前ソフトバンク・寺原隼人 (c)朝日新聞社
前ソフトバンク・寺原隼人 (c)朝日新聞社

 日本シリーズも終わり、ストーブリーグの話題が増えてきたプロ野球。菊池雄星(西武)はポスティングシステムでのメジャー・リーグ移籍を目指し、丸佳浩(広島)、浅村栄斗(西武)、西勇輝(オリックス)など各球団の看板選手のFAによる争奪戦も大きな話題となっている。

【写真】過去には華麗なる復活を遂げた選手も…

 その一方で、来シーズンの契約を結ばない、いわゆる戦力外を通告された選手たちも多く、現役引退、育成選手として再契約の見込みと見られている選手を含めるとその数は100人以上にのぼる。11月13日に行われた12球団合同トライアウトには47人の選手がエントリーしたが、それ以外にも来シーズンへ向けて現役続行の意欲を示している選手は存在している。そこで今回はそんな新天地を求める選手の中で復活の期待が見込める選手、そしてその選手の獲得を検討すべき球団について触れたいと思う。

 野手で、年齢的にも実績的にもまだまだ戦力になりそうな選手の筆頭が中井大介(前巨人)だ。2013年には怪我のため期間は短かったが、1番打者に定着し、3割を超える打率をマーク。昨年も打率は低かったものの、キャリアハイとなる57安打、5本塁打を放ち存在感を示していた。今シーズンは内野手にルーキーを含めた多くの若手が抜擢されたこともあって出場機会が減少したが、プレーを見ていても決して力が衰えたようには感じられない。内野だけでなく外野も守れるユーティリティーぶりも大きな長所である。長打が期待できる右打者が手薄なDeNAなどは狙っても面白いだろう。

 同じく巨人を自由契約となった選手で面白いのが辻東倫だ。一軍の実働は3年間で通算安打数はわずか15本と実績は乏しいが、年々体つきが大きくなり、それに比例して打撃の力強さもアップしている。今年のイースタン・リーグでは69安打を放ち、3割を超える打率、4割を超える長打率をマークしており、内野ならどこでも守れる器用さも売りの選手だ。来年で25歳とまだまだ若く、今後の成長が見込めるのも魅力だ。内野陣が手薄な印象のある楽天などはバックアップ要員として検討すべきだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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