※写真はイメージです (GettyImages)
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 現地時間4月1日、米メジャーリーグがついに開幕を迎えた。今季は2年ぶりに全162試合、かつ有観客で催される。もっとも各球場では飲食時以外のマスク着用義務や入場者数の上限が設けられているが、新型コロナ感染症が爆発的に拡大した米国において、完全無観客でしかも全60試合に短縮されてしまった昨季に比べれば、大きな進歩だ。

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 今季のメジャーは開幕前から大いに盛り上がりをみせていた。現地メディアの間で注目を集めたのは、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と前田健太(ミネソタ・ツインズ)が揃って開幕戦投手に指名されたことだった。メジャーリーグで複数の日本人投手が同時に開幕投手を務めるのは4年ぶりであり、同日に登板するの史上初の出来事だったが、いずれも思うような結果にはならなかった。勝敗こそはつかなかったものの、それぞれ5回を投げきれずに降板してしまった。この結果を現地メディアはどのように見たのだろうか。著者は各チームの番記者から詳しい話を聞くことができた。

「もちろん、チームや本人が望むような結果ではなかったが、(ダルビッシュが)パドレス史上最高峰の投手であるという認識に変わりはない」

 そう評価するのは、パドレスの地元紙『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』で番記者を務めるケビン・エース記者だ。

 開幕戦、パドレスは5回表に相手アリゾナ・ダイヤモンドバックスからの猛追を受け、本塁打3本(うちダルビッシュから2本)で5点差もあった点数を一気にひっくり返された。エース記者は「制球が思うようにいかなかったのでは」とダルビッシュの様子を分析するも、「今回は相手の素晴らしい攻撃にやられただけ」と意外にもあっさりとした答えが返ってきた。同記者に言わせてみれば、所詮は162試合のうちのたった1試合の些細な出来事にしかすぎないようだ。ファンからは落胆の声は上がらなかったのだろうか。答えは「ノー」だ。「キャンプでの状態をみていれば、疑う余地はない」とエース記者は続ける。ダルビッシュはオープン戦で一時、防御率0.00を続けるパーフェクトピッチングをみせ、抜群の投球力があることをチームやファンに対してすでに証明している。「(今季)防御率が3.00を超えることがあれば、その時に落胆すればいい」とエース記者は語る。

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