阪神・佐藤輝明(左)と広島・栗林良吏(右)(写真提供・阪神タイガース、広島カープ)
阪神・佐藤輝明(左)と広島・栗林良吏(右)(写真提供・阪神タイガース、広島カープ)

 開幕まであと2カ月を切った東京オリンピック・パラリンピック。正式種目となってから初の金メダルを狙う野球についても、メンバー選考は大詰めを迎えていると言えるだろう。故障や新型コロナウイルスの影響で難しい判断が迫られるが、今シーズンのここまでのプレーぶりからベストと思われる布陣を考えてみた。

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・投手:10人
山本由伸(オリックス
森下暢仁(広島)
宮城大弥(オリックス)
石川柊太(ソフトバンク
則本昂大(楽天
青柳晃洋(阪神
高梨雄平(巨人
栗林良吏(広島)
松井裕樹(楽天)
森唯斗(ソフトバンク)

・捕手:2人
甲斐拓也(ソフトバンク)
森友哉(西武

・内野手:6人
村上宗隆ヤクルト
菊池涼介(広島)
岡本和真(巨人)
坂本勇人(巨人)
浅村栄斗(楽天)
源田壮亮(西武)

・外野手:6人
吉田正尚(オリックス)
柳田悠岐(ソフトバンク)
鈴木誠也(広島)
栗原陵矢(ソフトバンク)
周東佑京(ソフトバンク)
佐藤輝明(阪神)

 予選リーグ2試合、決勝トーナメントは順当に勝ち上がると3試合という短期決戦となる東京五輪。投手陣ではまず決勝トーナメントの3試合に誰を先発でぶつけるのかというのが大きなポイントとなってくるが、今回は山本、森下、宮城の3人を選んだ。これまでの実績を考えると田中将大(楽天)、千賀滉大(ソフトバンク)、菅野智之(巨人)などが候補となってくるが、田中はまだまだ状態が上がっておらず、千賀と菅野は故障で離脱中ということを考えるとやはり選びづらい。ここは実績よりも現在の状態を重視すべきだろう。

 石川、則本、青柳の3人は第二先発。石川はリリーフの経験も豊富で、パワーカーブという絶対的な武器があるのが大きい。則本は昨年までの状態では選べなかったが、球威は確実に戻ってきており、三振を奪えるのはやはり心強い。青柳は貴重な変則タイプ。万全なら高橋礼(ソフトバンク)を選びたいところだが、今年の投球を考えて青柳を選んだ。

 セットアッパーと抑えは左右2人ずつ選出。高梨は左の強打者タイプにはもってこいのタイプで、変則でもスピードがあるというのは大きな強み。栗林はいきなり抑えで大活躍しているが、フォークという絶対的な決め球があり、走者を背負っても崩れない点も評価した。抑えの森、松井も今シーズンの状態は良く、どちらを最後に回すかは状況を見ながら考えても良いだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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