよね。 渡辺:日本の陸上競技も、そうした筋肉主体の発想が変わってくるともっと結果が出て、面白くなってくる気がします。ジャマイカの選手の走りを見ていると、やっぱり魅せられますから。 松村:骨身で動いていると体の切れ味が良くなり、たくさんの人を魅了する動きができるようになるんです。筋力ばかりだとぎこちなく、世界レベルの動きについていけないでしょうね。 ●仕事のパフォーマンスを上げる秘訣は まず骨をゆるめること ――一般の人のヒントになるようなアドバイスはありませんか? 渡辺:呼吸が大事だと思いますね。ストレスが増すと吸う時間が長くなり、その分、吐く時間が短くなります。 松村:そうした深い呼吸をするためにも、体幹のやわらかさは必要ですね。体を固めてしまうと横隔膜が動かなくなり、呼吸も浅くなります。 渡辺:先ほど話したあばらのほぐしに加え、整体的には小指をもむこともおすすめですね。小指をほぐすと副交感神経が優位になり、リラックス度が増すと言われているんです。 松村:指をもむのはいいですね。第一関節の部分をこまめにもんであげるだけで、ストレスケアになりますよ。 渡辺:ゴルフボールの上に足裏を乗せ、体重をかけてグリグリやると、老廃物がとれ、全身がすっきりします。ストレスがたまっていると痛みは強いですが、体のほうは喜びますよね(笑)。 松村:皆さん、頑張りすぎているんですよ。だから、まずはゆるめてあげる。骨ストレッチを実践する場合も、言われたことをこなすだけでなく、心地よさを体感することが大事です。心地よさを求めるのはハイパフォーマンス、頑張りを求めるのはローパフォーマンスですから。 ――渡辺さんは、去年、武井壮さんらとのチームでマスターズのリレーでアジア新記録を出しましたが、今後のチャレンジは? 渡辺:まだまだ体力的に問題はないですし、マスターズでも、実業団でも記録は出せると思っています。ですから、当面は記録もしっかり求めていきますが、同時に体の使い方をもっと極めていき、人が見ていてワクワクするような自分も周りも楽しくなる走りを実現していきたいですね。 松村:体が喜ぶことって、じつは「常識外れ」のことが多いんです。その意味では、頭を柔軟にして、非常識な発想を身につけていくことも大切です。骨ストレッチを体験することで、皆さんにはこれまでの発想そのものを見直していってほしいと思っています。 渡辺:常識に守られていると安心できますが、正解がその安心の中にあるかというと、そうではないですよね。 松村:非常識であること、不安定であることを怖がらず、楽しんでいくことが、これからの時代で活躍するキーワードでしょう。渡辺さんのこれからの活躍も、大いに期待しています。 (聞き手/構成・長沼敬憲)
ダイヤモンド・オンライン 2016/11/07 00:00
バレー女子日本代表監督の中田久美に高まる期待 選手を惹きつけるカリスマ性と“もう一つの武器”
バレー女子日本代表監督の中田久美に高まる期待 選手を惹きつけるカリスマ性と“もう一つの武器”
男子新監督に就任した中垣内氏(左)と女子新監督に就任した中田氏=能田英二撮影 (c)朝日新聞社  10月26日、男女バレーボール日本代表を率いる新監督が発表された。  男子はかつてスーパーエースとして君臨し、指導者として堺ブレイザーズを日本一に導いた中垣内祐一氏、女子は日本の司令塔として活躍した天才セッター、指導者としては久光製薬を率いてVプレミアリーグ、天皇皇后杯など数多くのタイトルを獲得した中田久美氏が就任した。  両者とも、選手時代には世界と戦ってきた経験は今更語るまでもないが、指導者として世界と対峙(たいじ)するのは初めて。中田監督は、久光製薬で世界クラブ選手権に三度出場しているが、10月に開催された本年度は監督就任が発表される2日前に帰国、6位という成績を「心が折れて帰って来た」と言うように、表彰台にはあと一歩、届かずにいる。  当面の期間は2年だと言うが、当然ながらその先にある2020年の東京五輪を視野に入れた監督就任であるのは周知の通り。中垣内、中田両監督が世界とどう渡り合うのか。その手腕に、多くの注目が集まっている。 「久美さんって、すごい選手だったんですか?」  聞いているこちらが一瞬耳を疑うようなセリフを、高校生たちは全く臆さず口にする。今から5年前、2011年にトルコ・アンカラで開催された女子ユース(U-17)世界選手権でのことだった。  食事の席ではいつも、他愛もない話で盛り上がり、その中心にはいつも中田監督がいた。16歳、17歳の選手たちは現役時代を直接見たことはないが、その後も解説者としてバレーボール中継を見れば中田監督の姿がある。親や、それぞれの高校の指導者からも、その前年にユース代表コーチとなった中田監督の現役時代については聞いたことがある、という選手ばかり。  だが、聞くばかりで見たことはない。練習中も、試合の最中も、ささいな疑問を投げかければ丁寧に答えてくれて、コートを離れれば優しく冗談交じりで接してくれる中田監督の姿が、高校生にとってはすべてで、ごく自然に、ある意味怖いもの知らずに冒頭の質問をしてのけた。  その答えは、実にあっさりしたものだった。 「すごかったよ~。見せてあげたいね。びっくりするよ」  屈託なく、「そうなんだ」と目を輝かせる選手たちと一緒に笑う。口数の少ない選手がいればさりげなく気を配り、試合で途中交代した選手や、ケガで試合に出場できなくなってしまった選手には移動中や、試合後のホテルで声をかけ、最後は「大丈夫だからね」と背中を押す。夜通し自チームと、対戦相手のデータや映像を見て、寝る時間はほとんどなくてもそんな素振りなど少しも見せずに若い選手たちと接していた。  娘といってもおかしくないほど歳の離れた選手たちとも、分け隔てなく接する。そのコミュニケーション力こそが、中田監督の持つ才であり、大きな武器だ。選手の個性を見抜き、声をかけるタイミングを計り、精神面のフォローが必要だと思えば1対1で何時間も時間を割いて本音を語り、技術面で迷っていると感じればデータや映像を一緒に見ながら「こうしたほうがいいんじゃない?」とさりげなく方法を導き出す。  現役時代から今も光るカリスマ性だけでなく、今も選手を惹きつける力は、綿密なコミュニケーション力があってこそ、なされてきたものだった。  ユース代表でも見せた抜群のコミュニケーション能力は久光製薬でも発揮され、Vプレミアリーグや天皇皇后杯を連覇するなど、強豪を常勝チームへと引き上げた功績が今回の監督就任につながっているのは間違いない。  とはいえ、リオデジャネイロ五輪で見せつけられたように、世界の進歩は想像をはるかに超えるスピードで進み、大型化は当たり前、190センチを越える選手も器用に基本のプレーを確実にこなすスキルを持ち、なおかつ自分が生きるための武器を持ち、戦術理解度、遂行度も高い。もちろんそれはシニア代表に限らず、ユースやジュニア(U-19)年代も同様だ。  その中で勝つために、どんな手を打つべきか。  中田監督は久光製薬で「ワンフレームのバレー」を実践してきた。動きのスピードを高め、パスは高く上げずに流れるような動きの中で精度の高いバレーを展開するスタイルのことだ。「手段としては必要になってくると考えている」と就任会見で述べたように、おそらく「ワンフレームのバレー」が中田監督率いる新生日本代表のベースとなるのは間違いないが、それだけでは勝てないことも世界クラブ選手権で嫌というほど思い知らされている。 世界で勝つために最も適した方法は何か。きっと頭の中の設計図には、幾重にも進化した戦い方が描かれているはずだ。  選手もコーチも少数精鋭で臨み「日の丸のプライド」を伝えたい、と語る新指揮官がどんなチームをつくり、どんなバレーを魅せるのか。新たなステージでの挑戦の行方に、期待は高まるばかりだ。(文・田中夕子)
dot. 2016/11/06 16:00
【追悼】登山家・田部井淳子さん エベレスト頂上に残した“未練”
【追悼】登山家・田部井淳子さん エベレスト頂上に残した“未練”
田部井淳子さんが女性初の登頂者となったエベレスト  登山家の田部井淳子さんが10月20日に亡くなった。享年77。世界最高峰エベレスト(8848メートル)の女性初の登頂者で、女性初の7大陸最高峰制覇も果たした。著書や講演などで山の魅力を伝え、中高年登山ブームの礎を築いた。だが、あの笑顔の背景には、人知れぬ苦労もあった。  2013年春、ネパール。私は「エベレスト街道」と呼ばれるトレッキングルートを歩いていた。当時80歳で、エベレストの最高齢登頂に挑む三浦雄一郎さんを取材するため、ベースキャンプ(BC)を目指していた。拠点集落のナムチェバザールへの急な上り坂が始まる吊り橋の手前で、前から来る小柄な女性に声をかけられた。 「あら、近藤さん! 何でこんなところにいるの?」  田部井さんが夫の政伸さん(75)たちとともに下ってきていた。こちらから同じ質問を返したところ、 「今回は完全にプライベート。久しぶりにネパールを満喫しているのよ。以前、近藤さんと一緒にBCに行ったときに比べると、エベレスト街道も変わっちゃったね……」  いつもの笑顔だった。まさか、前年に「腹膜にがんがあり、余命3カ月」と診断されて手術を受けたなんて、このときの私は知らなかった──。  田部井さんは福島県生まれ。1962年に昭和女子大を卒業後、社会人山岳会に入り、日本アルプスや谷川岳などに通った。69年、「女子だけで海外遠征を」を合言葉に女子登攀クラブを設立。75年、エベレスト日本女子登山隊に副隊長兼登攀隊長として参加し、女性初の登頂に成功した。35歳で、1児の母だったため、「エベレストママさんの快挙」として世界中に名を知られた。  92年には欧州最高峰エルブルース(5642メートル)に登り、女性初・日本人初の7大陸最高峰制覇。その後も、世界各国の最高峰登頂を目標に掲げ、70カ国以上の山々に登ってきた。  バイタリティーにあふれ、登山家という枠には収まらない活躍ぶりだった。エベレスト初登頂者のエドモンド・ヒラリー卿に頼まれ、山岳環境保護団体「日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト(HAT−J)」を設立し、代表を務めた。子育てや仕事で忙しい20~40代の女性のための山の会「MJリンク」もつくった。山でも街でも着られるアウトドア・ブランド「JUNKO TABEI」は女性に大人気。エッセーや山岳紀行の著書も多い。趣味では、水泳も、シャンソンも……。  そんな田部井さんに私が初めて会ったのは、彼女が「一緒にエベレストBCに行った」と回顧した99年5月だった。  当時、九州大大学院で「エベレストのゴミ問題」を研究していた田部井さんは、修士論文執筆のため、調査隊を組んでBCに赴き、1カ月ほど現地調査を実施。私はその同行取材をしたのだった。  底抜けに明るく、サービス精神が旺盛な人だった。取材に対する受け答えは丁寧かつ親切で、カトマンズの案内までしてくれた。  BCは標高約5300メートル。酸素は平地の2分の1しかない。高度に慣れるため、私たちはエベレスト街道を10日近く歩き、徐々に高みを目指した。  道中、山の歌を歌い、元気づけてくれた。政伸さんによれば、「高山病になると気分が沈みがちになる。歌ったり会話をしたりすれば、酸素をよく取り込め、症状が軽減する」というのが田部井さんの持論だったという。  隊員や私は毎晩、食堂のテントで田部井さんを囲み、「炉端談議」に興じた。  最も印象に残ったのは、エベレスト登山の資金集めの話。企業に寄付を頼み、何度も断られた。拒否されるばかりか、「女性だけでエベレストに登れるはずがない」「女性は家庭を守り、子どもをしっかり育てなさい」と言われることもあったという。  田部井さんは私に「足裏マッサージ」も施してくれた。2人で向かい合って座り、互いの足を親指から1本ずつ引っ張ってもむ。さらに土踏まずを指で押し、かかとの両脇を指でつまむ。これで一日の疲れがすっと癒やされた。  BC滞在中、田部井さんがゴミ問題に取り組んだ理由を聞かされた。75年にエベレストに登った際、「登頂記念」として頂上直下に空の酸素ボンベを埋めてきたというのだ。ボンベには「エベレスト日本女子登山隊」の略「JWEE」の文字があった。「今も埋まっていると思うと、いたたまれない気持ちになるの」  初登頂後の戸惑いについても語ってくれた。 「ネパール国王に勲章をいただき、天皇陛下との昼食会に招かれた。一夜にして世界が変わったみたいだった。登山隊の代表として登頂したわけで、私自身、何も変わっていないのに」  あれからざっと17年。大きな山岳遭難があったときも、女性登山家が活躍したときも、ヒラリー卿が死去したときも、「山ガール」がもてはやされたときも、ことあるごとに田部井さんに取材した。いつも、あの笑顔で答えてくれた。  最近では、東日本大震災で被災した高校生たちを元気づけるために企画した富士登山の取材が印象深い。毎年夏に実施し、すでに415人が参加したと聞く。  世界に勇名を馳(は)せた登山家でありながら、少しも偉ぶらない「笑顔のすてきなおばさん」だった。(朝日新聞山岳専門記者・近藤幸夫) ※週刊朝日 2016年11月11日号
お悔やみ
週刊朝日 2016/11/03 07:00
リオで感じたソーシャルの風 テレビに映らない五輪ネット事情
リオで感じたソーシャルの風 テレビに映らない五輪ネット事情
リオTBS取材班のメンバー。著者は左から2人目 スマホ片手の観戦は当たり前の風景に 図1 ●異例ずくめで始まったリオオリンピック    2016年8月20日。オリンピック最後の土曜日。リオ・デ・ジャネイロ市バッハ地区にあるオリンピックパークは、期間中最も多くの人で賑わっていた。まもなく男子サッカーの決勝戦が始まるとあって、広場はブラジルのユニフォームと、ほぼ同色のボランティアの制服で埋め尽くされ、私はカナリア色の人々の群れに圧倒されていた。  オリンピックパーク広場の地面は、“砂利コン”の上に緑色のペンキを塗っただけの粗悪なもの。その色こそカナリア色の人々とマッチするものの、冬でも30度まで上がったこの日は灼熱地獄そのもの。それでもブラジルの人たちは日陰を見つけては寝そべり、日時計のように影に合わせてのんびりと移動していく。  思えば、異例づくしの大会だった。ジルマ・ルセフ大統領の職務停止(8月31日に失職)、ジカ熱の流行、リオ市周辺の治安の悪さなどが日本でも大きく報道され、私たち取材メディアもバス・地下鉄・タクシーなど公共交通の利用は極力控えるよう指示されていた。  私もリオ滞在中の9割以上の時間を、メディア村(宿舎)とIBC(国際放送センター)、そしてIBCに隣接するオリンピックパークのみで過ごすという異常事態。これは各国とも似たようなもので、宿舎の朝食ビュッフェでは「どこは安全」だの「これでは『籠の中の鳥』だ」だのと嘆く声をよく耳にした。  期間中、日本総領事館に寄せられた日本人の犯罪被害は28件。「日本人は、マメに届けるねえ」というブラジル人の冗談はさておき、無事に帰れたことに感謝すべきなのかもしれないが。   ●「米NBC、リオ五輪視聴者数が大幅ダウン」の衝撃     夕方になると、つい先ほどまでの晴天がウソのように強い雨と風に変わった。蜘蛛の子を散らすように、トンネルに殺到する雨宿りの人々を横目で見ながら、私は気になる見出しのことを考えていた。東京の放送局の友人がフェイスブックにアップしていた米ブルームバーグの記事だ。  「米NBC、リオ五輪視聴者数が大幅ダウン」  米4大ネットワークの一つであるNBCは、2000年のシドニー大会以降、全米におけるオリンピック放送を独占している。すでに14年ソチ大会から32年まで、夏季冬季合わせて10大会の独占放映権料=約120億ドル(約1兆3000億円)を支払い済み。IOC最大のお得意様である(ちなみに日本の放映権料は、18年〜24年の4大会で約1100億円)。  世界中の放送局が集まるIBCでも、NBCのブース面積は最大だ。その広さは日本の放送局ブース全体の約2倍。ブースの入口には自前の黒人ガードマンが立ち、IDと手荷物検査を行うという厳重な警戒ぶり。NBCの記者に聞いてみると、ブース内には専属シェフ付きの24時間専用食堂もあるという。  オリンピックパーク内を走る専用カートも、オリンピック放送(国際映像)を制作するオリンピック放送機構(OBS)、地元ブラジルの放送局TVグローボ(Rege Globo)と並んで特別に使用が許可されている。NBCの別格扱いを目の当たりにしていただけに、記事の衝撃は大きい。  NBCによれば、2000年シドニー大会以降、右肩上がりを続けてきたオリンピック視聴者数が、初めて前回大会を下回ったという。プライムタイムの平均視聴者数は約2540万人。前回のロンドン大会の約3030万人に比べ、約17%ダウンしたのだ。  さらに広告主が最も欲しがる18歳〜34歳の平均視聴者数は約360万人と、前回より約30%ダウン。若者のテレビ離れがいよいよ鮮明となった。   NBCの幹部は「若者たちは、フェイスブックやスナップチャットに夢中で、オリンピックが始まったことに気づかなかったのでは」という、ボヤキとも取れるコメントを出している。   ●スポーツを視聴する層の高齢化が止まらない     でも、ちょっと待って。これってどこかで聞いた話ではなかったか? ハッと思い出したのが、図1である。2007年ニューヨーク大学(NYU)大学院で、クレイ・シャーキーが語った「マスメディアの時代から、ソーシャルメディアの時代へ」の変化の構図だ。  「視聴者が、テレビから一方的に情報を受け入れるしかなかった『マスメディアの時代』はまもなく終わり、個々人が発信する大量の情報の中でテレビの情報さえ埋もれてしまう『ソーシャルメディアの時代』がやってくる」。  そう、これはまさにあの“早口クレイ”が予告した状況ではないのか?  一方で、リオオリンピックはNBCが初めてプライムタイムでストリーミング中継をした記念すべき大会となった。ストリーミングの視聴者数は、ユニークユーザーで1億人を突破。ロンドン大会に比べ29%アップ。その半数は35歳以下だったという。この結果を受け、NBCは「リオはメディア史上最も成功した大会」と総括した。  しかし、私が気になったのは「20代以下の若者に『スポーツ離れ』が起きているのでは?」というブルームバーグの指摘だった。これまでスポーツはテレビ・コンテンツの「最後の砦」と言われてきた。しかし、スポーツ放送を視聴する層の高齢化が止まらないというのだ。  イマドキの若者にとっては、スポーツ放送より「マイタイム」、自分の趣味・嗜好を重視する時間の過ごし方が優先されるという。   この記事を読んだとき、私の背中に冷たいものが走った。なぜなら、リオの会場でも同じような流れを感じていたからだ。   ●競技そっちのけで「セルフィー」にはまる若者たち    「リオでは、スマホを見せるな」と出発前によく言われた。実際にはオリンピックパークのスマートフォン普及率は9割以上。あちこちでセルフィー(自撮り写真)を撮っている人々がいた(さすがに、「自撮り棒」は見かけなかったが)。それは競技会場でも変わらない。  あまりにセルフィーを撮る人が多いので、試しに「撮りますよ」と声をかけてみることにした。すると30代以上は、ほぼ全員が喜んで写真を撮らせてくれる。ところが20代以下となると(しかも女子グループは)半分以上が「ノー・オブリガーダ(大丈夫っす)」。  しかもこの連中ときたら、アングルを変え、表情を変え、お気に入りの写真が撮れるまで、何カットでも撮り続ける。競技そっちのけである。  ああ、そうか。彼女たちは自分たちの写真をセルフ・プロデュースしたいんだ! 実際、若者に人気のインスタグラムやスナップチャットは、残したくない写真は自動消滅し、気に入った写真や動画のみが保存されることが人気の秘密だという。  セルフィーのほかに観客がやっているのが、動画撮影だ。ブラジル人選手やウサイン・ボルト、マイケル・フェルプスといった有名選手が登場すると、会場のあちこちで動画撮影が始まる。撮影すると即、インスタグラムなどのSNSにアップロード。  さすがに「ライブ配信」する猛者は見かけなかったが、4年後には出てきてもおかしくないほど、人々はスマホと一体化して観戦していた。  また驚いたのは、競泳のレース途中にスマホでストリーミング中継を見ていた人がいたこと。確かに会場では、選手の寄り(アップ)の映像が見られない。ストリーミング中継を見ながら現場で見る、最強だ。   ●ネットがないと、仕事にならぬ     取材現場でも、あらためてインターネットの重要性が浮き彫りになった大会だった。携帯電話が通じなくても、無料通話アプリのLINEが大活躍。LINE電話によるリオ市内での通話、そして東京との通話は驚くほど良好だった。通話が無料であることはもちろん、写真や短い動画をすぐに送れることが情報共有に何よりも役立った。  また取材映像の伝送や現地からの中継についても、インターネットによる伝送や中継が実に有効だった。インターネットの長所は、大規模な設備や人数をかけずに、ネット環境さえあればどこでも簡単に作業を進められること。実際、一人で立ちレポをセルフィー収録し、インターネット伝送する外国メディアの姿も数多く見かけた。  私が一番感動したのは、「電子パッド・フリップ」である。東京で作ったフリップ原稿が、リオの電子パッドにほぼ同時に同期される。紙フリップの節約もあるが、まるで東京にいるかのような錯覚を起こすほどの速さとクオリティだった。  もはや海外取材では、携帯Wi―Fiは必須である。2020年東京でも海外メディアにとって無料Wi―Fiの整備は、最重要課題となるだろう。   ●放映権とソーシャルとの境界線をどう設定していくかという課題      競技会場にチケットで入場して驚いたのはその緩さだった。もちろん、オリンピックパークに入るときに、手荷物検査とボディチェックは済んでいる。とはいえ、コンサート会場でよくあるカメラやビデオの持ち込み制限は一切なかった。会場内で観客がスマホやビデオで撮影することも、まったく問題なし。  巨額の放映権料を得ているIOCは、そもそも映像に対する規制は厳しい。なのに、観客たちには自由に撮影させ、SNSに投稿させているのは、もしや高度なプロモーション戦略なのか?  もちろん、すべての観客のSNSをチェックすることは至難の業だ。できることといえば、ユーチューブなどで広告収入を得ている動画を取り締まるくらいしかない。  一方で、フェイスブックなどが積極的に進めている「ライブ配信」が、次の東京では大きな課題となる。今回も英BBCなどは、オリンピックパークから積極的にライブ配信を行った。スマホ一つあれば可能な、観客による競技会場内からのライブ配信をどうするのか? 一部のコンサート会場のように、インターネットを遮断するのか? その場合、取材メディアは混乱しないのか?  またSNS各社が、利用者の投稿に広告収入を認めることはないのか? もしあるとすれば、現在のユーチューブを中心に取り締まるレギュレーションが4年後には大きく変わることになる。どちらにしても、放映権をめぐる議論はさらに複雑になるはずだ。   ●オリンピックのドラマは自分で見つけるのが一番!?      しかしリオで最も感じたことは、オリンピックにはメディアが伝え切れないドラマがたくさんあるということだ。日本では放送されない競技や選手にも、それぞれの人生を賭けたドラマがある。  私が気に入ったのは、柔道女子78キロ超級のキム・ミンジョン選手(韓国)。金髪でふてぶてしい外見だったが、3位決定戦で33キロも重い中国人選手を相手に果敢に技を仕掛け続けた。最後は、相手に技を掛けたところをゴロンと返され、一本負け。悔し涙でしばらく立ち上がれなかった彼女に、私は「素晴らしい柔道をありがとう」と声をかけずにはいられなかった。  4年後の東京で、そんなドラマを自分で見つけられるというのは、なんという幸運だろう。これぞ究極の「マイタイム」なのだ。あれっ。 ※1 スナップチャット(Snapchat)=コンテンツを自動消滅させることができるLINEのようなチャットアプリ。 ※2 クレイ・シャーキー(Clay Shirky)=米国ソーシャル研究の第一人者。著書に『みんな集まれ ! ネットワークが世界を動かす』などがある。 ●やまわき・しんすけ 1991年TBS入社。主に情報番組を担当。2007年ニューヨーク大学大学院で「テレビとインターネット」を学ぶ。2009年民放初のツイッター開始、2012年「大炎上生テレビ オレにも言わせろ !」を制作。著書に『Facebook世界を征するソーシャルプラットフォーム』(ソフトバンク新書)がある。
dot. 2016/10/25 07:00
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

ロシアから見える世界

プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

ロシアから見える世界
カテゴリから探す
ニュース
「英首相の純支持率-26% 緊縮財政の中『フリービーでぬくぬく』?」ブレイディみかこ
「英首相の純支持率-26% 緊縮財政の中『フリービーでぬくぬく』?」ブレイディみかこ
AERA 7時間前
教育
古くからの友人に直してほしいところを伝えたが、聞く耳を持ってもらえなかったという29歳男性に、鴻上尚史が贈った「友人関係は変わっていくもの」の真意とは
古くからの友人に直してほしいところを伝えたが、聞く耳を持ってもらえなかったという29歳男性に、鴻上尚史が贈った「友人関係は変わっていくもの」の真意とは
鴻上尚史
dot. 8時間前
エンタメ
「常盤貴子」4年ぶり連ドラ出演にSNSも騒然! かつての“連ドラ女王”の人気がいまだ衰えないワケ〈まれたび ~地震から9か月 “まれ”がみた能登~きょう放送〉
「常盤貴子」4年ぶり連ドラ出演にSNSも騒然! かつての“連ドラ女王”の人気がいまだ衰えないワケ〈まれたび ~地震から9か月 “まれ”がみた能登~きょう放送〉
常盤貴子
dot. 2時間前
スポーツ
ヤクルト・高津監督が続投決定だが… チーム再建はいばらの道、「暗黒時代突入」の懸念も
ヤクルト・高津監督が続投決定だが… チーム再建はいばらの道、「暗黒時代突入」の懸念も
ヤクルト
dot. 6時間前
ヘルス
〈あのときの話題を「再生」〉サラリーマン家庭で医学部に息子2人進学 親子で目指した合格 父「決意を確かめる意味で違う道も提案」
〈あのときの話題を「再生」〉サラリーマン家庭で医学部に息子2人進学 親子で目指した合格 父「決意を確かめる意味で違う道も提案」
医学部に入る2024
dot. 9/26
ビジネス
〈見逃し配信〉単身女性が40代で「広めの中古マンション」を買ったワケ 専門家が指摘する「老後破綻」の注意点
〈見逃し配信〉単身女性が40代で「広めの中古マンション」を買ったワケ 専門家が指摘する「老後破綻」の注意点
家が高すぎる
dot. 16時間前