体験坑道のケーブルカー。写真は2015年に行われた、青函トンネルでの総合防災訓練での様子(C)朝日新聞社
体験坑道のケーブルカー。写真は2015年に行われた、青函トンネルでの総合防災訓練での様子(C)朝日新聞社
国会議事堂前駅の長いエスカレーター(1989年撮影)。深さが有名だったこの駅だが、現在は3位である(C)朝日新聞社
国会議事堂前駅の長いエスカレーター(1989年撮影)。深さが有名だったこの駅だが、現在は3位である(C)朝日新聞社
地上駅で最も低い位置にあるJR東海の弥富駅(C)朝日新聞社
地上駅で最も低い位置にあるJR東海の弥富駅(C)朝日新聞社

 鉄道の駅のホームは平地や高地だけではない。地下鉄では当たり前の低地にも設けられている。東京メトロ銀座線のような地下1・2階という浅いところから、30メートル以上の相当深いところにも設けられている。駅の深さに関する定義は、地上から線路のレール面までの長さを計測するのが一般的のようである。それでは、地下30メートル以上を対象に、番外編も併せてご紹介しよう。

【写真】当時は「長い」で有名だった国会議事堂前駅エスカレーターはこちら

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■ケーブルカーは上に行くとは限らない

 最低地点の駅第1位は、なんとケーブルカー。本来は急勾配を登り、山上へ向かうものだが、地下へ向かうケーブルカーが青森県に存在する。

 その名は青函トンネル記念館青函トンネル竜飛(たっぴ)斜坑線の「体験坑道駅」で、海面下140メートル。青函トンネル記念館は一般財団法人が運営するれっきとした鉄道で、営業期間中に運転される(新型コロナウイルスの影響で2020年8月24日から営業休止)。

 青函トンネル竜飛斜坑線は、1988年7月9日に青函トンネル記念館~体験坑道778メートルで営業運転を開始。青函トンネル記念館は建物内にある地上駅で、発車すると急勾配を下り、体験坑道に到着する。線路はその先も延びているが、残念ながら“非公開”である。

 青函トンネルを通る列車がすべて在来線の時代は、2013年まで竜飛海底駅(後述)からの見学コースにも組み込まれ、好評を博した。しかし、北海道新幹線の工事に伴い2014年以降は、JR東日本津軽線三厩(みんまや)駅から徒歩100分、もしくは外ヶ浜町循環バスの龍飛行きに乗り、青函トンネル記念館で下車する。

 津軽線は列車の運転本数が少ないため、自動車で直接青函トンネル記念館へ向かうほうがよさそうな状況だ。青函トンネル記念館は“日本最難関の旅客鉄道”ともいえる。

■第2位以降はすべて東京都

 第2位は東京都交通局の都営大江戸線六本木駅の1番線(大門・両国方面)で、地上からマイナス42.3メートル。ホームは2層構造で、上の2番線(新宿・都庁前方面)は地上からマイナス32.8メートルの第8位である。

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都営大江戸線の駅は多数ランクイン