時には好不調も左右…羽生結弦、ザギトワらが持つ選曲への「深い思い」 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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時には好不調も左右…羽生結弦、ザギトワらが持つ選曲への「深い思い」

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沢田聡子dot.
羽生結弦 (c)朝日新聞社

羽生結弦 (c)朝日新聞社

 高みに達したスケーターであれば、モチベーションを上げる曲を自ら選ぶこともある。平昌五輪で連覇を達成した今季の羽生結弦は、ショートプログラム・フリーともに、過去に憧れていた選手が滑った名プログラムの曲を使った。「自分がやりたい曲、自分が見せたいプログラムを考えながら選曲して、そして振り付けもして頂きたい」と語った羽生が選んだのは、ジョニー・ウィアー『オトナル』の曲(ショート『秋によせて』)と、エフゲニー・プルシェンコ『ニジンスキーに捧ぐ』の曲(フリー『Origin』)だった。偉業を達成しフィギュアスケートの歴史に名を刻んだ羽生の、自らを形作った先人への敬意の現れであると共に、何を滑ろうと真似ではなくオマージュに昇華できる境地に達した彼だからこそ可能な選曲だともいえる。ショートでは優雅さを、フリーでは力強さを見せた羽生は、二つの曲を完全に自分のものにした。背筋がぞくぞくするような迫力に満ちた世界選手権のフリーは、羽生が唯一無二の存在であることを改めて感じさせる演技だった。

 プログラムの選曲の背後には、スケーターがそのシーズンで成し遂げたいテーマがある。来季、それぞれの選手がどんな曲で新たなスケートを見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。(文・沢田聡子)

●プロフィール
沢田聡子
1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」


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