やはりTwitterで見られた文は

<感染を予防し、健康を守る>

 というふうに、それぞれに合う述語を取らないと文意がはっきりせず、落ち着かないですね。

 実は、こうした文が結構多いのです。たとえば、

例1)
 このバッターは選球眼がいいので三振とフォアボールをよく選び、打率と本塁打が多いバッターだ。

 という文を見てみましょう。

■文を分解する

 例1)の文を分解してみましょう。

(1)三振とフォアボールをよく選び
(2)打率と本塁打が多い

 となり、その理由は、選球眼がいいからだ、というのです。

(1)の「選ぶ」という述語は「フォアボール」には対応していますが、「三振」には対応していません。

 同様に(2)の「多い」という述語は「本塁打」に対応していますが、「打率」には対応していません。本塁打は「多い・少ない」で表現できますが、打率は「高い・低い」で表します。

 さらに例1)は、

<このバッターは~バッターだ>

 という構造になっているのです。

「バッターは~バッターだ」の間に、「三振」「フォアボール」「打率」「本塁打」に関する説明を挟み込んでいます。これが、文を複雑にしている要因なのです。

■骨の部分を言い切る

 それでは、どうしたらいいのか。何となくわかりにくい文だけど、「どこがわかりにくいのかが、わからない」というときは、まず骨の部分を言い切るのです。もう一度、見てみます。

 例1)このバッターは選球眼がいいので三振とフォアボールをよく選び、打率と本塁打が多いバッターだ。

 まず、

<このバッターは選球眼がいい。>

 と骨の部分を言い切ります。次にその理由を肉付けします。

<だから三振が少なく、フォアボールも多い。>

「三振」と「フォアボール」に対応するそれぞれの述語が加わりました。

<打率も高く、加えて本塁打も多い。>

 と続けます。ここでも「打率」と「本塁打」に述語が対応できています。

 通してみると

<このバッターは選球眼がいい。だから、三振が少なく、フォアボールが多い。打率も高く、加えて本塁打も多い。>

 という具合に3つのパーツに分けて書けばいいのです。

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