一冊の本

7月号元参議院議員 田村耕太郎 Tamura Kotaro永田町で鍛えた“非戦”の処世術
7月号元参議院議員 田村耕太郎 Tamura Kotaro永田町で鍛えた“非戦”の処世術
私自身かつて「アホと戦う最低のアホ」だった。アホと戦う虚しさと無駄さを、心身で実感している身だ。だから、この本の内容にはかなりの自信を持っている。
著者から 7/23
7月号俳人・「秋麗」主宰 藤田直子 Fujita Naokoくだものがもたらす幸福感を味わう
7月号俳人・「秋麗」主宰 藤田直子 Fujita Naokoくだものがもたらす幸福感を味わう
茨木のり子の詩「六月」に次のフレーズがある。
最初の読者から 7/23
6月号朝日新聞特別編集委員 星浩 Hoshi Hiroshi最高権力者にどう仕えるか
6月号朝日新聞特別編集委員 星浩 Hoshi Hiroshi最高権力者にどう仕えるか
政治記者の取材対象として面白いポストは、自民党幹事長と内閣官房長官だと思う。朝日新聞を含め新聞社の政治部だと、駆け出しの1年ほどは「総理番」と呼ばれる首相の追っかけ取材をする。その後、野党や役所に配属され、さらに政権与党や首相官邸の官房長官などを担当する。この数年間は、夜討ち朝駆けの毎日。体力がものを言う。
著者から 6/6
6月号英文学者・文芸評論家 阿部公彦 Abe Masahiko教室で体感する小説的世界
6月号英文学者・文芸評論家 阿部公彦 Abe Masahiko教室で体感する小説的世界
大学の教室で文学作品を扱うのには困難が伴う。とりわけ小説は難しい。大学という場の性質上、どうしても“解釈”や“議論”を看板にかかげたくなるが、そもそも小説とは「俗」に発するもの。それなのに日常生活の中でほとんど小説など読まない今の若者に対して、小説作品についての精妙な解釈を開陳したり、複雑な議論を熱っぽく展開して何の意味があるのか。
最初の読者から 6/6
5月号幼児教室「アンテナ・プレスクール」校長 石井至 Ishii Itaru我が子に望むこと
5月号幼児教室「アンテナ・プレスクール」校長 石井至 Ishii Itaru我が子に望むこと
ずいぶん生きづらい時代になってきた、と思う。
著者から 6/5
5月号帝京大学医学部外科准教授 新見正則 Niimi Masanori進歩し続けているからこそ不確実な医療
5月号帝京大学医学部外科准教授 新見正則 Niimi Masanori進歩し続けているからこそ不確実な医療
2014年4月5日付の朝日新聞に「『健康』基準、緩めます 血圧・肥満度など、学会見直し」という記事が掲載された。11年に人間ドックを受けた約150万人のうち、「たばこを吸わず、持病がない」などの条件を満たす約34万人の「健康な人」から5万人を抽出して27検査項目を調べたものだそうだ。
著者から 6/5
5月号甲南大学教授 田中貴子 Tanaka Takako青い鳥を探して
5月号甲南大学教授 田中貴子 Tanaka Takako青い鳥を探して
ふた昔、いや、ひと昔前でも、オジサンと呼ばれる年代の男性が通勤電車で開く本は時代小説が多かった。それも、剣豪小説と呼ばれる男性作家のものばかり。しかし現在、時代小説はもう「男の聖域」を離れ、世代や性別を問わず広い読者層に親しまれるようになった。その功績者は、女性の時代小説作家だと言ってよいだろう。忠義と剣に生きる「おさむらい」に、お色気悪女か純情おぼこといったステレオタイプな女が絡む小説を喜ぶ読者ばかりではない(ドラマの「水戸黄門」に由美かおるの入浴シーンが1回はあるようなヤツですね)。女性時代作家の特色は、今まであまり描かれることのなかった職業や境遇の人々を細やかに語る点である。本書の著者もその一人だ。
最初の読者から 6/5
5月号ケアタウン小平クリニック 山崎章郎 Yamazaki Fumioがんを生きる道標
5月号ケアタウン小平クリニック 山崎章郎 Yamazaki Fumioがんを生きる道標
2人に1人が、がんになり、3人に1人が、がん死している現実がある。老化もその大きな原因であるがんは、今後、団塊の世代に襲いかかり、やがて2人に1人が、がんで死亡すると言われている。このような現実を直視し、腹をくくり、誰もが、がんになり、がんで死亡するかもしれないことを自らの人生設計にいれながら生きることが求められている。
がん
最初の読者から 6/5
4月号文芸評論家 三浦雅士 Miura Masashi歴史学の新しい流儀
4月号文芸評論家 三浦雅士 Miura Masashi歴史学の新しい流儀
先日、五味文彦の『後鳥羽上皇』を読んでさまざまなことを考えた。目崎徳衛の『史伝 後鳥羽院』もそうだが、歴史と文学、政治と文学についてまったく新しい眼で眺めるよう促されていると思えたのである。これは網野善彦の仕事と対比するといっそう明瞭になるのだが、網野の著作がフランスのアナール派に一脈通じる民衆史の文脈で話題になったのと対照的に、五味や目崎の著作では、固有名を持った1人の人間がそれ自体ひとつの政治的な装置として機能せざるをえないその仕組が顕わになるのである。もともと人間とはそういうものとしてあると思わせられる。
最初の読者から 4/22
4月号ジャーナリスト 斎藤貴男 Saito Takao「ジャーナリズム」の出番
4月号ジャーナリスト 斎藤貴男 Saito Takao「ジャーナリズム」の出番
今日もテレビで安倍晋三首相が誇らしげな笑みを湛えている。国会中継でも定時のニュースでも自信満々、「強い日本」を掲げては集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の緩和、憲法解釈の大幅な変更等々を謳い上げ、「積極的平和主義」なるキャッチコピーまで生み出した。
著者から 4/22
4月号東京大学名誉教授・内科医 大井玄 Ohi Gen治せぬ医療の難しさ
4月号東京大学名誉教授・内科医 大井玄 Ohi Gen治せぬ医療の難しさ
若い頃、医療の力に魅せられたことがあった。亡国病といわれた結核をはじめとして感染症が次々に治るようになり、小児白血病の多くは治り、尿毒症といわれ致死的な腎不全が人工透析を受ければ何年も延命できるようになった時代である。
著者から 4/14
4月号書評家 大矢博子 Oya Hiroko読者を抉る企み
4月号書評家 大矢博子 Oya Hiroko読者を抉る企み
10の物語があり、10人の主人公がいる。
最初の読者から 4/14
この話題を考える
大谷翔平 その先へ

大谷翔平 その先へ

米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。

大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024

アメリカ大統領選挙2024

共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。

米大統領選2024
本にひたる

本にひたる

暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。

自分を創る本
3月号女優 本上まなみ Honjo Manami朝も昼も夜もごはんのことばかり
3月号女優 本上まなみ Honjo Manami朝も昼も夜もごはんのことばかり
「今日は何を食べようか?」  家族でするこの相談ほど、のんきで幸せなものはありません。穏やかに全員揃って食卓を囲めることのありがたさをしみじみ感じます。  朝ごはんの時にお昼の、お昼には夜の献立を考えるのが私の常です。買いものに行って、いいお刺身のサクを見つけると(半分は昆布じめにしておこう)とか、特売の鶏のささみがあったら(一部は蒸しておいて明日サラダにでもしよう)とか、もちろん外に出て食べるのも、あれこれ思案するのが楽しみ、大げさに言うと生きがいなのです。朝も昼も夜もごはんのことばかり考えているわけで、ちょっとメンボクない。  なんとまあこれで7冊目となるエッセイ集は、初めての食べものしばりで、基調は「今日は何を食べようか」、つまりはいつも以上にたいへんのんきな本となる模様です。重ねてメンボクない。  思えば小さいころから台所に立つのが好きでした。田舎へ行けば、祖母の脇にいて大きなすり鉢でゴマをあたるのを率先して手伝ったものです。祖母がすり鉢に残った甘く香ばしいゴマ和えの和え衣をごはんにちょんちょんとまぶし、ぎゅっと片手で握って「まなたん、ほら」と口に入れてくれるのが嬉しくて、ツバメのヒナみたいにぱかっと口を開けて待っていたのを思い出します。10歳くらいからは家でも一品任されたりして、いつも張り切ってサラダやおひたしを作っていたっけ。  食にまつわる本は早くからうっとり読んでいました。小学生時代からの座右の料理書は、今はなき雑誌『婦人倶楽部』の付録「おばあちゃんの台所知恵事典」。昭和57年4月発行のもので、裏表紙はイチジク浣腸の広告です。付録なので安手の佇まいなれど、この冊子あなどるなかれ、約800の役立ちアイデアが満載の豪華本なのです。  たとえば《火なしコンロの活用を》というのがあって、熱い鍋ややかんをふた付き木箱に入れ、間に布などを詰めて保温しながら余熱で調理すると燃料節約になるというもの。《燃料の不足した戦中、戦後の知恵》だが、《昨今のジャーにも匹敵》とか。ほかにも《パンの耳の利用法》《チャーハンのしょうゆは鍋の縁から入れる》《雑煮の味は、元旦は夫方、2日は妻方の味で作る》。バナナをナイフとフォークで上品に食べる、なんて現代ではたぶん見かけない、胸がきゅんとするような図解もある。ページを開けば、それらにいちいち「へえ!」と感心していた地味な小学生の私が甦ってきます。文字通り私の「おばあちゃんの台所」の匂いが立ちのぼってくる。  今私の隣にいるのは7歳の娘。あのころの私と同じようにこの“現場”をうろうろ、義母の丹精した大根、千切りにしたのをつまんでみたり、おだしに味噌を溶いたり、おやつの白玉だんごを丸めたり、恐る恐る魚の口を開けて歯を触ったりしている。やっぱり食べること、食材いじりが好きなのです。「何食べてるの?」誰かが口をもぐもぐさせていると思わず聞いてしまうのも娘は受け継いでいて、夫からは「遺伝子ってすごいなあ」と呆れられる始末。  この娘は常に興味津々で私の手元をのぞき込んでくるので、私は直ちに(かなりいばって)指南を始めます。包丁を握ったら左手は猫の手みたいに円くし食材を押さえて切ること。青菜をゆがいたら冷水にとること。魚は頭を左にしてお皿に載せること。手綱こんにゃくの作り方。茹で玉子を糸で飾り切りにすること。料理の盛りつけは中高(なかだか)にこんもりと盛ること。お味噌汁をぐつぐつ煮ないこと。時には一緒に手を動かし、時には横で見守りながら、気づけばまさにあの付録冊子のような数々の教えを説いているのでした。もちろん本以上に教わってきた祖母や母、叔母たちからのごはん作りの技。それを娘や今はまだ足元でころころしている1歳の息子に伝えていくことがこれからの私の喜びであり、使命だとさえ思っています。  たった数年で2人の暮らしが4人になったように、家族というものはとても移ろいやすいカタチです。減ったり増えたり。ただそれが何人でも、中心にあるのはやっぱり食卓だと思う。それを囲む夫や子どもたち、時には両親や友人たちもまじえて、「おいしいね」「おいしいよ」「今日は何食べようか?」と普通に言い合える日々が、普通に続くことを願います。
著者から 3/14
3月号医師 日野原重明 Hinohara Shigeaki102歳、はじめての絵本で伝えたかったこと
3月号医師 日野原重明 Hinohara Shigeaki102歳、はじめての絵本で伝えたかったこと
このたび、私がはじめて書いた絵本「だいすきなおばあちゃん」が刊行されることになりました。  きっかけは2年前です。私は毎年、新年を迎えるごとに新しいことをはじめる習慣を実行しているのですが、100歳のお正月に、今年は絵本を書こうと思いたちました。  かねてから考えていた、「子どもと死」「自宅でできる看取り」というテーマを絵本にして、子どもたちはもちろん、幅広い世代の方にも語りかけたいと思ったのです。  核家族化が進んでいる現代の日本社会ですが、私の子どものころは3世代が一緒に暮らすのは当たり前のことでした。私は今でも、子どもたちがおじいちゃんおばあちゃんと共に暮らすことの重要性を感じています。父親や母親は、仕事や、食事作り、そのほか生活上のいろいろなことで毎日忙しく、子どもとじっくり向き合う時間をとることは現実にはなかなか難しいものです。もし、家庭におばあちゃんが同居しておれば、おばあちゃんから箸の持ちかたやお魚の食べかたなどの生活上必要な作法を教えてもらえるだけでなく、昔からの手遊びやお話などもしてもらえるでしょう。おばあちゃんは、子どもたちの話を「うんうん」と聞いてくれることでしょう。忙しい両親には行き届かない部分を、おばあちゃんは上手にカバーしてくれるはずです。  私も子どものころ、毎晩夕食が済むと床に寝そべって、おじいちゃんやおばあちゃんから、いろいろな話をしてもらったのを懐かしく思い出します。たとえば5本の手の指は何のためにあるのか。指にはそれぞれ名前がついています。それをおばあちゃんは、孫たちに分かりやすく説明してくれます。それを聞いた孫たちは、あぁそうかと納得します。こうしておばあちゃんとお話ししながら教えてもらったことは、単なる知識ではなく、楽しい記憶として子どもの心にずっと残ってゆくでしょう。
著者から 3/14
2月号作家 堂場瞬一 Doba Shunichi「家族小説」への挑戦
2月号作家 堂場瞬一 Doba Shunichi「家族小説」への挑戦
初めての週刊誌連載だった。
著者から 2/27
2月号ノンフィクション作家 森功 Mori Isao新聞記者と敏腕捜査員の神経戦の面白さ
2月号ノンフィクション作家 森功 Mori Isao新聞記者と敏腕捜査員の神経戦の面白さ
警察の事件捜査をモチーフにした小説は、場面場面のきめ細かい描写が生命線ではないだろうか。本書『連写 TOKAGE(トカゲ)3――特殊遊撃捜査隊』を一読すると、ことのほかそう感じる。タイトルの「連写」は物語における重要なキーワードに位置付けられている。一方、捜査で描かれるそれぞれの情景が、題名どおり読む側の瞼に次々と活写され、つい引き込まれていく。本書は、まさに警察小説の傑作『TOKAGE』シリーズの第3弾である。
最初の読者から 2/27
2月号建築史家 山岸常人 Yamagishi Tsuneto根来寺史を通じて中世社会を理解する
2月号建築史家 山岸常人 Yamagishi Tsuneto根来寺史を通じて中世社会を理解する
日本の中世社会において、宗教が担っていた社会的役割の重さは、現代に生きる我々には想像しがたいものがある。1960年代に中世史家黒田俊雄が唱えた権門体制論以降、中世の国家は公家・武家・寺社の諸勢力が相互補完しつつ、分担することによって成り立っていたと理解されるようになった。このように3本の鼎の足の一つとしての宗教界を位置付けると、その重要性は明確になる。
最初の読者から 2/27
1月号朝日新聞記者 山田佳奈 Yamada Kanaこれから何かあるたびに、私はページを開く
1月号朝日新聞記者 山田佳奈 Yamada Kanaこれから何かあるたびに、私はページを開く
天野さんだったら何て言うだろう。
最初の読者から 1/6
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