まだまだ安泰の雰囲気がある長友佑都 (c)朝日新聞社
まだまだ安泰の雰囲気がある長友佑都 (c)朝日新聞社

 6月24日のエクアドルに勝利すれば、27日のコパ・アメリカ準々決勝でホスト国・ブラジルへの挑戦権を手にできるはずだった日本。しかし、中島翔哉の先制点を守り切れずに、前半のうちにCKの流れから失点。後半も中島、上田綺世、前田大然、久保建英と頼みのアタッカー陣が再三、決定機を迎えながら勝ち越し点を奪えず、1-1のドローという痛み分けに終わった。2019年コパ・アメリカでの若き森保ジャパンのチャレンジは志半ばで終焉を迎え、彼らは消化不良感を抱えながら帰国の途に着いた。

 柴崎岳に依存傾向の強かったボランチ、ベテランの川島永嗣と岡崎慎司の存在感を再認識させられたGKとFWなど、チームとして手薄感のあるポジションがいくつかあったが、左サイドバックも気になるところの1つだったのではないか。

 今大会は2018年ルヴァンカップMVPの杉岡大暉が3試合連続フル出場。曹貴裁(チョウ・キジェ)監督仕込みの走力とタフさを最大限発揮し、彼は守備面では大いに奮闘した。エクアドル戦でも後半は右MFロマリオ・イバーラと右サイドバックのペドロ・ベラスコの凄まじい攻め上がりに遭い、杉岡が1対1、あるいは1対2の数的不利な状況に陥る場面も多かった。そこで彼は体を張ってピンチを阻止。必死に食らいついて失点を許さなかった。そのタフな守りについては合格点を与えていい。

 しかしながら、攻めに転じた時にはやや物足りなさが感じられた。もともとセンターバックも担う守備的な彼は相手の背後に抜け出していく推進力が不足していた。クロスに関しても、得点の匂いを漂わせたのは、後半24分に上田にピンポイントで合わせたシーンくらい。「長友の後継者候補最有力」と評される選手としては、手放しに喜べない出来だったことだろう。

「やっぱり個ではがすことができなかった。自分がそういう選手でないのもありますけど、もっとコンビネーションだったり周りとの連携で何回かサイドを突破したかったですし、チャンスメークもできればよかったかなと思います。

 長友さん基準での自己評価? まだまだだなと思う部分もありますね。でも、このレベルを経験できたのは大きな財産になった。自分がやることがハッキリしたのは大きかった」

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若者たちの現状は…