「ピエール瀧さんの代役となった三宅弘城さんは、『いだてん』の脚本家である宮藤官九郎さんや主演の阿部サダヲさんが所属する大人計画に在籍。NHKが大人計画に泣きついた格好となった。また、三宅さんは遅筆家として有名なケラリーノ・サンドロヴィッチさんの劇団に長く所属していますから、『1週間で2時間の芝居をイチからつくる』などムチャな現場でも対応してきた人。『いだてん』が撮り直しをしたのに放送を休まなかったのは、三宅さんの熟練した芝居力とトラブルにも対応できる高いスキルによるところが大きいと思います。それに比べて『麒麟がくる』は代役が川口春奈に決まったものの、オンエアが2週間も延期になりましたからね。当然、トータルのオンエア本数も少なくなり、脚本も大幅な変更を余儀なくされるわけで、沢尻さんへの損害賠償もさらに高額になると言われていますね」(前出のスポーツ紙記者)

■意外な代役がサプライズになる場合も

 闇営業問題では雨上がり決死隊・宮迫博之がいまだ活動休止中。レギュラー番組「アメトーーク!」(テレビ朝日系)は相方の蛍原徹がひとりで守っているが、「人気後輩芸人たちがサブMCとして番組を盛り上げているのも面白い」と評価するのはある放送作家だ。

「宮迫さん不在の穴は大きいですが、蛍原さんの横にいつも芸人が週替わりで番組を盛り上げており、通常の代役キャスティングにはない方策が非常にうまくいっている。宮迫さんで言うと、レギュラー出演していた『行列のできる法律相談所』には、あの松本人志さんがゲスト出演していました。本来、自分の番組以外に出ることはほとんどない松本さんですが、『宮迫さんの穴を埋めるためにノーギャラで出演した』と語っています。芸人さんの代役に関しては、降板した芸人さんとの関係性で意外なキャスティングになることも多く、それはそれで楽しめるのです」

 TVウオッチャーの中村裕一氏は、芸能界における代役の歴史を次のように振り返る。

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さんまのブラックデビルも代役から