佐々木朗希の起用でも見えた監督の“覚悟”  改善に向かうアマ球界の投手酷使 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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佐々木朗希の起用でも見えた監督の“覚悟”  改善に向かうアマ球界の投手酷使

西尾典文dot.
大船渡高の佐々木朗希 (c)朝日新聞社

大船渡高の佐々木朗希 (c)朝日新聞社

 また吉田がほぼ全試合を一人で投げ抜いた昨年夏の甲子園での完投数は全90試合で71(両チームとも完投すれば2でカウント)。10年前の2008年は92完投(89試合)、5年前の2013年は78完投(83試合)あったことと比べると、確実に継投するチームは増えているのだ。甲子園に出場するような強豪校だから部員も多く、複数投手制に対応できているという意見が出てきそうだが、必ずしも強豪校だけがこのような状態なのではない。筆者が今年の地方大会で見た23試合のうち、完投数は15。佐々木が12回を完投した日の第1試合に登場した花泉(岩手)はベンチ入りわずか13人であるが、背番号1の千葉聖也と背番号9の千葉唯斗の継投を見せ、4回戦まで勝ち上がった。一関工を相手には3対6で敗れたものの、見事な戦いぶりを見せていた。部員が少なくても、一人のエースに頼らずに複数の投手で戦うという風潮は確実に広がっているのだ。

 その一方で高校野球以外については一般的な注目度が高くないこともあって報道されることも少ないが、大学野球ではまだまだ登板過多と思われる起用法が見られることが度々ある。今月行われた日米大学野球選手権では6日間で5試合を行うというスケジュールで8人の投手が選出されていたが、先発としてマウンドに上がったのは森下暢仁(明治大)と早川隆久(早稲田大)の二人だけ。各大学のエース級が揃う布陣でこの起用法は明らかに不可解である。また、昨年春の東都大学リーグ、東洋大と亜細亜大の試合ではともに豊富な投手陣を抱えながら東洋大は上茶谷大河(現DeNA)、亜細亜大は中村稔弥(現ロッテ)が3試合連続で先発のマウンドに上がっている。また東京六大学では三浦銀二(法政大2年)が下級生ながら昨年秋は13試合中8試合に先発、今年の春も13試合中9試合に登板しており、明らかにシーズン後半は調子を落とす結果となっている。

 神宮球場を本拠地とする東京六大学、東都大学でこのような状況が続く一方で、先進的な試みをしているリーグもある。東海大、日本体育大、筑波大などが所属している首都大学野球連盟では昨年春から「首都大学野球連盟主催公式戦における投球数ガイドライン」として、下記のことを発表した。

【投球数ガイドライン】*罰則規定は設けない
(1)先発1戦目は投球数制限をしない
(2)2戦目は前日121球以上投げた場合は、翌日50球までとする。但し投球中に50球を超えた場合はイニング終了まで可とする
(3)1戦目で120球以下の場合は連投を妨げない
(4)雨天で1日あけた場合は、制限を設けない


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