一冊の本

1月号元在シリア日本大使 国枝 昌樹 Kunieda Masaki独裁者の実像
1月号元在シリア日本大使 国枝 昌樹 Kunieda Masaki独裁者の実像
30年前のエジプトのアンワル・サダト大統領、後継者のホスニー・ムバラク大統領、あるいはイラクのサダーム・フセイン大統領、リビアのムアンマル・カダフィ大佐、そしてシリアのハーフェズ・アサド大統領とその子息バシャール・アサド大統領は現代の独裁者として人々に知られている。
著者から 1/22
1月号作家 市川 拓司 Ichikawa Takuji「避難民」の物語
1月号作家 市川 拓司 Ichikawa Takuji「避難民」の物語
昨年の頭にフランスで『いま、会いにゆきます』のペーパーバックと『そのときは彼によろしく』の単行本がほぼ同時に刊行されることになって、あちらの出版社からプロモーションに来てもらえないか? という打診があったんですね。ぼくはこの小説の「寛太」同様、乗り物すべてに対して恐怖症を持っているので、かなりのためらいはあったんですが、それでも、とりあえずは「伺います」と返答しました。でも、いよいよその日が近づいてくると、やっぱりどうにも飛行機には乗れそうになくて、そのことを考えるだけでパニックになってしまい、結局は土壇場で断ってしまいました。一番落胆したのは同行することになっていたぼくの奥さんです。パリに行ける! ってものすごく楽しみにしていたのに、明確な理由(ぼくにとっては明確ですが)もないままにキャンセルですから。ぼくはいつだってこんな調子です。結婚して30年近く経ちますが、関東から出たことなんてほとんどない。旅行にも映画にもコンサートにも行けず、ひととの集まりにもほとんど顔を出さない。そうしていてさえ心や体を乱さずにいることはとても難しい。
著者から 1/22
12月号憲法学者・首都大学東京准教授 木村 草太 Kimura Souta平和主義の「経験」と「想像力」
12月号憲法学者・首都大学東京准教授 木村 草太 Kimura Souta平和主義の「経験」と「想像力」
2014年7月1日、安倍内閣は、集団的自衛権の行使に関わる閣議決定を行った。この7.1閣議決定の成立には、「平和」を党の基本理念とする公明党が、連立与党として深くかかわっている。では、7.1閣議決定とはどのような内容であり、また、公明党はどのような影響を及ぼしたのだろうか。これが本書のテーマである。
最初の読者から 12/12
12月号ノンフィクション作家 河合 香織 Kawai Kaori日常は異常を内包する
12月号ノンフィクション作家 河合 香織 Kawai Kaori日常は異常を内包する
象が空を飛んでいるのを見たらきっと驚くだろうけれども、そもそも象は空を飛ぶものだと思っていれば驚くこともないだろう。人との距離感も同様で、自分を軽んじる恋人だと思っていれば、どんな扱いを受けたって傷つくこともない。だって、すべて思い定めた通りだから。
最初の読者から 12/12
11月号ライター 佐久間 文子 Sakuma Ayako重厚な建築物を思わせる鮮烈なデビュー作
11月号ライター 佐久間 文子 Sakuma Ayako重厚な建築物を思わせる鮮烈なデビュー作
本書がデビュー作となる若い著者が、禁じられた書物をめぐる、ヨーロッパの重厚な建築物を思わせる世界を果敢に描き切った。
最初の読者から 11/13
11月号作家 仁木 英之 Niki Hideyuki老いて枯れ 老いて壮んな男たち
11月号作家 仁木 英之 Niki Hideyuki老いて枯れ 老いて壮んな男たち
「枯」という字は文字通り枯れる、という意味の他に生気のない、乾いた様を表しているそうです。一方、「壮」という字にはさかん、つよい、いさましい、大きい、大きい男、戦士、などという意味があるとか。
著者から 11/13
11月号東京福祉大学国際交流センター長 遠藤 誉 Endo Homare習近平新政権、完全解剖
11月号東京福祉大学国際交流センター長 遠藤 誉 Endo Homare習近平新政権、完全解剖
「虎も蠅も同時に叩く」をスローガンとして、中国の習近平主席は政権発足後の1年間で18万人以上の腐敗分子を処分した。そのうち15万人は中国共産党の幹部だ。「虎」とは大物の政治家、「蠅」は「虎」のまわりを飛び交う小物たちのことを指す。胡錦濤時代の中央軍事委員会副主席・徐才厚やチャイナ・ナイン(中国共産党中央政治局常務委員9人)の一人だった周永康までが囚われの身となっている。政治局常務委員およびその経験者は政治問題以外の腐敗問題などでは逮捕しないという「聖域」だったが、習近平はその聖域に斬りこんだことになる。
著者から 11/13
11月号作家 江國 香織 Ekuni Kaori小説を言葉の外にだせるかどうか
11月号作家 江國 香織 Ekuni Kaori小説を言葉の外にだせるかどうか
■言葉はどこに行くのか
著者から 11/13
10月号文芸評論家 菊池 仁 Kikuchi Megumi歴史の“場”を借りて、人間の生きる姿勢を描く
10月号文芸評論家 菊池 仁 Kikuchi Megumi歴史の“場”を借りて、人間の生きる姿勢を描く
本書は武士の高潔な生きざまを端正な筆致で刻み込んだ作者のライフワークとも言うべき一編である。作者は三作目の『銀漢の賦』(2007年刊行、松本清張賞受賞)以降、武士の精神のありようを主題として、多くの作品を手がけてきた。本書はそんな作者がさらに精神の高みを極めようと、主人公の人的造形に心血を注いで、この物語を紡いだことをうかがわせる作品に仕上がっている。
最初の読者から 10/7
10月号美術史家 門脇 むつみ Kadowaki Mutsumi十七世紀画壇のスーパースター
10月号美術史家 門脇 むつみ Kadowaki Mutsumi十七世紀画壇のスーパースター
狩野探幽(かのうたんゆう)(1602~74)は、五代続く画家の名門に生をうけ、徳川家康の御用(ごよう)をつとめ、秀忠以降、家光、家綱の御用(お抱え)絵師となり、後水尾(ごみずのお)天皇をはじめとする宮廷の愛顧を得て、73歳で亡くなるまで精力的な活動を続けた。江戸城や御所の障壁画から画帖(がちょう)の小さな画面まで、瀟洒(しょうしゃ)な山水画、迫真の肖像画、華麗な歌仙絵、可憐な花鳥画など、どんな絵にも巧みであった。生前から圧倒的な名声を誇ったが、死後も大きな影響力をもち続け、狩野派が江戸時代を通じて幕府御用絵師の地位を守り日本の画壇を牽引する基礎をつくった画家として顕彰されてきた。
著者から 10/7
10月号言語学者 加藤 重広 Kato Shigehiroことのはぞ悩ましき
10月号言語学者 加藤 重広 Kato Shigehiroことのはぞ悩ましき
言語学を専門にしていると言うと、ときに思いもしない質問を受けることがある。「不良をツッパリというのは相撲用語から来たのですか」「踏切(ふみきり)は通るときエイヤと踏み切るからですか」「consent(コンセント)は同意するという意味の動詞なのに、なんで電源の差込口を言うんですか」など、その多くは語源に関わるものである。たいていはその場でなんとか答えられるが、それでも詳しく調べないと断定できないことが多く、中には全くの難問でお手上げということもある。
著者から 10/7
10月号作家 湊 かなえ Minato Kanae旅をする本
10月号作家 湊 かなえ Minato Kanae旅をする本
――『物語のおわり』は、北海道を旅する人々が「空の彼方」という小説を手渡されることから物語が展開していきますが、こういった作品を書こうと思われたきっかけについて教えてください。
著者から 10/7
この話題を考える
大谷翔平 その先へ

大谷翔平 その先へ

米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。

大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024

アメリカ大統領選挙2024

共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。

米大統領選2024
本にひたる

本にひたる

暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。

自分を創る本
9月号文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu「キマイラ」の世界に遊べ
9月号文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu「キマイラ」の世界に遊べ
夢枕獏のライフワークである「キマイラ・吼」シリーズの最新作が、遂に刊行された。前作『キマイラ9』の出版が、2010年8月なので、実に4年ぶりになる。だがまあ、作者のファンにとっては、それほど待ったという思いはない。シリーズ第1弾『幻獣少年キマイラ』が、今は無き朝日ソノラマ文庫から出たのが、1982年のこと。すでに30余年以上にわたり、読み続けているのだ。とっくの昔に、いつまでも待つ覚悟は出来ている。だから4年程度、どうということもない。
最初の読者から 9/18
9月号株式会社インスパイア取締役ファウンダー 成毛 眞 Naruke Makotoめまぐるしい変化を先読みする目
9月号株式会社インスパイア取締役ファウンダー 成毛 眞 Naruke Makotoめまぐるしい変化を先読みする目
2011年あたりを境にして、日本だけではなく世界中が驚くべきスピードで変化しはじめた。あまりに多くの地域と分野が同時に変化しつつあるため、それぞれの変化の激烈さにも慣れてしまい、感覚が鈍化しはじめているようだ。個人も国家も思慮に欠け、予測が立っていないような手荒なことを、いとも簡単に行ってしまうことが普通になりつつあるような気がするのだ。
著者から 9/18
9月号文芸評論家 西上心太 Nishigami Shinta平成育ちの若者が「ラジオの原点回帰」を目指す
9月号文芸評論家 西上心太 Nishigami Shinta平成育ちの若者が「ラジオの原点回帰」を目指す
初めてラジオの深夜放送を聞いたのは、たしか中学1年生の2学期ごろだった。1969年(昭和44年)のことである。おいおい、いつの間に半世紀近くも経ったんだよ。
最初の読者から 9/18
9月号弁護士 宇都宮健児 Utsunomiya Kenji集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて
9月号弁護士 宇都宮健児 Utsunomiya Kenji集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて
安倍政権は7月1日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行った。
著者から 9/18
8月号書評家 杉江松恋 Sugie Mckoy強くあれ、そして優しくあれという祈り
8月号書評家 杉江松恋 Sugie Mckoy強くあれ、そして優しくあれという祈り
宮部みゆき作品の手触りは柔らかく、心地よい。
最初の読者から 8/14
8月号茨城大学教授・マヤ考古学者 青山和夫 Aoyama Kazuo「真の世界史」から学ぶ
8月号茨城大学教授・マヤ考古学者 青山和夫 Aoyama Kazuo「真の世界史」から学ぶ
私たちが、中学・高校で学んだ世界史は、「真の世界史」では決してない。それは、西洋史が西ヨーロッパの列強とアメリカ合衆国、東洋史が中国を中心とする「偏った世界史」である。世界はいわゆる旧大陸の「四大文明」だけではなかった。メソアメリカとアンデスという、コロンブス以前のアメリカ大陸の二大文明を十分に語ることなくしては、世界史を正しく再構成できない。なぜならば古代アメリカの二大文明は、旧大陸と交流することなく、「四大文明」と同様に、もともと何もないところから独自に生まれた文明、つまり一次文明を独自に形成したからである。
著者から 8/14
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