彼らのように新天地で結果を残す面々が目立つ一方で、特に積極的にトレードに動いた巨人の成果が芳しくない。今季途中で吉川光夫、宇佐見真吾、和田恋の3人を放出し、日本ハムから鍵谷陽平と藤岡貴裕、楽天から古川侑利を加えたが、鍵谷はこれまで9試合にリリーフ登板し、防御率3.48と絶対的な安定感はない。古川も7月24日のヤクルト戦で先発デビューするも1回4失点で降板。そして藤岡は出番なし。近年、シーズン途中に弱点強化、チーム活性化を目的に、2015年に日本ハムから矢貫俊之と北篤(矢野謙次、須永英輝を放出)、2016年にも日本ハムから乾真大(大累進を放出)を加えたが、満足な成果を得たとは言えない巨人は、「トレード下手」と言われても仕方ないだろう。

 反対に近年、「トレード上手」なのは、2015年途中に加わって代打として強烈なインパクトを残した矢野謙次、今季先発で8試合に登板している杉浦稔大、そして今季の宇佐見真吾を手に入れた日本ハムだろう。ただ、日本ハムは2017年に谷元圭介を金銭トレードで中日に放出し、2018年途中には岡大海をロッテに放出(藤岡貴裕が加入)するなど、「失敗だった」と言えるトレードもある。今季は現段階で「成功」と言えるオリックスも、2018年は伊藤光と赤間謙を放出(白崎浩之と高城俊人が加入)したトレードには疑問符が付く。

 このように各例によって成否はあるが、少なくとも動かなければ「成功」はない。今季も含めてシーズン途中に5年連続でトレードを成立させている日本ハムに「成功」が多いことは必然だろう。シーズンオフの事例では、大田泰示と公文克彦を獲得した「大成功」トレードもある。そして、この日本ハムの「主要取引先」が巨人であることは、見逃せない事実である。