アプリを開くと、まず登録した路線の列車位置情報や運転状況が表示される(写真/岸田法眼)
アプリを開くと、まず登録した路線の列車位置情報や運転状況が表示される(写真/岸田法眼)
2020年8月27日に開かれた、「東京メトロmy! アプリ」の記者発表。タクシーやシェアサイクルのアプリと連携し、大都市型MaaSの実現を図る(写真/岸田法眼)
2020年8月27日に開かれた、「東京メトロmy! アプリ」の記者発表。タクシーやシェアサイクルのアプリと連携し、大都市型MaaSの実現を図る(写真/岸田法眼)
都心の手軽な交通手段としてすっかり定着したシェアサイクルも、予約まで簡単に行える(写真/岸田法眼)
都心の手軽な交通手段としてすっかり定着したシェアサイクルも、予約まで簡単に行える(写真/岸田法眼)
タクシーのアプリと連携することで、タクシーの待機がない駅でも利用がしやすくなる(写真/岸田法眼)
タクシーのアプリと連携することで、タクシーの待機がない駅でも利用がしやすくなる(写真/岸田法眼)

 東京メトロは、大都市型MaaS(Mobility as a Serviceの略)、「my! 東京MaaS」の一環として、MaaS機能を搭載したスマートフォン向けの「東京メトロmy! アプリ」を2020年8月27日から使用を開始した。東京メトロでは、すでに「東京メトロアプリ」を提供しているが、新アプリはその進化版で、いずれはアプリの統合が予定されている。

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 最大の特長は、鉄道の枠にとらわれず、4つのアプリと連携パートナーを組んだこと。ビジネスだけではなく、東京観光にも使え、ガイドブックのような感覚で使えそうである。私のようにスマートフォンに慣れていない方でも、ものの10分も操作したら使いこなせるだろう。

*  *  *

■NTTとの協業の一環として開発

 東京メトロは2019年3月26日、中期経営計画「東京メトロプラン2021」を発表し、その一環として「新たなモビリティサービスの実現に向けた取組み」を挙げた。このとき、すでにMaaSに取り組んでいた。

 4カ月後の7月29日、東京メトロとNTTが協業に合意する記者会見を開く。双方はTDM(Transportation Demand Management:交通需要マネジメント)、Mobility連携の一環として、下記の取り組みを発表した。

○東京メトロ
 駅間混雑情報や各駅混雑予想の発信、「東京メトロネットワーク×様々なモビリティー=シームレスな移動サービス」を挙げた。

○NTT
 NTTのモバイルデータと東京メトロの駅の入出場データを融合し、駅間混雑状況の予測、交通経路の最適化。東京メトロとNTTドコモのバイクシェア(自転車)を連携することで、観光、商業、飲食、通勤など移動の円滑化を挙げた。

 東京メトロとNTTの技術を融合した協業の第1作が「東京メトロmy! アプリ」である。さらに2つのタクシーアプリ、2つのシェアサイクルを連携パートナーとすることで、移動手段の多様化を図った。

■最大のウリはマルチポータルな経路検索

「東京メトロmy! アプリ」のウリは、主に4つある。

(1)リアルタイムな運行情報
 東京メトロ9路線、都営地下鉄4路線の計13路線の運行情報をリアルタイムで表示する。おおむね平常通りは◎、15分以上遅れている場合は△、運転見合わせや折り返し運転などが発生した場合は×を大きく表示する。

 また、まるで運転指令所から見た景色(と言っても、私はテレビ番組や東京メトロが放映したVTRでしか見たことがない)をソフト化したような、列車走行位置を4秒間隔で自動更新するほか、列車の行先を表示(一部の路線では急行などの種別も表示)する。

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