海外で苦しむ日本馬…今後、世界で勝てる“光明”はあるのか?【杉山貴宏】 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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海外で苦しむ日本馬…今後、世界で勝てる“光明”はあるのか?【杉山貴宏】

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アーモンドアイの父ロードカナロアは香港スプリントを連覇するなど海外で活躍(写真:getty Images)

アーモンドアイの父ロードカナロアは香港スプリントを連覇するなど海外で活躍(写真:getty Images)

 種牡馬として上々のスタートを切ったロードカナロアは、その産駒たちもやはり短距離志向が強く、こなしても1800mまでというケースが目立つ。アーモンドアイ自身は2400mのオークスを勝っているものの、3歳牝馬限定戦のオークスはそもそも1600mの桜花賞での上位馬が引き続き好走する例がままあるように、距離適性よりはその時点での純粋な力量や完成度で勝負が決まるケースが多い。オークスの一戦でアーモンドアイが2400mでも大丈夫と判断するのは早計だろう。事実、香港国際競争で陣営がエントリーしたレースは、1600mの香港マイルと2000mの香港カップだった。そういう意味では、古馬や牡馬に交じって再び2400mを走るジャパンカップがアーモンドアイの将来、ひいては海外遠征の成否を占うと言っても過言ではない。

 もっとも、凱旋門賞にこだわりさえしなければ、1600mや2000mでアーモンドアイに向きそうなG1レースはいくつもある。例えば、日本馬とも相性がいい3月のドバイターフ(芝1800m)がある。欧州のマイル路線ならば、6月のロイヤルアスコット開催のクイーンアンステークスを皮切りに、かつてタイキシャトルが制したジャックルマロワ賞や、ムーランドロンシャン賞、クイーンエリザベス2世ステークスなど候補はめじろ押しだ。

 最近の欧州では、クラシックディスタンス以上に高く評価される傾向にある2000m前後の中距離路線では牝馬限定戦も整備されている。さらに、6月末のプリティポリーステークスからナッソーステークス、オペラ賞と格の高いレースが並んでいる。また、欧州にこだわらなければ、北米競馬の祭典ブリーダーズカップフィリー&メアターフという選択肢もある。ただし、挑戦するならば凱旋門賞という空気は根強くあり、実際にこれらのレースを選ぶ可能性は低いかもしれない。

 アーモンドアイ以外に海外G1制覇が望めそうな馬は……というと、やはりレイデオロか。昨年の日本ダービーを制覇後は秋にジャパンカップで当時の日本最強馬キタサンブラックに先着する2着(勝ち馬はシュヴァルグラン)。今年3月のドバイシーマクラシックでは遅い流れに掛かってしまって4着と案外な結果だったが、これが初の海外遠征だったことを考慮すれば情状酌量の余地はある。この秋にはオールカマーから天皇賞(秋)を連勝と確かな成長を示したように、再度のドバイ挑戦や欧州遠征などに夢が膨らむ。

 レイデオロはキングカメハメハ産駒らしく確かなスピードを持続するタイプ。母系は祖母の半弟にディープインパクトがおり、母父はシンボリクリスエスとスタミナ的にもクラシックディスタンスまでは十分にこなせる下地がある。純粋な切れ味勝負にはやや死角があるが、欧州の重めの芝ならばそれもカバーされる可能性が高い。



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