広島に入団した秋山翔吾
広島に入団した秋山翔吾

 パドレス傘下のマイナー3Aエルパソを自由契約になった秋山翔吾が広島に入団したことに、驚いた野球ファンは多いだろう。西武ソフトバンク、広島が獲得に名乗りを挙げ、古巣・西武に復帰するという見方が圧倒的に多かった。だが、秋山はゆかりのないセリーグで土地勘もない広島への入団を決断した。

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「秋山は入団会見で、広島サイドが日米通算2000安打を達成してほしいと声をかけてくれたことに心を動かされたと話していました。3年契約というのが非常に大きかったと思います。実質2年半という期間で、今年は日本の野球に適応するために感覚を戻さなければいけない。勝負は来年以降でしょう。そうなった時に契約期間が短いと焦りも出るし、不安を感じる。また、メジャーで不完全燃焼だったことを考えると、新たな環境で再出発したい思いもあったと思います。西武に育てられたという思いが強いことから、ライバル球団のソフトバンクに行くこともはばかられる。そう考えると、広島入りを決断したのは自然なように感じます」(スポーツ紙デスク)

  FA制度が導入されたのは1993年。西武は12球団で最多の19人が、国内他球団やメジャーに移籍している。黄金時代を支えた工藤公康、石毛宏典が94年オフにダイエー(現ソフトバンク)、96年オフに清原和博が巨人へ。2004年オフに松井稼頭央が米国・メッツ、05年オフには守護神・豊田清が巨人、07年オフに和田一浩が中日に移籍している。10年以降も主力が毎年のように他球団に流出。細川亨、中島宏之、片岡治大、涌井秀章、岸孝之、野上亮磨、浅村栄斗、炭谷銀仁朗、秋山翔吾がFA宣言して国内外の他球団に移籍した。ポスティング・システムでメジャー移籍した選手の数も西武が12球団で最多だ。森慎二、松坂大輔、牧田和久、菊池雄星の4投手がメジャーに挑戦している。

 西武はメジャーからの「出戻り」が少ないのも特徴だ。松井、松坂は現役晩年に戻ってきたが、松井は日本球界に復帰した際に楽天、松坂はソフトバンク、牧田は楽天に移籍。今回の秋山も広島入団を決断した。

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