外野手では城所龍磨(前ソフトバンク)を推したい。選手層の厚いソフトバンクで外野のスーパーサブとして長年プレーした実績を持ち、一昨年の交流戦では4割を超える打率を残してMVPにも輝いている。過去2年間は出場機会が減っているが、卓越した外野守備とスピード溢れる走塁、そして勝負強い打撃は大きな魅力だ。

 今年も二軍では少ない出場機会ながら3本塁打、6盗塁、3割5分を超える出塁率をマークしている。他に戦力外となった外野手では通算823安打を放ち、盗塁王も獲得した経験を持つ聖澤諒(前楽天)の実績が目立つが、今季の二軍での成績と、長年控えでも安定したプレーを続けてきた面で城所の方により余力を感じる。戦力外からトライアウトを経て入団し、長く外野の守備固めとしてプレーした工藤隆人が引退した中日などは、その後釜としての獲得をおすすめしたい。

 若手の大砲候補としては園部聡(前オリックス)が面白い。高校時代からスケールの大きな打撃が魅力で、2016年には二軍で打率.299、9本塁打を放ち、一軍でもプロ初本塁打をマークするなど将来が期待されていた右の強打者だ。その後、二年間は停滞が続いているが、今年も二軍では2割台前半の打率ながらも、41安打中18安打が長打(5本塁打、13二塁打)であり、また四球も多く長打率と出塁率は高い数字をキープしている。2014年オフに右肘を手術した影響で一度育成選手になりながらも、そこから這い上がった経験を持っているのも強みだ。来シーズンで24歳とまだまだ若く、きっかけをつかめばその長打力が開花する可能性は十分にあるだろう。守備位置は主にファーストだけに、指名打者のあるパ・リーグの方が持ち味を発揮しやすいことを考えると、慢性的な長打力不足に悩まされているロッテなどは需要とマッチするのではないだろうか。

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投手で戦力になりそうな選手は…